あなたにとっての憧れの投資家は誰でしょうか?
ウォーレン・バフェット、ピーター・リンチ、あるいは現在インフルエンサーとなっているような日本人の個人投資家でしょうか?
私の場合は、「今は」誰よりも故・竹田和平さんですね。
「今は」と書いているのは、お話しされていたことの数々が「あたりまえ」過ぎて昔はピンとこず、共感できることが多くなったのが近年になってからだからです。
そして長い年月を経てたどり着いたのが、株式投資とは資金を提供することによって、その会社を応援し、育てていくという、ごくごく「あたりまえ」の原則でした。でも、あたりまえを守れば、結果として儲けもやってくるし、そのあたりまえを外せば損をする。長い経験則から、そのことがよくわかってきたのです。
竹田さんご自身がこう仰っていたように、やはり経験を積まないと「あたりまえ」も腹落ちしないということを実感しています。
投資先が「育つ」のを見守っていく十分な時間、そしてそれに伴って自分の資産も増えていくという体験がきっと必要だったのでしょうね。
竹田さんの個々の投資先の選び方そのものは下記のようなものであるため、私とは全く異なります。
- 確実なものは「いま」だけ。企業の将来性には着目しない。
- 指標として見るのは、会社の直近や財務状態だけ(だから、四季報で事足りる)。
- それに比して値段が割安であれば、黙って買う。
それでも近年憧れを抱くようになったのは、私も手探りながら「励ます株主」としての充実感をおぼえるようになった日々のなかで、竹田さんの以下のご発言に触れたことがきっかけです。
会社を興したのはそもそも何のためだったか。企業活動のほんとうの目的はどこにあるのか。それは儲けもそうだが、お客さんに喜んでもらいたい、商品を通じて社会に便利をもたらしたい。そういう点に、商売の大きな原点があったはずです。
(太字は当方にて)
その最初の動機を忘れて、儲けだけに突っ走ったら、やがてかならず得の道が損の道に変わってしまいます。だから私の役割は、そもそもの動機を経営者に思い出してもらうことにあります。
この原点が明確でなければ、「この指とまれ!」とやっても人(投資家も含む)はついていかないですよね。
少なくとも私は、応援しようという気にはなかなかなりにくいです。
そして近年何より自分の身に沁みたのは、「お金を『社会からの預かり物」と考えてみる」という竹田さんの姿勢です。
- 自分の力で稼ぎ、自分の才覚で儲けたお金には違いないが、そのほんとうの所有者は社会であって自分ではない。
- 自分は社会から信用を得てたまたま預けてもらった者にすぎず、自分のためだけに使うことなく、社会還元や、なるべく人に喜んでもらえるような使い方をすべきである。その喜びがお金の価値を増してくれる。
- 「お金を社会からの預かり物」と考えることで、所有したい、独占したいという欲望を自分でコントロールできるようになり、お金の家来にならずに主人でいることも可能となる。
株主となって投資先の会社や経営者を応援する投資、いわゆる「旦那道」とのしての投資も、その一環としてとらえているということですね。
正直、まだまだ竹田さんの仰っていたことを咀嚼できていない部分も多々あります。
でも資産の見かけの日々の増減に一喜一憂することに飽きた自分にとって、人生の後半戦を豊かに送るためのロールモデルが心の中に存在するのは、とても幸せなことだと思っています。



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