eBASE株主総会2024(3)株主総会編その3(★★★★★)

株主総会・説明会

質疑応答の続きです。

全17問、内容のバリエーション的にも盛りだくさんでしたが、今回がラストです。

質疑応答(3)

【質問12】

  1. 第2号議案について。
    監査等委員に女性の候補者(野口京子氏。元バレーボール選手、現指導者)がいて喜ばしいが、この方のご経歴と期待される役割を見てもピンとこないところがあるので、ご説明いただきたい。
  2. 私は過去新聞社に勤めていたが、新聞社が5~10年後に無くなると会長から聞いて大変ショックを受けている。(会場笑)


(岩田社長)
役割の件だが…会長、ピンチヒッターをお願いします(笑)

(常包会長)
野口さんについては、「e食住なび」と大きく関係がある。
食の安全、アスリートに対する食の支援、特に栄養素関係・料理レシピといったところで。
そして、我々の「e食住なび」のメイン・ターゲットとなる主婦の目線で、2nd eBASEのビジネス戦略にかかるご助言をいただきたいこともあって、皆さまに選任いただくことになった。
また、先ほどの新聞の件(【質問8】)は、大変失礼いたしました。(会場笑)

【質問13】
他の株主総会に出た時にいい質問だなと思ったこともあり、能登半島地震で会社がいくら出したかを聞きたい。
金額と決定プロセスがどのようなものであったのかについても教えていただきたい。


(窪田CFO)
「社会貢献=寄付金を出す」といった短絡的な考えは無いことを、まずご理解いただきたい。
過去に東日本大震災等でも寄付させていただいたり、我々のサービスは食の安心安全そのものを扱っているが、期限を切って無料で提供する等、直接的なご支援もさせていただいた。

今回の能登半島地震に際しては、我々は義援金は出していない。
基本的には、我々の規模の会社ができる範疇の支援とは何かを役員会の中で議論して、内部ルールで出せるかどうかを判断している。
社内プロセスを経て社内決裁を得た上で義援金を出していく。
また、サービスを無料で提供すること=利益供与ともなるので、その辺りもプロセスの中で記録をして行っている。
今回は残念ながら会社として義援金は出していないが、逆に役員の個人のレベルで、できる限りのこと、寄付金・義援金を送ることはやっていこうということで合意している。

【質問14】
商品情報の中には、価格情報が入っていて、それが重要だと個人的には思っている。
メーカーだったら原価、小売だったら販売価格、卸だったらマージンの乗った価格となるだろうが、価格情報の取り扱いはどうされているのか?
システムを導入してもらうにあたり、他社の価格情報も取り扱っていることで警戒されないか、それが導入の障壁になっていないか、現場レベルの話も交えて教えていただければと思う。

また価格情報のビッグデータが集まるということで、それを今後の事業戦略に活かすご予定はあるか、あるいは顧客の重要な情報なので使えないのか、といった辺りも教えていただきたい。


データプールサービス(「商材えびす」)上では、メーカーさんの「希望小売価格」を管理しているのみで、原価は管理していない。
原価は0th eBASEとして各企業のeBASE上で管理していただこうということで、棲み分けをしている。
小売さんの販売価格についてはレシートに含まれている情報なので、「ビジュアルレシート」を採用いただいた小売さんからはレシート情報を提供いただいて消費者に開示していくが、その流れの中で各小売さんからは販売情報が集まってくるようになる
その情報をビッグデータとして扱い、わかりやすいところで言えば「e食住なび」の売れ筋(このエリアではこんな商品が売れてますよ、といったような)として表示していく。
それはメーカーさんや小売さんに対して、需要予測の元データとして活用いただけるものとなる

(質問者:相互のデータは分別管理されているという理解で良いか?)

