eBASE株主総会2024(2)株主総会編その2(★★★★★)

株主総会・説明会

質疑応答の続きです。

常包会長のご発言は必見です。

質疑応答(2)

【質問6】
従業員の処遇について経営陣のお考えを伺いたい。
有報で確認できる年収は業界平均並みと認識しているが、当社は質の高い業務をされている。
一方で、事業報告では人が集まらない、離職者が埋まらないなどと書かれている。
在職者についても給料が低いままではモチベーションの低下にもつながりかねない。
個人的には処遇改善をしてはどうかと思うが、いかがお考えか?

(ここに切り込んだのはNICEです。)

(岩田社長)
私共の社員は年齢層が若く、最近は人が採用しやすくなったものの以前は厳しい状況だったので、高学歴の社員が少ないというのが前提としてある。
ただ入社してくれた社員の昇給率は他に見劣りしないレベルであり、処遇改善はできているという認識。
新規についても採用しやすいように改善してきている。

(窪田CFO)
eBASE事業とeBASE-PLUS事業と2つある中、IT業界にはレイヤーというものがある。
コンサルティング・レイヤーとなると、平均年収1千万円、2千万円は当たり前。
私共のレポートで人材確保が難しいとしていたのは、eBASE-PLUS事業の方だと思われる。

同事業はeBASE事業とは事業シナジーが無く、M&Aで取得した会社であり300名強のエンジニアが在籍しているが、「エンジニア」とは言うものの、実際にはITの作業に関わる方々に加え、2/3のオペレーションと言われる「作業」を担う方々がおり、未経験者を採用している。
IT人材の派遣業はSES(システム・エンジニアリング・サービス)と呼ばれる業態。
こちらの平均給与は業界では250~350万円で若い方が多く、言い方は悪いが「付加価値が低い」。

逆にeBASE事業は利益率50%程度あるので、1人当たりの利益はSESであるeBASE-PLUS事業と比較すると7、8倍は違う。

eBASE-PLUS事業は(他社に比べて)給料が安いから人が採れないわけではなく、お客様から決められた契約金、例えばホストコンピュータにかかるメンテナンスのオペレーションといった類の仕事の月単価は、発注元からいただく金額が青天井に上がるものではないために限界があり、その意味で人の面は難しいということを書かせていただいた。
eBASE-PLUS事業の人材難と、eBASE事業で人が採れないということは独立した事象。

eBASE-PLUS事業についてはここ2、3年でお陰様で解消したが、その理由は他業界から入ってこられる方向けに教育システムを作り、スキルアップをしていただいて現場に出ていくといったことが実現できるようになったから。
比較的仕事をアサインしやすくなったため、同事業については改善に向かっている。
給料についても、他の業界から来た人、同じ業界で同じオペレーションをしている人としては、高い水準を維持していると思う。

eBASE事業については、「ビジネスモデル」で戦略を遂行している。
その中で、どちらかというとコンサルティングをやっているようなスキルの高い人、営業的なコンタクトをする人には年収を高く払っている。
逆にエンジニアは若手に来てもらっている。
100名のうち半分くらいはエンジニアだが、その年齢層はだいたい20代前半で、離職率も非常に低い。
若いところからトレーニングし、我々の仕組みが分かった上で育っていく。

また、株価と連動する報酬のような別の軸、「会社が成長すれば、自分たちのインセンティブが上がる」という形を作り、2つの軸で給与・報酬はやらせていただいている。
これからもチューニングをしながら、大切な人、必要な人に重点を置いてやっていく。

→ eBASE事業の方は、元々少数精鋭で業務を遂行可能なミドルウェアの存在があるのであまり心配はしていなかったのですが、ここに来てeBASE-PLUS事業での人材難も解消に向かっているのは朗報です。

【質問7】
個人的に期待しているのは0th・1st eBASEで、核さえ作ってしまえば他が入ってこれないものと認識している。
食品業界はほぼ押さえられていて、このシステムを入れないと他に迷惑がかかるなど、入れざるを得ない状況ができているように思う。
他業界も含めて、どれくらいの市場占有率なのかを教えていただきたい。


