pha『書きたいことがない人のための日記入門』を読む。

読書

最近、ネットで文字を読むことが段々とツラくなってきた自分がいます。
老眼のせいではなく(と、思いたい)、明らかに生成AIで書かれたと分かる文章が格段に増えたことによるものです。

生成AIで書かせている本人たちは、それだけで・・・・・読む気が失せる人が少なからずいることに、おそらく気付いてもいないのでしょう。
もうね、ストレスがハンパないのであります。

長々とした文章をAIに書かせて仕事をした気になっている(特に投資系に多い)。
体裁だけは一応整っているかもしれないけれど、そこには人の温もりやいい意味での「ゆらぎ」、そして何より、読んでいただける人に対しての気遣い・配慮が全く感じられない。
むしろ手抜きと言ってもいい。
そもそも文章は削ってナンボのものだと思うし、せめて「**」くらい消しとけよ、と言いたい。

おそらくその反動なのでしょう、最近はエッセイや日記を好んで読むようになってきました。
そして、自分もできれば他の方に読んでいただけるようなものを、より楽しく書けるようになりたいとも思うように。


そんな折、ふと目に留まったphaさんのこの新著(前置き長ぇぇ)。
「書きたいことがない人のための」っていうのが、またいいですよね。

続けるためのハードルを下げてくれるような、優しい文体と易しくも実用に耐えうる提案内容が魅力的です。

「道に変わったものが落ちていた」というだけでも、日記なら充分だ。

僕が「だるい」と書くのは、暑いときに「暑い」と口に出すとちょっと暑さがマシになる、みたいな効果を期待しているところがある。
何か問題を抱えているとき、何が問題かわからないとモヤモヤするけれど、その問題を言語化することができれば気持ちが楽になる。

本当はたくさんの人に見てほしいと思っているけど、そんな態度は表には出さず、これはただの自分用の日記だから別に誰も見なくていいよ、という体で文章を公開する。
そんなナイーブで中途半端な態度を取れるのが、引っ込み思案の自分にはちょうどよかったのだ。


ああ、これこれ。これですよ。

日記との向き合い方について、ここまで親切に、そして心情を正直に書いてくれている本は、これまであまり無かったような気がします。

日記に興味を持った方、日記がなかなか続かない多くの方(実は日記が1ヶ月続く人は、1割前後に留まるそうです)にオススメの一冊です。


おそらく、AIが浸透していくにつれ、書き手という人間の生きざま無しには成立し得ない、日記の価値がますます高まる時代になっていくのでしょう。

AIは面白い小説を書けるかもしれないけれど、面白い日記を書くことはできないのだ。

「書評」の体裁を借りつつも、半分「読書日記」になってしまいました。
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