その通り。
オープン情報と非オープン情報とに分けて管理している。

【質問15】
決算は素晴らしかったと思うし、今日色々な話を聞いて今後も安心して保有できると思った。
ただ、5年以上保有しているが、株価の面では伸び悩んでいる面がある。
これからも持ち続けるにあたって、パワーとなるようなお言葉をいただきたい。

一週間前にニデックの株主総会に参加したところ、永守節が炸裂していて、「下がったら買いや!」といったお言葉があった。
皆様、大株主であられるし色々思うところはお有りかと思う。
そこで窪田CFO・岩田社長・常包会長それぞれから、「下がったら○○」というお言葉を、できるだけ下品な言葉でいただきたい。(会場笑)


(窪田CFO)
私の立場としては、業績そのものを正しく開示し、下がったら正しく評価いただくべく努力するだけなので、「下がったら、正しく評価いただけるよう、正しく積極的に開示していきたい」と思っている。
ただし、我々はあくまでB2Bの黒子の企業。
我々の会社が目立ちすぎるとなかなか難しい面もあり、eBASEが有名になって「調子ええぞ」となると、「おまえ、何えばってんねん」みたいな空気になるので、少なくとも身の程をわきまえたレベルでやっていきたい。
(個人的には)「下がっても、持ち続ける。そして、さらに買いたいと思う」。

(岩田社長)
私は身内に対して、「買うときや~」と言っておいた。

(常包会長)
下がったら、上げる」。
「経常利益を倍にしたら、株価は倍になる」と、社内でずっと言ってきた。
それが今年、間違っていた、それだけではダメだと分かったので、窪田が説明したように株主対策を始めた。
が、根本的には、経常利益を上げたら株価は上がるという基本概念で行く!
(会場拍手)

→ まさかニデックの余波がeBASEに及ぶとは(笑)皆様が事業のポテンシャルを感じていらっしゃる一方、現状の株価には不満を感じていらっしゃることはヒシヒシと伝わってきます。

【質問16】
「ビジュアルレシート」について。
私は本業でソフトウェア・エンジニアをやっているが、結構凄い仕組みだと感じた。
レシートの文字列を読み込むのはよくあるが、これはマスターを持ちつつメーカーにも入り込んでいる御社ならではの仕組みだという印象。
一方で消費者目線に立つと、生活がどう変わるかといったところが見えてこない。
便利になることについて、具体的なアイデアをお聞かせ願いたい。


(岩田社長)
活用という面では、購入履歴が手元に残っていくので、その情報と小売からのチラシの情報・おすすめの情報等がダイレクトに入ってくるのが一つ。
引っ越しした時には、近くのホームセンターや家電量販店から安売りの情報やクーポンが届くといったことも可能。
家・マンションなどの設備に対して、その設備と関連したものを買いませんかというクーポンを出すことも考えられる。
また、在庫管理もしやすくなる。
嗜好品についてはいつ買ったかが分かり、保証書も一緒に管理できる。
そして、買い替えのアップグレードの提案が届くといったこともできるのではないかということで、アプリの開発を進めているところ。

(常包会長)
コンテンツ的なメリットとしては、買った商品が食品であればその食品のレシピが何十点も出る、家電製品・日用品であればその掃除のしかたが分かる、といったもの。
日用品などは買ったときの箱や台紙に細かな使い方は書いてあっても、その台紙を外して本体だけを置いておくと、本体には使い方は小さくしか書かれていないし、置いておいた台紙がいつの間にか無くなってしまうこともある。
そういったものが、レシートを見ると、そこから連携して商品情報が見られる(取扱説明書も見られる)といった使い方を考えている。

また、パテントも出しているが、買ったレシートの中の、食品だけの栄養素を足し算ができるものもある
一人住まいの方であれば、買ったレシートをずっと溜めておけば一か月分の糖質の量・栄養素の量が全て計算して出てくるものを、機能としてリリースする予定はある。
ぜひ使ってみて欲しい。

(質問者:健康系のアプリや家計簿なども出てくると嬉しいですね。)

色々とご助言をください(笑)

