私は昔から計画的にアーリーリタイアを目指していたわけではなくて、現実的に選択肢として考え始めたのは会社を辞める1年半前くらいです。
その頃には運よくある程度まとまったお金ができておりまして、「サラリーマンの生涯年収相当の金融資産ができたし、家も確保できたから、少なくともこれから路頭に迷うことは考えにくいかな」というイメージはなんとなく持っていました。
ただ、その時点では仕事はそれなりに充実していたんですよね。
でもある時、ふと気が付きました。
「これって、大学卒業の時点に戻ったつもりで、もう1回違う人生を生きられるってことだよね!?」
素晴らしいアイデアじゃない!?
いったんそう自分の中で認識してしまうと、会社の中でのいろいろな時間が無駄に思えてきて、「自分という人的資本」を投じる場所として、「ココ(会社)にいるべきじゃないのかもな」という思考が加速していったのを覚えています。
今はどうか。
「違う人生を生きている」と言えるかというと、多くはまだ会社を辞める前にやりたいと思っていたことを、一つ一つこなしている感じです。
地方の株主総会巡りしかり。
投資関係でモノを書くことしかり。
想定していなかったこととしては、人前で話すこと。
これは意外とやりがいがあり、自分にとっては新しい発見でした。
あとはっきり分かったのは、組織の内部で働くより、個人事業主的に動く方がよほど自分に向いていたなと(←もっと早く気付けよ)。
まあこんな感じで、「もう1回の人生」をまだまだ手探りの状態ですが、楽しんでおります。
会社を辞めても、そんなにキラキラした毎日が待っているわけではありません(ここ重要!)。
でも、働いている時間とセットの「余暇」(余った時間)ではなく、主体的に「自由時間」を生きているという感覚は、やはり何物にも代えがたいですね。
最後にアーリーリタイアを考えている若い方に、老婆心ながら。
第一の人生は「自分なりにやり切った」というところまでは、しっかり働いた方がいいと思います。
例えば20代のうちは、第二の人生において自分がどんな分野で世の中の役に立てるのか、その適性はなかなか分からなかったりするものです。
ある程度長い間働いている間に、社内外の人との関わりの中で、自分では気付いていなかった強みに、周りから評価されることを通して初めて気づく、といったこともよくあります。
その点、昨今の最速で会社を辞めることを主眼に置いたようなFIREブームには、自分の可能性を狭めてしまいかねない、ある種の危うさを感じてしまいますね。
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