この日のお宿は、「陶泉 御所坊」さん。
温泉街の中心地にありながら、その静かな佇まいは他の旅館やホテルとは別格といった感があります。
それもそのはず、創業は建久2年(1191年)とのことで、有馬温泉の中では一番古いお宿だそうです。

ロビーの様子。

この奥が食堂になります。

階段を上って部屋に向かいます。
谷崎潤一郎の随筆「陰影礼賛」の精神を受け継ぐお宿で、適度なほの暗さが独特のムードを醸し出しています。
谷崎潤一郎ゆかりの宿ですが、吉川英治、伊藤博文など、多くの文化人に愛されていたようです。

宿泊エリアは3つに分かれていて、迷路のようになっています。
私が泊まったのは、「翠巒御坊(すいらんごぼう)」と名付けられたエリアにある、スタンダードタイプ「地久」の一つ、「岱(たい)」というお部屋。
暗証番号で扉を開閉します。

10畳で、一人にはもったいない広さ。
5名まで泊まれるようです。

扉の横にある避難経路図が、まずお洒落。

お部屋の中も、なんとも言えない適度な暗さ。
他では味わえないような癒され感がありますね。
これでスタンダードタイプとは!

床の間も素敵。

「摂津有馬日本第一神霊泉」
あちこちに書かれている漢詩を眺めたり、漢字を読むのも楽しいです。

広縁にはワーケーション用の机?
おそらく一人泊のため、わざわざ持ち込まれたものでしょう。
窓際はさすがに明るいです。

冷蔵庫はこの中。

窓からは中庭が見えます。

カモミールティーとお茶請け。

飴と…

本高砂屋のマンデルチーゲルでした。
温泉街の賑わいとは、全くの別世界。


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コメント
有馬温泉、そこここに歴史が感じられていいですね。
金泉・銀泉両方あるちょっと中心部から離れた兆楽、若い頃に無理して泊まった中ノ坊瑞苑などが記憶に残っています。
若い頃に背伸びして泊まった経験は、良い思い出になりますよね。