「決算またぎ」への個人的な感想。

投資スタンス

悲喜こもごもの決算発表シーズンがほぼ終了しました。

業績に関係なく否定的な株価反応だったものも散見され、毎度のことながら重苦しい雰囲気がありましたね。


「決算またぎ」という言葉があります。

決算発表をまたぐかまたがないかを判断する、という視点から生まれた言葉かと思います。


私にはこの感覚はありません。

なぜなら、決算は「またいで当たり前」だからです。

「決算がどう評価されるか」に基づいた事前の判断ではなく、「決算をどう評価すべきか」という事後の考察に意識を集中しています。


「決算またぎ」はおそらく短期トレードの発想なのだろうと考えています。

「次の決算に対して他人がどう考えているか」「コンセンサスはどこにあるか」に基づき、出てくるであろう結果とのギャップを推測して儲けの源泉とする。

だから、事前の判断が必要となるわけです。

そのために他人の考えをうかがい知ることが必要となり、その過程においてSNSや掲示板を定期的に巡回することになるのだと思います。


私にはこれは合わないです。

他人の考えよりも、企業の営みそのものに集中したいのです。

特に、ネガティブ感情の大見本市、負のオーラの大博覧会となりがちな掲示板には近寄りたくありません。

どういう意図や感情で書かれているかを想像すれば、独自の有益な情報が得られることはなかなか考えにくいですし(むしろ真逆)、不幸が伝染る気がして。

(注:中には善意で書いている方もいらっしゃるとは思います。)


また、長期で成長を続けるような企業にとっては、四半期単位の業績はあくまで通過点に過ぎないわけです。

長い時間軸でとらえれば、コンセンサスとの乖離による決算前後の上げ下げなど微々たるものでしょう。

仮に事前に売った場合でも、(コンセンサス対比)良い決算、悪い決算、どちらにしても買い直しにくいのは確かだと思います。

良ければジャンピングキャッチになり、悪ければ買い直すのに躊躇してしまい…。

そもそも、投資先企業と「同じ船に乗る」姿勢には全くそぐわないわけでしょうし。


諸々の心理的負荷を踏まえれば、「決算またぎ」を意識しないことこそが、自分にとっては幸せにつながるのだと改めて思うところです。

「決算またぎ」の判断がその人に合うかどうかは、「マシーン」に徹することができるかどうかでしょうか。
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コメント

  1. ユリウス より:

    よく分かります。
    私も決算跨ぎって言われても、「いや跨がない選択肢が無いんだが」、
    「もし跨がないなら、既に売却しているんだが」という感想しか出てきません。我々の様な中長期投資家にとっては決算はチェック作業ですもんね。
    「物やサービスを作り過ぎたり、不足したりしてないか。」、「集めたお金をしっかり投資や利益に繋げられてるか」、「原因不明の急変がないか」などをチェックしますからね。投機家は外科医、投資家は内科医というイメージでしょうか。切った貼ったで結果を出したい人と、その原因に着目しながら結果を出す人ではそもそものベクトルが違いますもんね。証券会社としては取引の少ない有り難くない存在である投資家ですが、最近は中長期投資家向けのサービスも充実させてきてるのを見ると、少しずつ投資環境も変わってきたのかなって思っています。

    • 6_suke より:

      コメントありがとうございます。

      「跨がない選択肢が無いんだが」は同意です。

      確かに昔と比べると、志のある方々の尽力によって、多様な投資家の形を受け入れる環境になってきている気はしますね。

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