日立製作所株主総会2025(2)(★★★★★)役員の多様性を活かす

株主総会・説明会

質疑応答の続きです。

質疑応答(2)

【質問3】
NVIDIAと色々協業されていると思うが、ソフト面とハード面、人的交流を含めて、今後どのように関係性を発展させていくのか?


(阿部執行役副社長)
日立の特長である、IT・OT・プロダクトを組み合わせて価値を変える上で、NVIDIAは非常に重要なパートナー。
つい最近もNVIDIAとは、日本で初めて非常に大きな戦略的パートナーシップを結んで発表させていただいたところ。
HMAXについても、鉄道とその保守を中心したところで、NVIDIA、鉄道部門、GlobalLogic、日立デジタルサービスと、色々な部門が協力し合って作っている。
こういったところをさらに発展させるのが一番大事。

それからNVIDIAだけではなく、さまざまな会社と協力しながらAIの人材を育てていくことも非常に重要なテーマ。
GlobalLogicはAIの人材をたくさん抱えているが、それだけではなく日本でもたくさんの人材を育てるべく、NVIDIAをはじめとする協業パートナーの力も加えながら進めてまいりたい。

(德永執行役社長)
少し補足させていただくと、NVIDIAのCEOのジェンスン・ファンさんと、2年以上前に直接お会いして、そこからハードウェアの協業、ソフトウェア、アプリケーションの協業が一気にスタートしている。
ご紹介申し上げたHMAX以外にも、エネルギー、インダストリー、こういった部分にも今まさにアプリケーションを広げようということで協業を深めている。
引き続き協業の成果にご期待いただければ。

【質問4】
利益回復について、(営業利益率)10%をターゲットにしばらく頑張ってきたと思うが、届いていない。
それから配当性向について。
国際的な連携等色々あるかとは思うが、40%台くらいはキープしていただきたい。


(加藤執行役専務)
はじめに株主様からご指摘があった利益率については、現在我々が開示の中心にしているのは、Adjusted EBITA
従来の調整後営業利益は、M&Aをした時にどうしても無形資産の償却が出るので、ここを足し戻したベースで開示をさせていただいている。
すでに開示済みだが、2024年度は3セクターの主力事業を中心に11.7%を達成しており、前年度比では+1.7ポイント改善をさせていただいている。
これを2025年度ではさらに向上させるべくやっている。
数字の定義は変わるが、実質的には向上させることを目指して取り組んでいる。

配当性向については、先ほど松村執行役常務の方からお答えした株主還元の件でも言及させていただいたが、この新しい経営計画の期間においては、コアフリーキャッシュフローの50%以上について株主還元をさせていただくことを方針として考えているが、株主様からいただいたコメントも十分考慮させていただく。

→ この辺の数字の見せ方、今回の自社の土俵へと持ち込む話の持っていき方はさすがに上手だなと感じました。

【質問5】
御社は日立グループ人権方針や、あるいは事業戦略の中核に据えたサステナビリティ経営において、人権を尊重して安全な職場環境を提供するとしている。
しかしながら、実際に日立グループの職場で見ると労働における権利とか人権が守られていない実態がある。

(以下、いくつか労働実態の実例につき言及されていましたが、ここでは省略)

「真のOne Hitachi」で従業員が最大限のパフォーマンスを発揮するためには、安心して働ける職場であることが第一だと考える。
そのためには、先に述べた事例も含めて、日立グループ全体が人権尊重の視点で、職場の実態調査、救援措置、あるいは制度の改善など能動的な取り組みが求められると考えるが、いかがか?


(デッラジョヴァンナ執行役専務)
(以下、通訳)
ご指摘いただいた事象に関しては、個別案件に関わることであり、言及はさせていただかない。
しかしながら、日立としては法律ならびに規制に対して、厳正にコンプライアンスを以って臨んでいる。
それは日立グループ全体にわたるものであり、私どものグループ企業が活動している、全ての国に対して適用されるものである。
グループ会社や子会社に対しても、私どもがコンプライアンスを促進していることに変わりはない。
そして正当性と透明性を原則とし、私どもはこの報償の体系を遂行するという理念で行っている。
また、それぞれの役割、そして責任に基づき、また私どもが市場で競争力を発揮することができるということも勘案した形で、社員に対してもこの報償を提供している。
ハラスメント対策としてのホットラインについては、寄せられた案件を調査をし、これが問題であると認識した場合には行動に移させていただいている。
私ども全社、グループ全般にまたがり、コンプライアンスが必達である、守られるということにコミットしている。

→ 個別の「現象」の話を封じ込め、そもそもの「本質」を以って回答するというスタイル。この嚙み合わなさも意図的なものでしょう。

【質問6】
JR東海のリニア中央新幹線について。
この問題は困難が多く、2027年の開業を断念しその後の目途が立っていない。
日立製作所は、このリニア新幹線と関わりがあるのか?


