見学会
いよいよ施設の見学会です。
参加者は3班に分かれ、社員の方々に各所を案内いただきます。
展示室
1階コーナーでは、日本の現代医療の礎を創った、1921年創業からの50年を代表する3大デバイス(体温計・単回使用の注射器・血液バッグ)が展示されていました。
北里柴三郎博士をはじめとする医師らが発起人となり、赤線検温器株式会社として創業したのですが、その設立趣意書も展示されていました。
今では当たり前になった「ディスポーザブル」の概念を、「MOTTAINAI」精神の根強い日本に持ち込んだ功績はとてつもなく大きいですね。
2階コーナーでは、現在の血管内治療、心臓手術、血液・細胞治療などに使われる最先端の医療機器や、病院での日常的なケアを支える医療機器(体温計の数々も含む)などが展示されています。
グローバルな企業買収や提携によって、その時々で必要な最先端の技術を獲得していった歴史もよく分かりました。
岡野工業(現在は廃業)を有名にした、「痛くない注射針」もありましたよ。
こうして企業沿革を、それぞれの時代の製品とともに、まさに「歩きながら」体感できるというのはいいですよね。
これまでの価値創造のストーリーがリアルに迫ってくる感覚があり、他の企業のこのような展示スペースにも積極的に足を運びたいと思いました。
ホスピタルスタジオ
ICUからオペ室、病棟、ナーステーションまで、一般の病院機能を再現したトレーニング施設であり、身体計測やモニタリングのIT化など新しいソリューションの開発拠点でもあります。
天井にはカメラが付いていて、医療従事者が振り返られるようになっています。
ここであらゆる事態を想定し(患者のマネキンの拍動やリアクションなど、細かくシミュレーションできるようになっています)、たくさん失敗することを通じて、「現場で絶対失敗しないようにする」という真鍋さんのお話が印象的でした。
手術室・カテーテル室
手術室では心臓外科手術時に用いる人工心肺装置を、実際に操作できるようになっている等、各種医療技術のトライアルや手技トレーニングができる場所です。
お医者さんからの現場からのフィードバックがテルモさんの開発を支えているんだと、実際に納得できる場所でした。
面白かったのは、カテーテル挿入の実技を体験させていただいたことです。
心血管モデルにガイドワイヤーとカテーテル(濡らすとうなぎのようなヌルヌル感)を入れ、バルーンで膨らましてステントを留置する一連の作業を分担して行いました。
この他、「2037年に叶えたい医療の姿」ということで、今後の技術の方向性を示す動画も見させていただきました。
(それにしても、写真が無いのがもどかしいです…)
全体を通しての所感
実はこの日は9月17日ということで、テルモさんの創業から101周年にあたる日でした。
このような日に、大変素晴らしい機会を設けていただいたテルモさん・NVICさんに感謝致します。
テルモの社員の方々が自分の会社を心から愛していらっしゃる様子は、とても印象に残りました。
企業分析において、もっとも得がたくて貴重なのは「手触り感」ですよね。
実際に色々と見させていただいたことで、NVICさんの投資仮説をより肌身に感じることができました。
なかなか個人投資家レベルではここまで踏み込んだ実態把握は不可能ですから、特に大企業への投資については、ぐいぐいと中に入り込めるプロ(ただしNVICさんのような、一社一社を徹底的に深掘りする、ごく一部のプロ)にファンドを通してお任せするのも合理的だなと、改めて感じた次第です。
最後に全体で記念撮影がありました。
個別にお願いして、奥野さんとのツーショットも撮っていただきました。
17:00時前に小田原駅で解散。
大変充実した一日をありがとうございました。
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