タイトルからお察しの通り、文芸評論家・三宅香帆さんの『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』から着想を得た記事となります。
物語を読む技術は、投資にも応用できるのでは?
同書では、社会や人生の「ネタバレ」が詰まっているエンタメの鑑賞を「ネタ仕込み」として再定義し、物語をどのように鑑賞し解釈すれば面白い話ができるのかを教えてくれています。
その核となっているのが、以下の物語鑑賞「五つの技術」です。
- <比較>ほかの作品と比べる
- <抽象>テーマを言葉にする
- <発見>書かれていないものを見つける
- <流行>時代の共通点として語る
- <不易>普遍的なテーマとして語る
この物語を面白く語るための技術は、投資と相通ずるものがあると感じました。
いやむしろ、投資とは「物語を読む行為」そのものなのではないかとも。
実際、ピーター・リンチは、投資仮説を意味する「ストーリー」という言葉をよく使っています。
「子どもに理解してもらえるまでに」その企業に対する理解をこなれさせるために同氏が提唱する「二分間の訓練」にも、この技術は使えそうです。
「ストーリー投資」への転用。
それでは、「五つの技術」を投資ストーリーづくりに活かす場合の着眼点をまとめてみます。
- <比較>
⇒同業他社との比較、過去の成功パターンとの比較 - <抽象>
⇒その企業が成す価値提供や投資仮説(例えば、成長・再生・独占・構造変化等)について言語化 - <発見>
⇒IRには書かれない「余白」、数字に表れない変化の兆し - <流行>
⇒マクロトレンドとの接続、政策・技術の方向性 - <不易>
⇒変わらない強み、経済の堀、参入障壁
「不易流行」は私が投資において取り入れている考え方でもありますし、初見でこの技術の実用性は高そうだと直感いたしました。
面白いストーリーがある株こそ、上がりやすいのでは?
同書によれば、「物語の解釈が面白い人」が「話が面白い人」ということになります。
同様に、「ストーリーが面白い企業」が「株としても面白い企業」になるという仮説を、私は持っています。
<比較>で企業の輪郭をつかみ、
<抽象>で投資仮説を言語化し、
<発見>で株価にまだ織り込まれていない「余白」を見出し、
<流行>で時代と接続し、
<不易>で長期的な投資価値を見抜く。
このようなプロセスを通じて、思わず人に話したくなるほど「ネタ」が磨かれたストーリーこそ、お金を投じるに値するのではないでしょうか?
「五つの技術」はそのための有効なツールになり得ると思い、この記事を書かせていただきました。
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