(マリノ執行役専務)
(以下、通訳)
リニア新幹線に関しては、2020年に日立レールから最初のバージョンが導入された。
こちらは日立製作所笠度事業所で作られたもの。
2025年2月にJR東海の方から、より改良された設計で新たな車両を開発するというアナウンスがあった。
ただ、こちらに関しては非常に機微な情報となりNDA(秘密保持契約)もあるので、これ以上のコメントはできない。

(德永執行役社長)
非常に困難なプロジェクトであることは事実だが、お客様としっかりと議論を重ねながら日立としての責任を果たしてまいりたい。

【質問7】
私は日立のOBだ。
德永社長は若いのでご存知ないかもしれないが、25年以上前は日立は各地でクビ切りがあり、男女差別、賃金昇格差別に対する戦いもあったが、それを一括して2000年に解決しようという決断をし、それ以降争議は起こっていない。
日立グループ人権方針を確立し、日立は争議をやるような企業から変わったんだと認識していた。
ところが…

(以下、直近の労働争議と、その件で出向いた際の会社としての応対への苦言がありましたが、ここでは省略)

一介の株主、組合の役員の話に耳を傾ける姿勢がなければ、日立の掲げる人権方針は本当に意味のないものになってしまうのではないか。
今後はこうした要請行動に対して、本社機構をはじめ、幹部の皆様がどのような指示をされ、改善を目指しているのか、お聞かせ願いたい。


(デッラジョヴァンナ執行役専務)
(以下、通訳)
国際規格との整合性を保つため、日立としてはこの人権宣言に関して2024年に改正を加えている。
会社内だけでなく、日立の関わる全バリューチェーンに関わる形で、人権デューデリジェンスを行っていく内容。
事業活動を行っております、グループ全体、日立製作所に限定されることなく、私どもは厳格にコンプライアンスを推進し、また推奨していく。
万が一問題が特定された場合には、即刻行動に移す。
労働組合とも安定的なコミュニケーションを図っている。
そして労働環境、労働条件に関しての改善を重ねている。
ということで、これらの行動というのは継続的であり、春闘に限定されるものではない。
全組織を挙げて、コンプライアンスが適切に実行されるということを継続的に確認し、注視していく。

→ うるさ型のOBに対してこのマッチング。役員登用がグローバルだと、こういう対応の仕方もあるということが、自分にとっては斬新でした。

【質問8】
長いこと株主をやっているが、株主総会は初めて。
日立がこんなに素晴らしい会社になったことにびっくりしている。
先日ニュースでロールスロイスに対して、政府が新しい原子力発電所への補助をすると見た気がする。
データセンターの需要に対してはやはり新しい原子力発電所を、といった話を聞く機会が増え、流れが変わってきているようにも思う。
私の中で日立というと、原子力発電の強い会社という意識がある。
今はどういう状況で、どういう見通しをお持ちになっているのか教えていただきたい。


(稲田執行役常務)
ご指摘いただいたように、イギリスではロールスロイスが補助金を獲得したというニュースが流れていた。
私ども日立製作所は、アメリカのGEベルノバという会社とジョイントベンチャーをしており、ともに小型炉の開発、建設を進めているところ
ご承知の通り、生成AIの普及に伴ってデータセンターの中継局需要が大幅に上がってきている。
小型炉は初期投資が少なく、なおかつ小型であるがゆえにかなり構造がシンプルで、次の世代の原子炉として非常に期待が高まっている。
これからも我々の方で特に北米地区、カナダのオンタリオ州ダーリントンで今1号炉の建設が始まっているところであり、 これからもその初号機の建設を一所懸命に支え、必ず成功させ、このビジネスを発展させていきたいと考えている。

【質問9】
4年ほど前にGlobalLogicを買収されたが、現在の状況を教えていただきたい。
減損も出ていないので成功しているかとは思うが、であればどのような要因で成功したと考えているのかについても教えていただきたい。


(德永執行役社長)
非常に重要なご質問、ありがとうございます。
(→ 巨額買収を成功させた立役者でもありますし、「この質問を待っていました!」という感じでしょうか。)

(阿部執行役副社長)
4年前に買収してから非常に高い成長率、利益率で継続して成長している。
エネルギー、鉄道、産業系でのデジタルエンジニアリングということで、アジャイルでソフトウェアを作るとか、あるいは手作業をするといったところで、非常に強みを発揮している。
業績も、買収した当時の売上高からは倍以上に成長している。
また多くのAIのエキスパートを育てており、1万3,000人ぐらいのAIの技術者を保持している。
そういった意味では、日立の生成AIの事業をけん引するという意味でも、非常に重要な会社

さらには、数年前からGlobalLogic Japanということで、日本のお客様にもGlobalLogicの力を使い、デジタルエンジニアリングやAIで貢献しようということで、家電量販店等のさまざまなお客様での実績も今積み上げているところ。
GlobalLogicの人材を日本で活用することも含めて、さらに発展させてデジタル人材教育を補いながら、さらなる事業拡大を図ってまいりたい。

(德永執行役社長)
GlobalLogicについては、財務的な指標のみならず、日立の企業文化を変えるというところにも、大変大きな寄与があり、速く動く、アジリティを高く仕事をしていくといったところや、広くオープンに日立の中を繋いで仕事をするといったところも、GlobalLogicがいい触媒の役割を果たしてくれており、非常に大きな貢献があるという状況。
今後の発展に引き続きご期待いただければと思う。

(続く)

ここまで多様なバックグラウンドを持つ役員の方々のお話を聞けるのは、なかなか無い経験です。
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コメント

  1. 伏見の光 より:

    よくしゃべられてますねー。キーエンスとえらい違い・・・(^_^;。

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