ここに来て、「どうやら緩やかなインフレ傾向が続くのではないか」と考えた方が妥当ではないかと思うようになりました。
そうなると投資先企業の競争環境も変わってくる可能性があり、ポーターの「5つの競争要因」(ファイフォース)で考え直してみることも増えてきました。
この図ですね(↓)。
![](https://i0.wp.com/6suke.com/wp-content/uploads/2023/05/852d6537baffd57914eea95fe24d8c7a.jpg?resize=500%2C377&ssl=1)
インフレになると、サプライヤー(供給業者=売り手)からの圧力が強まってきます。
それを買い手へ売る価格に転嫁できない企業は厳しいということになるわけですが、最近思っているのは、サプライヤーのうち、いわゆる原材料に近い「川上」側であれば、言い分も通りやすいだろうということです。
この分野で素晴らしい企業を探していけばいいのではないかと。
ポーターの『競争戦略論』では、サプライヤーの交渉力が大きくなるケースとして、以下のようなものが挙げられています。
①サプライヤーの数が、販売先の業界に存在する企業より少ない場合。
②サプライヤーグループにとって、その業界での売上がさほど重要でない場合。
(多数の業界に納入している)
③買い手側の企業がサプライヤーを変更する際のスイッチングコストが高い場合。
④サプライヤーが差別化された製品を提供している場合。
⑤サプライヤーグループが提供するものに代替品がない場合。
⑥サプライヤーグループが当該業界を川下統合する可能性が高い場合。
具体的に注目しているのは、グローバルのサプライチェーンにおいて欠かせない、付加価値の高い機能性素材のメーカーや部品メーカーなどです。
これらは、日本が国際競争力を有していると思われる分野も数多く残っており、また「新しい冷戦」で活躍の場が増えるであろうことも考えると、その中で交渉力を有する掘り出し物がまだまだ残っているのではないかと考えております。
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