3年連続3回目の参加となります。
任せて安心な経営をしていただいている企業として、HOYAはわがポートフォリオの屋台骨を支えています。
今回は鈴木洋前CEO(3/1付で交代済)が最後の議長を務められる総会ということで、個人的には参加がマストでした。
株主総会
40席用意され、参加は30名弱。
前回比若干増えたとはいえ、時価総額4兆円超の企業としてはえらく少ないですね。
議長は鈴木洋前CEO。
今回は取締役・執行役の海外からの中継は無かったです。
コロナ禍からの正常化が進みつつあることに加えて、企業としての一つの節目ということもあるのでしょうね。
冒頭の挨拶はせっかくなので口語調でお伝えします。
(鈴木前CEO)
活舌がいい方ではなく、マスクをしていると何言っているか分からないと言われるので外させていただきます。
3月1日付で代取CEOの交代となりました。
新CEOとして池田が就任しておりますが、本総会までは定款の定めに従い、私が議長を務めさせていただきます。
暑いですね…
壇上の右側の人間(執行役)は1人(中川執行役)を除いたら普段は皆シンガポール駐在なのですが、「亜熱帯のシンガポールより6月の東京の方が暑いよね!?」なんて話をしていました。
あまりくだらないことを言っていると事務局に怒られそうなので、この辺にしておきます。
この後は極めて簡潔な監査報告を経て、映像とReadSpeaker(AI音声合成ソフト)を使った事業報告です。
こちらも改めての説明が不要な部分は大胆にカットしていただいており、ありがたいです。
この5年間は株主総利回りが170%あり、TOPIXの44%を大きく凌駕しているとの説明がありました。
ここで池田新CEOよりご挨拶と今後の方針についての説明がありました。
(池田CEO)
入社後技術畑を歩んできました。
2013年には情報通信事業CEOとなり、担当事業の成長に注力してきました。
2015年にはグループ全体のCTOとなり、技術開発を管掌する立場となりました。
そしてこのたびCEOとなりましたが、これまでの経営執行体制をしっかり受け継いで参ります。
事業ポートフォリオマネジメントを現在よりさらに強固にしつつ、研究開発への投資やM&Aに注力して参ります。
今後ともご支援の程、宜しくお願い致します。
スベることを恐れない鈴木さんの飄々としたトークとは対照的に、実直であろうお人柄を感じさせる語り口でした。
決議事項は以下の通りです。
- 取締役8名選任の件
- 定款一部変更の件
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
主に鈴木前CEOが対応していました。
【質問1】
今回で鈴木さんと内永さん(内永ゆか子社外取締役)が退任されるが、その功績は大であり、退任にあたってのお言葉をいただけないか?最後に会社に対しての思いを伺いたい。
⇒
(最後に)ご挨拶はさせていただこうと思っている。
【質問2】
CEOでもいらっしゃった鈴木さんが監査委員をやられているのはなぜか?
今期については池田さんがやられるのか?
⇒
監査委員会は社外取締役のみで構成されており、社内の人間は入っていない。
内永さんが委員長をされているが、監査委員が直接、監査法人とやりとりしている。
執行側が悪いことをしないように、中の人間は入れていない。
私は3月以降、執行から外れたので、取締役としての立場は残っているが監査委員会に入っている。
前期は3/1からの1ヶ月、今期に入ってからは3ヶ月務めている形だ。
【質問3】
歳をとって白内障の手術を受けた者だが、レンズについてお伺いしたい。
多焦点レンズとか色々なものが開発されているが、今後の方向性は?
⇒
(池田CEO)
眼内レンズシェアは日本で25~30%、世界全体では10%弱。
製品の構成は従来モノフォーカル(単焦点)が中心だったが、近年はバイフォーカル(二重焦点)、トライフォーカル(三重焦点)製品に力を入れている。
昨年来認定を取り、積極的に欧州から市場に出している。
これから他地域でも認証を取り、世界中へ普及させていく。
(鈴木前CEO)
多焦点眼内レンズは慣れるのがなかなか難しい。
お若いうちに入れられたのは正解。
20年前から出ている製品ではあるが、思ったほど伸びていない。
ただ技術も伸びているし、お医者さんのスキルも上がってきている。
主力とはならないが、これから伸びていくだろう。
質疑は以上になります。
議案可決の後は、鈴木・内永両名から退任のご挨拶がありました。
(再び口語調でお伝えします)
(鈴木前CEO)
株主の皆さま、ご支援誠にありがとうございます。
この会の終結を以て、内永取締役は退任されます。
内永さんには、まあ叱咤されて、怖い思いをしながら付き合って参りました。
最後に一言をお願いします。
(内永社外取締役)
9年間お世話になりました。
個人のことを申し上げれば、他の企業の社外取締役も経験させていただきましたが、HOYAは日本の企業としては稀に見る特長があります。
徹底的なグローバル化を進めており、結果として必ず達成させる風土があり、起業家精神にも優れた会社です。
ほんの僅かにでもお役に立てたのだとすれば幸せです。
関わらせていただいたことを光栄に思うとともに、株主の皆さまにはご支援を末永くお願い致します。
(鈴木前CEO)
皆さまには誠に感謝しております。
21年間、一人の人間としては長いことやらせていただきました。
悪いこともいいこともあるでしょう。
私自身は一貫して長いことやるのは悪いことではないと思う一方で、環境が変化するときは新しい人間がやる方が適応できるとも思います。
グローバリゼーション、デジタライゼーション…
世の中が節目を迎えつつあり、ここからの10年、新しい事業環境に大きく変わっていきます。
私はここまで。次にバトンを渡すのにいい時期。
大きな仕事であったし、グローバルな会社を率いていくのは大変だった。
飛行機での移動やホテルの滞在にいっぱい時間も取られました。
このまま続けていたら、女房に捨てられるんじゃないかと。
これからは家族との時間を大事にしたい。
若い連中が引っ張ってくれると思いますので、どうか引き続きご支援いただきたい。
暑いですから、気を付けてお帰り下さい。
以上で全て終了です。
所見
いつも通りの素晴らしい総会運営でした。
事業そのものに文句の付けようもないためか質疑の数は少なかったですが、ドライにも感じられる事業運営とは対照的なお二方の情感を込めたお言葉が印象的で、それをカバーして余りあるものでした。
評価は★5つ寄りの★★★★☆とします。
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