1930年代に行われた、ネズミを使った有名な実験があります。
箱の中でレバーを押すとエサが出てくる装置を作ったのですが、「レバーを押せばエサがもらえる」といったん学習したネズミは、お腹が空いた時にしかそこに行かないようになりました。
しかし、その装置を時々しかエサが出てこないように設定したところ、ネズミのレバーを押してみたいという衝動は急に高まり、やがて他のことには目もくれず、必死にレバーを押すように押すようになりました。
いちばん熱心にレバーを押したのは、エサが出てくる確率が3~7割のときだったそうです。
要するに「不確実性」が存在し、「もしかしたらもらえるかも?」という状況が、ドーパミンの分泌を促すということですね。
そしてそれは、ネズミも人間も同じです。
私はこのエピソードをスマホのもたらす中毒性(もしかしたら大事なメッセージが来たかもしれない、もしかしたらSNSに運命の投稿があったかもしれない)に警鐘を鳴らす『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン著)絡みで知ったのですが、これって何かに似ていると思いませんか?
そう、株価変動です。
「今日はもしかしたら利益が出るかもしれない」という程よい「不確実性」が、人々を頻繁な株価チェックに向かわせるのではないかと、私は考えています。
近年はスマホとある程度距離を置くことの重要性が随所で語られるようになりましたが、人生をより良く楽しみ、時間の使い方を取り戻すためにも、株価変動に関しても同様の意識を持った方がいいのではないかと強く感じるようになりました(特にリタイア後)。
不必要な刺激を避けるために、株価をいちいち見ないこと(そのきっかけとなりかねない、SNSとも距離を保つこと)。
一方で比較的最近のシリーズ記事では「不確実性に光を見出す」ということも書きましたが、「不確実性」そのものには振り回されないようにしたいものです。
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