2019年12月設定のこのファンドですが、5/19付で運用レポートがいよいよリリースされました。
期待通り素晴らしい内容でしたので、私にしては珍しく投資信託の記事を書かせていただきます。

https://www.nvic.co.jp/data/fund/obune_japan/id200001_report1_200520.pdf
(20/5/20付レポート)
これは既存の投信業界に対する高らかな宣戦布告かもしれないと感じました。
中でも「長期投資家の皆様へ」から始まる「NVICおおぶねオーナーズマニュアル」は、現在進行中のコロナショックを受けての考え方を含めて、非常に読ませる内容です。
思えば私が奥野一成さんをフォローするようになったのは、たまたま手に取った書籍『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』で、「企業価値増大を楽しむ投資」というフレーズに衝撃を受けたのがきっかけです。
その頃からコンセプトは一貫していらしゃって、何より言葉の一つ一つに普遍的な説得力がありました。
私もこれまでその言葉の数々を咀嚼しつつ投資を行ってきましたが、時を経るにつれその重みを実感しているところであります。
このレポートでもその言葉の力はいかんなく発揮されています。
例えば以下のようなフレーズです。
- (NVICさんの「構造的に強靭な企業」®の3条件を釣りに例えて)
「そもそも魚のいない池にいっても釣れるわけがない(=付加価値)。」
「魚がたくさんいる池を見つけても周りに多くの釣り人がいては十分に釣れない(=競争優位)。」
「そして自分だけが楽しむことのできる素晴らしい池があったとしても、その池が徐々に小さくなっていては、長期的に十分な魚を釣ることはできない(=長期潮流)」。 - (「日本のインデックスはなぜ上がらないのか」に関して)
「~いったんTOPIXに組み入れられれば、よっぽどのことがない限り入れ替えが起こりません。これはまるで『入るのは大変だが、入ってしまえばパラダイス』と言われる日本の大学のようなもので、真剣に企業価値増大について考える機会も乏しいでしょう。」
キレッキレで痛快ですね。
なお個人的に「おおぶねJAPAN」に関しては、「おおぶね」と違い、80銘柄にも分散していること、3条件のうち「長期的な潮流」という軸が外されていることに若干違和感を感じておりました。
(日本の人口動態に係る逆風というのはもちろんありますが)
このことに関する説明もちゃんと記載されておりますので、ご興味のある方は読んで頂ければと思います。
長期安定的に保有することで売買回転率を20%程度に抑え無駄なコストを低減、そして企業との対話を通じて持続的な企業価値増大を支援しつつ、価値増大を楽しむこの挑戦。
個人投資家にも関わるチャンスができたことを嬉しく思いますし、ファンとして今後も見守っていきたいです。
ゆくゆくは日本株のインデックスの代替として有力な選択肢の一つとなるようなファンドの成長を、心より祈念いたします。



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