食品においてはナショナルブランドは8~9割だが、地方特有の商品や土産品はカバー率が低い。
立ち上がってきている家電・住宅・日用品といったところは半分位
さらにカバー率を上げていくため、メーカーからの登録を進めつつ、2年ほど前にリリースし活性化してきている「マスターデータえびす」を使い、ドラッグストア・ホームセンター等、食品以外も含めて小売が持っている情報を集め、一気に広げていこうとしている。
このキラーコンテンツで集めた情報に、メーカーさんの情報を足していくことで、広さ・深さを強化して、市場で他社を圧倒するようなコンテンツを集めていきたいと考えている。

【質問8】
常包会長にお伺いしたい。
企業理念の中に「貢献なくして 利益なし」という文言があるが、そこに「社会貢献ができる事業でないと利益を得ることができない」という一文も添えられている。
ビジネスモデルが変わりつつある中で、現時点で考えている当社にとっての「社会貢献ができる事業」とは、わかりやすく言語化するとどのようなものになるのか、教えていただきたい。
(私からの質問です)

(常包会長のお考えを伺える=「アタマの中」を引き出していただけるのは株主総会だけですので、なるべくこの機会を活かしたいと考えています。)

(常包会長)
我々の企業理念の一番目にある、「貢献なくして 利益なし」の考え方は、創業時からずっと同じ。

創業期(0th)は、企業内の社会貢献。
企業内を活性化することによって、各企業に貢献し、そこから利益を得ようという考え方。

1stは、業界単位
業界単位で商品情報交換における非効率の改善によって、生産性を上げるということ。
業界内で関係する小売・卸・メーカー・原材料メーカー・部品メーカー、全てにとって生産性が上がる仕組みを作ることで、それが社会貢献になるという考え方。

2ndは、消費者を巻き込んだ社会貢献を考えている。
残念ながら、2ndは我々の想定通りには進んでいない。
ただこれは、推進戦略のエコシステムがくるっと回っていないだけだと考えている

消費者の利便性を上げるアプリを作り、その利便性によって小売の売上が上がる。
それがまず消費者にとってのメリット、社会貢献であり、小売への貢献でもあると考えている。
ひとたび、某小売さん ― 例えば住宅業界で言えば積水ハウスさん ― が始めると、それを真似るということで大和ハウス工業さん、その次のハウスメーカーさん、さらにその次といったように、どんどん決まってきている。
同様に、食品・ドラッグストア・ホームセンター全てから、「e食住なび」について凄く賛同を得ているし「いいね」と言ってくれている。

しかしながら、「どこかが始めたら声かけて」という日本的考え方が横行しているため、エコシステムの一つ目がくるっと回るのがまだ実現できていないだけという認識。

例えば、(報告事項で)先ほど話のあったチラシについてだが、新聞は5~10年後には必ず無くなる(!)
なのに、あのような紙のチラシを作り続けている。
それは必ず時代とともに我々が打破できると考えている

なるべく早く、くるっと回る仕組みを作れれば、必ずや大きな社会貢献となり、我々の利益に結び付き、それを継続していけると考えている。

→ この質疑が後の盛り上がりの呼び水となりましたので、質問して良かったと思います(自画自賛)。それにしても、常包会長のお話には論理とストーリー性があって、伺っていてワクワクしますね。

【質問9】

  1. 先日の小林製薬の紅麹の問題も、eBASEがあれば調査対応が簡単にできるのでは?
  2. イオンやcoopを普段利用しているが、eBASEの名前がどこにでも出てこず、関わり方が我々には全然見えない。
    ダイエーなども含めて、(店頭やサイトに)QRコードでもあればアプリの普及にも繋がると思うが、どのようにお考えか?

