1994年初版で、長く読み継がれてきたシーゲル先生の名著で通称「青本」とも呼ばれていますが(『株式投資の未来』が「赤本」)、この第6版では大幅な加筆がなされています。
具体的には、ファクター投資、効率的市場仮説、バリュー投資の将来、環境・社会・ガバナンス(ESG)リスク、コロナ禍、インフレと金利の株価への影響に関する6つの章が追加されています。
そして、ほぼすべてのデータが2021年まで更新されています。
この本の結論を簡単に言ってしまえば、
「期間が長くなるにつれて、株式の平均リターンの変動幅は小さくなる」
「米国株をメインに国際分散した、インデックスファンドに長期投資すべき」
ということになろうかと思います。
が、そこに至るまでの膨大なデータの分析・考察の部分こそがこの本の真骨頂となります。
512ページの大作ではあるものの、変に学術的な記述に偏ることなく、これまで起きた市場の歴史的イベントの数々も臨場感をもって描かれており、一般的な読者にもまるで物語のように読みやすい文章で書かれています。
各章の末尾にその章での考察を簡潔にまとめた「結論」もありますので、まずはそこだけピックアップして読んでいき、気になった章を精読していくという読み方もできます。
「完全ガイド」と副題にあるように、長期投資を志す人間にとって何が必要か、そして何が必要でないかについてはたいていこの本に買いてあるという印象で、手元に置いておくと何かと役に立ちそうです。
個人的には、行動ファイナンスにまで踏み込んでもらっているのがありがたかったです。
短期的には株式が債券よりもリスクが高いことを誰も否定しないだろう。
しかし長期的には、保有資産の購買力を維持することを目的とする長期投資家にとって、株式は債券よりも安全であることは歴史が証明している。
長期的には株式の方が安全だというこの言葉を胸に、ロングランで株式投資に取り組んでいきましょう。



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