運用報告に続いては、NVICさんによるテルモ社に対する投資仮説の説明です。
テルモ社に対する投資仮説
NVICさんからは、事業領域・概要についての説明の後、投資仮説をご披露いただきました。
いつもの「構造的に強靭な企業®」の3つの基準に沿った形です。
【産業付加価値】
すり合わせ、地道な品質改善。ユーザーの使い易さ・治療効率を高めた製品。
【競争優位性】
①ものつくり力・製品改良能力。
②イノベーションを生む力。
③M&Aを活用した先端技術の取り込み。
【長期潮流】
高齢化進展による患者数増大。
QOL追及・医療コスト削減の観点からの低侵襲治療ニーズの拡大。
(↑ 雑メモからの書き起こしですので、正確性には欠けるかもしれません)
上記の補足として、以下の説明もありました。
①医療現場との接点
- 本拠点も活用したトレーニング&フィードバック
②外部からのイノベーション取り込み
ー 例:脳血管内治療デバイスの製造販売会社 米マイクロベンション社の買収
③シリコンバレーのインナーサークルに身を置いた情報収集
この時点で既に、テルモさんに対する解像度はだいぶ上がってきました。
いつもながら、NVICさんの言語化能力の高さを感じますね。
ただこれだけでは、この場所に来た意味はありません。
ここからはいよいよテルモさんの出番です。
テルモ社によるプレゼンテーション
テルモメディカルプラネックスについて
この施設の名前は「PRactice ANd EXperience」から来ており、「実践・研修」の場であり「ブランド体験」の場でもあるとのことです。
医療従事者の安心・安全に貢献し、ひいては患者様の安心につなげる役割を果たしています。
コロナ禍の前で年間約1.2万人の来場者があり、目的は見学・製品検討会で49%、研修・トレーニングで51%とのことでした。
ブランディングとトレーニングを両立させている施設というのは、ユニークですよね。
6つのストーリー
テルモメディカルプラネックスセンター長の真鍋智子氏からは、全世界の社員で同じ「想い」を共有(日本国籍の社員は2割に過ぎないそうです)するための社内向け動画、「TERUMO STORIES」について説明がありました。
今回特別に視聴させていただいた動画は、以下の6つのストーリーによって構成されていました。
- 感染症を防ぐための「使い切り」
- どうやって使い捨てを浸透させる?
- ガイドワイヤー
- 水銀体温計の生産を止めた理由
- 安全な輸血で世界を救う
- 「ものづくり」のテルモカルチャー~TERUMO MUSIC
泣けるものがありました。
多くは「テルモ100年の年表」や「テルモレポート」の文章からも学べる内容ではあります。
ただこうした動画も使いながら「想い」を繰り返し伝えていくことで、「医療を通じて社会に貢献する」という、文字上ではありふれた企業理念を、テルモさんならではの血の通ったものへと昇華させることができるのでしょうね。
20年前に外資から来られた真鍋さんも、「だんだんテルモのことが好きになっていった」と仰っていました。
正直、企業理念を「自分ごと」にできる社員の皆さんを羨ましくも思いました。
(続く)



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