1⇒
「紅麹」で検索すれば、企業内のデータベース上では出てくるようになっている。
また我々のデータプールでも検索できるようになっている。
なお、報道が出てすぐに、検索のしかたについてホームページで周知している。

2⇒
「ビジュアルレシート」がもしも普及していれば、「紅麹」で検索すれば購入履歴の中で確認できることもあって、ぜひ推進したいと思っている。
現状は静岡のマキヤがもうじきリリースするという状態で、そこから静岡エリアや同業他社への展開を進めていきたい。

【質問10】
事業の伸びのスピードが遅いことに、歯がゆい思いをしている。
会長からは、流れがくるっと一回りしたら、そこからグッといきそうなニュアンスを伺ったが、それにはどれくらいの期間を要するのか?
いったいどのくらいで成長が加速していくのか?

(同じ株主として、気持ちは分かります。)

(常包会長)
2ndがくるっと回るのがいつか、数字として表に出てくるのはいつかというご質問と認識した。

2ndを一所懸命に始めてから4、5年になる。
4、5年前には2、3年でくるっと回ると思っていた。
今も、これから2、3年でくるっと回ると思っている。

(質問者:ホンマでっか?)

5年前も本心から思っていたように、今も本心から思っている。

実は住宅業界は「e住なび」(現在は「e食住なび」に統合)という、家を建てれば建てた家の設備のマニュアルが見れるというアプリがあるが、「e食なび」よりは普及が遅いと思っていた。

ところが、ボウリングで言うセンターピンである積水ハウスさんに採用いただくやいなや、ピンが倒れて2番目の大和ハウス工業さんとか、それ以外のナントカ住宅さんとか、2社目・3社目が運用開始する運びとなっている。
4、5社目の超大手からも引き合いが来ているし、それ以外の年間100棟の工務店、マンション販売業者からも引き合いが来ている。
それらは全て、「積水ハウスさんの発表を見たんだけど…」から始まっている。

今回のマキヤさんは、失礼ながらセンターピンとは言えないものの、真ん中くらいでも後ろのピンは倒れる。
小さいところで言えば、コストコのフードコートで我々の「e食住なび」が採用されてアレルギー情報が開示されるようになり、それをコストコファンの方々がSNSで流していただき、普及していたりする。
これも、どこかが落ちれば、くるっと回るという形の一つだと思う。

5年前に「2、3年先に」と思っていたものは、今から2、3年先に必ず来ると信じている。
ぜひ一緒に信じてください!

(質問者:頼んまっせ!)(会場笑)

→ たまに関西のノリが出てくるところが、この総会の面白いところでもあります。これからの成長加速については、過去の当社サービスの普及の歴史を見ても、センターピンをいかに倒すかに尽きると思います。

【質問11】

  1. 私もeBASEさんを周りの人に勧めたりしているが、「何それ?」という反応。
    会社の名前を広げていただけると、株主として誇らしいし、このような素晴らしい企業に投資している長期ホルダーとしてありがたい。
    家族全員で株式を買わせていただいているが、夫は名前も知らなかったので…
  2. 「アプリのダウンロードを加速させることに注力したい」と仰っていたが、小売業者主体で進めていくのもいいが、eBASEさんが「e食住なび」をやっていることを消費者が知っていれば、例えば小売業者の従業員から上申するようなこともあるのではないかと思う。
    直接的に、CMとまではいかないが、(前やってうまくいっていないように見えたが)YouTubeなどで草の根的にこちらから発信し、小売から逆に指名されるという手もあるのではと思うので、できれば考えていただきたい。


我々のブランディングを、消費者の方々に分かるようにして欲しいというご意見であると認識した。
繰り返しになるが、消費者向けのアプリを出すことがeBASEのブランディングにもつながると思っているので、小売さんとの連携だけではなく、メーカーさんなども販促のアプリを作っておられることもあり、広く推進していきたい。
我々主体でのアプリの広告も、強化していくことを検討したい。

→ ご回答はサラッとしていましたが、これは良い問題提起だと思います。ぜひアピール手法についてはしっかりとご検討いただきたいです。

(続く)

たくさんのポチをありがとうございます。場もだいぶ温まってまいりました。次回は経営陣それぞれからのメッセージもございます。
にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へにほんブログ村 株ブログ 株主優待へにほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
↑ ポチっとお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました