「S&P500」に抱くモヤモヤ感(1)~インデックスファンドの宿命

投資スタンス

円安基調に対する恐怖感、新NISAも相まって、「S&P500」(S&P500をベンチマークとするインデックスファンド)が日本人の間で空前のブームを迎えていると感じる、今日この頃。

ここで世界中からお金が集まってくる「S&P500」について、私が思っていることを複数回にわたって率直に述べてみたいと思います。

S&P500指数とインデックスファンドの宿命

まず指数としてのS&P500について確認しておきます。

こちらは「時価総額加重型」の株価指数であり、必然的にその企業の時価総額が大きいほど指数に占める割合が高くなる特徴があります。


それ自体には何の問題もないのですが、これをベンチマークとするインデックスファンドには、避けられない宿命が内包されているということに注意が必要です。

それは当記事末尾の書籍にも書かれていることですが、

 「どの企業への投資額も株価と連動するため、割高な銘柄が過大評価され、割安な銘柄が過小評価される傾向になりやすい」

ということです。

インデックスファンド内では「価値」は無視され、割高さ・割安さに基づくリバランスはなされないのです。


これをもっとわかりやすく言い換えれば、「S&P500」それ自体は、常識的な投資の基本行動としての「安く買って高く売る」ができない仕組みであるということです。
(あまりこのことは指摘されませんが…)

結果として「S&P500」の隆盛が、既に人気のある銘柄の人気にますます拍車をかける構造となっていることは意識しておかなければなりません。

見逃せない多大なメリット

一方、それゆえに「その時々の”旬”の銘柄を確実に取り込めるという、多大な構造上のメリットもあります。

だからこそ、アクティブファンドが「総体としては」、コスト負担も相まってなかなかこれに打ち勝つのが容易ではなくなるのでしょう。

そしてこれまでの実績が示すように、「自分のお金を効率的に増すこと」に焦点をあてれば、ほとんどの忙しい方にとって、「S&P500」が「無難な最適解」になるのでしょう。


「S&P500」は資産形成における強力な味方であり、有力な選択肢です。

ただせっかく投資するのであれば、その仕組みの背景にあるものやメリット・デメリットをしっかりと理解しておきたいものです。

(続く)

そして「米国株しか勝たん」の考え方は、この傾向(円安も)を助長していくことになります。
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コメント

  1. かたま より:

    FANG+みたいに等金額のウェートになってる指数のほうがS&P500より伸びがいいですよね

    • 6_suke より:

      イコールウェイトに伴うリバランスは、「安く買って高く売る」に通じるものがありますね。

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