森憲治『米国の投資家が評価する「良い会社」の条件 クオリティ投資の思考法』を読む。

読書

お金や投資についてのまともな教育を受けていない日本人が投資をはじめるにあたって、何をもって「良い会社」と判断したらよいのかわからないという、大きな課題があります。

この本は、一般人にとってなじみのない専門用語や数式を極力使わずに、それでいてプロの投資家が「良い会社」をどう見極めているのか、「クオリティ投資」をするに値する会社はどんな会社か、そのエッセンスを凝縮して説明した貴重な本となります。

個別株投資・アクティブ運用をこれから本格的にしていきたい方に役立つのはもちろん、自分もそうですが、ある程度長期目線での投資の経験がある方にとっても、定性分析を行うにあたってのチェックリスト的に使うことができると思います
(要するに、文系向きです)


『良い会社』とは」「マネジメントの性格」「ビジネスの性格」「業界の性格」の4つの章から成っているのですが、「良い会社」を見極める大前提として、シンプルに「ROE」を使っているのでわかりやすいです。

  • なぜ高ROEが好まれるのか。
  • 長い目で見たときに高いROEを維持もしくは向上させていく事業機会が存在するか。
  • ROEが希薄化しないように、経営者はいかに事業機会の選定を行っていくべきか。


こうした疑問や判断軸について、一般人にとって実用面で過不足のないレベルで解説してくれる本はあまり無かっただけに、大変ありがたいです。

自分にとっても良い振り返りの機会となりました。

投資される企業側としてみれば、投資家にどうアピールしていけばいいのか、その糸口がつかめる本ともなっていますね。
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