外出自粛でやっていること(1)~IR照会

リタイア生活

外出自粛ということで、これまでのように気軽に旅行もできない状況となり、下手をすると時間を持て余し気味になってしまいます。

今はたまたま雑誌の原稿書きという在宅勤務みたいなこともやっていたり、臨時休校のために子供と過ごす時間が増えたりもしていて、それはそれで有意義に感じてはおります。

ただその他にも、この機会に力を入れていることが2つありますので、ここではそれを紹介したいと思います。

一つ目がIR照会です。

投資先企業について、この時間を利用して深掘りをしておこうと作業をしていると、中にはインターネットでは確認できず、直接聞きたいことも出てきます。
そこでIRへメールで照会しようということになります。

(なお、私は今取り掛かっているお仕事の手を止めさせてしまうのは忍びないというのと、担当の方が推敲を重ねた後の情報を得たいという考えから、メールで照会するようにしています。)

IR照会の一例

以下は、某社に対する質疑の内容です(内容は修正を加えています)。
なお、どこの企業であるかは、ホルダーの方なら分かるかと思います(笑)。

Q
従業員持株会の保有比率低下が続いています。
投資家によっては、「従業員が会社の将来に不安を抱いているのでは」と心配する向きもあろうかと思います。
また私見ですが、購入時の奨励金の高さが早売りの傾向を招いてしまっている可能性も感じております。
この減少トレンドに対して、把握されている固有の要因はございますか。

A
一つの要因として、金融機関や外国人投資家の比率が上昇していることが挙げられます。
より規模の大きな機関投資家が弊社を投資先として認識していると考えています。

(補足1)
持株会は「定額購入」となるため、株価上昇に伴い一度に買える株数が減ってしまい、機関投資家がガンガン買っている状況下では相対的に存在感が低下していくことになるわけですね。
これは気づきませんでした


もう一つの要因は、持株会の会員で単位株に達した株を個人の口座に移管して、保有を継続する従業員が少なからずいるということです。
それを加味した従業員の保有株数はほとんど変わっておりません。

個人口座に移管すれば、従業員個人が議決権や配当請求権を行使することができます。
つまり、より積極的に経営に参加しようという従業員が多いということではないかと考えております。

(補足2)
(補足1)と相まって、結果として「持株会の」保有比率は下がったということですね。
理解できました。
また、持株会だと配当は再投資に充てられてしまうため、配当をインカムとして得たくて個人口座に移管するという方も多くいらっしゃるのだとも思います。


一方、会社役員や従業員を除く、個人株主様の保有株数が減少していることを懸念しております
より多くの株主・投資家の皆様に会社の内容・将来性を知っていただき、長期目線で投資していただけるよう、より情報開示を向上させていかなければならないと考えております。

(補足3)
確かにこちらに関しては、情報開示姿勢が年々進化しているように感じます。
株主分布状況の推移次第では、株式分割や、もしかしたら株主優待の設定(あまりして欲しくはないですが)もあるかもしれませんね。

照会するメリット

上記の例から分かるように、一つの質問から、考えてもみなかった情報や示唆がいくつも得られることがよくあります。
こうした機会に企業に対する理解がグッと深まるのを感じます。

また何より、直接のやりとりを通じて、自分がステークホルダーの一員であることを実感できるのは大きいです。

企業によっては、丁寧なご回答に対する御礼をしたところ、さらに御礼をいただいたことに対する御礼があったりして、半ば交換日記状態になってしまったところもあります(笑)

聞き方のコツ

私は照会するにあたっては、2つのことを意識するようにしています。

  1. 直接的に定量的なことは聞かない。
  2. 自分なりにストーリーを組み立て聞く。

数字に関することは、先方も他の株主との公平を期す立場上、なかなか答えられないでしょうし、実際「お答えしかねます」で返されることが多いです。

どちらかと言うと、定性的なことを聞く方が有益なものが得られます。
自分なりに疑問点に対する仮説を組み立て、それを検証する機会とするスタイルがオススメです。

株主総会での質問も、できれば仮説を立てた上で行いたいものです。
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コメント

  1. チェキ より:

    こんばんわ!

    今回の話で疑問に思ったのですが、金融機関や外国人投資家(大口)の比率の上昇が、持株会の保有比率低下につながるのってどういう事なのでしょうか?
    誰かが保有を増やす事でその人の順位に変動はあれど、持株会(に限らず第三者)の保有比率そのものに変化は発生しないのでは?と思うのですが…。

    • 6_suke より:

      機関投資家の買い上げにより株価が上昇、これに伴い持株会の月々の購入株数が鈍化。
      結果として個人口座への移管の数に追いつかなくなり、「持株会」名義としては純減になったもの(つまり、2つの要因の合わせ技)と理解しています。
      (分かりづらいですね)

      • チェキ より:

        大口の比率ではなく、(大口の買いで)要は株価が上がった事、それにより持株会の購入株数が減って移管による減少に追いつかない。ですね。
        やっと理解できました。
        ご回答ありがとうございます!

  2. たぐけん より:

    いつも参考にさせてもらっています。
    私の勤めている会社でも、持株会で10%上乗せして買付してくれるので、現役社員は購入している人がそこそこいます。
    しかし、退職に伴う持株会退会で持ち株数多い長く勤めた社員が抜けてしまいます。
    結果として、従業員持株会比率が下がっていると聞いたことがあります。
    社員平均年齢が高く、株価が上昇している、会社ほどこの傾向はあるかもしれません。

    私も在宅勤務となっていますので外営業時より銘柄研究時間が増えています。これを機会にIRにメールで照会、やってみようと思います。

    • 6_suke より:

      会社によっては、社員の年齢ピラミッドも関係していそうですね。
      若い人ほど、自社に対していい意味で冷静というか、資産形成は別で行っていくという考えもあるかもしれません。

      在宅勤務で銘柄を調べる時間が増えているのはありがたいですよね。
      IR照会、やってみるとクセになりますよ(笑)

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