ご恵贈いただいた、8月19日に発売となる星海社新書の新刊です。
著者のリチャード・ケイ氏は日本株一筋の英国人ファンドマネジャー(その経緯も本書には詳しく書かれています)で、現在はコムジェスト・グループに所属されています。
日本の株式市場を外から見つめる外国人投資家の視点を通じて、日本の多くの個人投資家が抱えがちなインデックス運用に代表される「思考の惰性」に、静かで鋭いメスを入れる一冊。
読み終えてまず思ったのは、「観察する力」「思考する力」を高める努力そのものを放棄するような思考停止に対して、ケイ氏は厳しくも温かい「喝」を入れているということです。
理由がないまま、外国株を買う
公募投信(ETF除く)残高上位には、「オルカン」「S&P500」など外国株の投資信託がズラリと並びます。
世界経済全体の成長からのリターンを享受しようとするインデックス運用が、長期投資の選択肢として魅力的に映るのも理解できますし、ケイ氏もインデックス運用を否定するわけではなく、むしろその有効性を認めてもいます。
しかしながら本書の根底には、「なぜ自分はそこに投資するのか?」という自身の問いを持たない投資家への危機感が流れているように思います。
- みんなが買っていて安心だから
- 間違えて傷つきたくないから
- 自分には本質を見抜く眼など養えるはずがないから
こうして逃げ続けることと引き換えに自分の「眼」を閉ざしてしまうのは、あまりにももったいないことだとケイ氏は言います。
外国人投資家は「理由があるから」日本株を買う。
日本人投資家は「理由がないまま」外国株を買う。
ふと思ったのは、「空気を読む」「恥を避ける」といった日本人特有のメンタリティが、皮肉にも「外国株を買う日本人」を増やす方向に働いているのではないかということです。
でも「空気」は変わるものでもありますし、変えていけるものです。
コピー品の山に自分の未来をすべて委ね、自分自身の眼を曇らせたままでいるのか。
それとも、「のろま」と他人から評されようとも自分の足で歩き、観察し、「自分は本質を見極める眼を育てられるはずだ」という自分自身の可能性に対する信仰を育てていくのか。
どちらが、あなたの人生の幅、深さや奥行きを広げてくれるでしょうか。
強烈なメッセージが、ここにあります。
投資はやはり自分の意志で未来を選び取る行為であるべきだと、私も思います。
たとえ「のろま」と言われようと、納得しながら歩き続けることでしか得られない、自分だけの地図を描く営みを大切にしたいです。
(続く)
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