最新刊をご恵贈いただきました。
いつも気にかけてくださり、ありがとうございます。
奥野さんの本を読むようになってもう10年ほどになるかと思いますが、とことん「事業の経済性」にこだわる骨格の部分は驚くほど変わっていません。
それでも新刊が出るたびに新鮮な気持ちで読み続けることができるのは、新たに見出した投資仮説とその事例の紹介があったり、ビジネスマン向けに投資家ならではの思考法を展開してみたり、時代背景に即したコンセプトのアップデートがなされたりと、その時々での骨格への肉付けが楽しいからです。
そして「労働者受難のAI時代」という新しいエポックに突入しつつある中での、今回の刊行。
「持てる者と持たざる者」の二者間だけでなく「考える者と考えない者」という二者間においても格差が拡大していく中で、「経済的自立」と「精神的な自立」の実現に向けた手段として、「労働者3.0」と「オーナー型株式投資」というコンセプトを提唱されています。
AIに代替されない「労働者3.0」となるために求められるスキルは、
- 「事業を見る眼」
(=単なるフレームワークの適用とは異なった、人間だけが持ち得る、柔軟で文脈に応じた思考の力) - 「主体的にリスクをとる胆力」
(=AIには決して真似できない、人間の本質的価値) - 「他者を巻き込む共感力」
の3つ。
そしてその域に近づくための、貴重な再現性のある実践の場・鍛錬の場(「リアルタイムケーススタディ」)が、「オーナー型株式投資」。
「オーナー型株式投資」とは企業の本質的価値と向き合い、長期的にその成長を支える投資であることと同時に、従来の「安く買って高く売る」=PL発想ではなく、「優れた事業の価値創造を自分の富に取り込む」=BS発想を拠り所としたものでもあります。
AI時代であればなおのこと、ゼロサムゲームに明け暮れている場合ではありません。
この辺りは川北英隆『個別株の教科書』を直近に読んでいたこともあってシームレスに入ってきて(川北さんとは共著も多いですよね)、かつ自分が普段から意識していることと重なり合う部分も多く、自身の投資に関して「この方向性しかない!」と勇気づけられるものがありました。
この「オーナー型株式投資」を実践することで、個人として自立でき、社会の持続性にも貢献できるため、まさに「利己と利他が調和する」構造が機能するのだという、大団円に向かう構成も見事です。
私の中では最高傑作となりました。
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