(窪田CFO)
分かりやすい例を追加させていただく。
紙のレシートがデジタル化されてもあまり意味ないと感じられるかもしれないが、これがインバウンドだとどうか?
レシートがデジタル化されるということは、届いたときに中国人なら中国語で何が書かれているかが分かるということ。
多言語対応というのはある意味で、国に帰ってから前買ったモノがもしかしたらボーダレスで買えるんじゃないかということにつながる。
となると、ECサイトで越境の再注文をするとか、今まで紙のレシートではできなかった顧客体験(CX)を提供できるような形があるのではと妄想している…常包が(笑)

→ さまざまな角度から夢のあるお話を皆様からしていただきました。ありがたいご質問でしたね。

【質問17】
2nd eBASEは、どうも訴求力が弱いと感じる。
普及戦略は「ピン」だけなのか、他の手段もあればお伺いしたい。


(岩田社長)
他にはございません。(会場当惑)

(常包会長)
先ほどの広報戦略の話と重なるが、一時期「BASE」という会社の広告が流れていた時に、「お前のところの会社、TV広告始めたんやな?」と言われることがよくあった。
残念ながら我々ではないが。

我々も広告宣伝をやる時期を、見極めようとしているところ。(おお!!)
窪田からも話があったように、0th・1st・2ndと来たものの、まだ「黒子」に過ぎない。
2nd eBASEでのB2B2C、小売さんに採用してもらって、C(消費者)を攻めていくというところまでは、まだ「黒子」。
あくまで、小売さんに採用してもらうということ。
だから小売さんから無理を言われた場合には、我々の戦略とは少しズレたとしても、推進動画を撮ったりということもしている。

が、ひとたびB2B2Cでの2、3年先の妄想が実現されれば、我々も表に出ることになる
小売さんをいったん介する形となるが、「実は消費者を握るのは、2nd eBASEの我々のアプリである」という未来が待っている。

例えば、小売さん1社に採用していただけると、10万ユーザーが我々の手の内に乗る。
小売A社に採用していただければ10万ユーザー、100小売に採用していただければ1千万ユーザーを超えることになる。
その1千万ユーザーを他の小売さんに誘導するということが、全部我々の「e食住なび」の上に乗っかっていればできるようになる
それがまた消費者にとってのメリットでもあり、小売さんへの販促ともなる。
家電量販店で集めた会員をスーパーに持っていったり、ハウスメーカーの顧客・施主さんを家電量販店・ホームセンターへ誘導することができるようになると思う。

そこでも我々の社是が実現できていくと思っている。
従って、広報戦略はどの時期にやるかということを考えているところ。
ぜひ出てきた時には、皆に広めていただきたい。
よろしくお願いします!

→ 岩田社長のご発言には不意を突かれましたが(笑)、常包会長からは最後、素晴らしいプレゼントをいただきました。が、現時点ではまだ妄想の段階にあるということは、投資家として留意すべきことだとも思います。


以上で質疑応答は終了。

議案採択を経て、閉会となりました。

(14:43)

新任取締役の簡単な紹介(ご本人からの挨拶は無し)と、この後の個人投資家向け説明会の案内があり、休憩時間に入りました。

(続く)

質疑応答が活発で、いつになく長丁場となりました。株主総会に対する所感は、続いて行われた個人投資家向け説明会に関する記事のところでまとめて書かせていただきます。
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コメント

  1. なりさん より:

    岩田社長さんは身内に対して株価が下がったら「買うときや~」とか言うの問題ないものでしょうかね?
    「李下に冠を正さず」の言葉があるように、上場会社の取締役は変に疑われそうなことは慎むべきかと思うものですが、冗談でも家族で株の話をするのは私はどうかと思うものですが、実際どうでしょうね?
    この回答で家でも自社の株価の話が気軽にされている感じがしたものでした。
    いいのかどうか?

    • 6_suke より:

      永守さんが引き合いに出されている以上、この場では質問者の求めに対して、わかりやすくまずまず妥当な発言だったと私は思います。

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