【7683】ダブルエー 中期経営計画達成への道筋(5)~アパレルブランドの強化

企業研究

しばらく間が空きましたが、今年中にこのシリーズを終えておこうと思います。
今期重点施策について触れた前回までの続きです。

今回は中期経営計画における成長戦略の残りの一つ、「アパレルブランドの強化」の進捗を確認します。

ミッシュマッシュ事業の状況

事業計画及び成長可能性に関する事項」で説明されていたのは、

  • 当社強み(1.スピーディな導入 2.一気通貫した企画開発 3.柔軟な流通体制)をミッシュマッシュ事業に適応させて、早期に黒字化を実現
  • 当社主力の靴ブランドとのコラボ商品を展開

というものでした。

要するに、①過去の成功パターンの踏襲 と ②既存靴ブランドとのシナジー発揮 ということになるかと思います。

テコ入れ

成功パターンを再現すべく、3月の傘下入り後に行ってきたこととして、ヒアリング内容も含めて確認できる主なものは以下の事象です。

  1. 公式オンラインストアのリニューアル(3月)・公式アプリのリニューアル(4月)

    … 公式オンラインストアは、従前よりも洗練されたイメージと、ORiental TRafficばりの前面に押し出した商売っ気がうまく同居している印象です。

     カタログ、女優、撮影等含めて、イメージ戦略はORiental TRafficのノウハウを注入しているとのことです。
    (従前のオンラインストアは、あまりに素っ気なさすぎでした…)

  2. 企画・生産の協働(秋冬物)

    … ダブルエーでの靴で積み重ねてきた信頼から、服を始めたと聞きつけた工場から取引の引き合いがあり、「スピーディな導入」に貢献できる、良質な工場との取引も新たに始まったようです。元々、生産地は重なる部分が多く、工場の生産管理も効率的に行えるようですね。

     また、秋冬物からはようやくデザイン・生産を一緒になって行えるようになり、事業に対する理解も進んで軌道に乗ってきたとのことです。

     MISCH MASCHから移ってきた方々にとって、原価やロットの問題で今までやりたくてもできなかったデザインも可能になったようで、この辺りのモチベーションの高め方は卑弥呼の再生時と似た雰囲気を感じます。
コラボ

「同一デザインコンセプトの、洋服/ドレスと靴を展開」という施策に関しては、サンダル、パーティライン、コラボニット、コラボコートなどがありました。

MISCH MASCHとコラボをすることで、いままでやってこなかったジャンルを手掛けられるようになったのは、ORiental TRafficの公式オンラインストアや既存店の底上げにも寄与していることでしょう。

ORiental TRafficの公式オンラインストアで靴とセットで買うお客さんも増えてきていると聞いております。

損益状況

「2024 年1月期 第 3 四半期 決算に関する質疑応答集」では、MISCH MASCHの台湾の好評ぶりがうかがえ(出店の引き合いは多数で、インスタのフォロワー数も出店間もない割には多いですね)、国内についても「冬物商品の販売が好調に推移し始めましたので、下期で黒字化を目指してまいります」とあります。

企画・生産の協働がこの秋冬からであり、春夏のテコ入れが限定的であったことを踏まえると、来期は通期黒字化が十分期待できそうですね。

今のところはアパレルに関してはまずはミッシュマッシュ事業に集中し、さらなるM&Aは予定していないとのことですが(経営資源の分散リスクを考えれば、賢明な判断だと思います)、黒字基調が定着すれば中長期的には相乗効果が見込める新たなブランドの買収等、次の展開も見えてくるはずです。

余談ですが、このところORiental TRaffic他で新規出店にあまり積極的でないのは、ミッシュマッシュ事業での既存店の伸びしろが非常に大きい(まずはそちらで伸ばすことが可能)ということも要因の一つとしてあるようですね。

(続く)

明日はこれまでを踏まえ、中期経営計画数字に対しての個人的な印象を述べてまとめとしたいと思います。
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