2月に続いてとなりますが、再びオリックスです。
本決算発表時に示された株主還元の手厚さには、なかなかシビれるものがありましたね。
その件の解説は他の方にお任せするとして、私が今回採り上げたいのは4/27に発表された「オリックス銀行の異動(株式譲渡)」です。
規定路線
以前からオリックス銀行については売却観測が上がっておりましたし、私も売却が「規定路線」だと思っておりました。
なぜなら、「35.3期長期ビジョン」のターゲットの一つとして「ROE15.0%」を掲げていたからです。
25/3期連結ROE実績が8.8%に留まっており(26/3期でも10.4%)、「銀行・クレジット」セグメントの低ROA(25/3期末実績0.7%)からして、いずれは手放すと考えるほうが自然でした。
そのタイミングは分からなかったのですが、実はここ(→ROE改善)に期待したことが投資を開始した理由の一つです。
尖った貸出金の内訳
オリックス銀行単体でも、決算説明資料(2026年3月期中間期)が存在します。
こちらで貸出金の内訳を見ますと、かなり尖っていることが分かります。
- 全体の73%が「投資用不動産ローン等」
- 業種別内訳では、不動産業が20%、個人が77%
つまり、貸出金に関しては「不動産にほぼ全振りしている」と言っても過言ではない銀行なのです。
メガバンク・地銀等の審査基準からは外れてしまうような案件であっても、相応の利ザヤを確保しながらリスクテイクすることで、投資用不動産の裾野を広げる役割を担っているのではないかと考えられます。
よってこの銀行にとっては、不動産市況への対応が大変重要な要素になります。
なぜこのタイミングか?
楽待などを参考に、足元の投資用不動産の市場動向をまとめると、以下のような感じかと思われます。
- 建築資材価格の高止まりや人手不足を背景に、新規供給が限られる
- 既存物件への需要が、物件価格を押し上げている
- 表面利回りは若干低下傾向で、価格の上昇ペースが賃料の伸びを上回る状況
- 追加利上げが行われる公算大で、個々の不動産投資の収支も合いづらくなっていく可能性
一方、当社は「銀行」事業に関して、「統合報告書2025」のP.75で以下の「リスク」を記載しています。
- 不動産価格・建築価格上昇による投資用不動産ローン市場の縮小
- 金利上昇や金融政策動向などに伴う、市場のボラティリティの上昇
- 気候変動の影響による信用リスクの上昇
不動産市況、「リスク」の上2つ、そして資金調達コストが先行して上昇してきたことによる「資金粗利鞘」の縮小傾向を照らし合わせてみると、まさに今手放すのがドンピシャなタイミングであると傍目からは思えますし、実際、当社もそのように判断した気がしてなりません。
結び
この企業グループのコアは、自己資金を使った投資会社として、バリューアップの上でアセット(資産)を売買する「回転」をずっと続けていく、「キャピタルリサイクリング」です。
端的に言えば、「安く買って高く売る」を延々と続けていることに他ならないわけであって、銀行の売却もその一環であると考えられます。
「自分がわざわざ株の売買をしなくても、代わりにそれをやってくれる」という「売買の委任」をできることが、私が投資している一番大きな理由です。
今後も当社の「目利き力」に期待しながら、保有を続けていきたいと思います。
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