長期投資を成り立たせるには、当然のことながら投資先企業の「長期利益の増大」が不可欠。
そしてそれを追求する企業のスタイルを二つに大別すると、「オポチュニティ企業」と「クオリティ企業」とがある ー
この楠木建教授の視点は、ここ10年近く大いに参考にさせていただいております。
オポチュニティ企業とは、周囲の環境から機会(オポチュニティ)をつかみ取る企業。
クオリティ企業とは、内部で創る質(クオリティ)に利益の源泉を求める企業。
前者は、いかに早く、強く掴むかというゲームにおいて投資のセンスを発揮する。
後者は、それぞれ特定の領域で独自の価値に磨きをかける。
前者の代表がソフトバンクグループで、後者の代表がトヨタ自動車。
ざっくりまとめるとこんな感じですが、近年、こと「株式投資」という面においては、クオリティ企業がオポチュニティ企業にパフォーマンスとして劣後する場面が多くなってきた印象があります。
それはなぜなのか、どんな市場の構造変化があったのかを考察してみます。
そしてその結果を踏まえて、今後歩むべき道についても考えてみたいと思います。
ROEなどの「クオリティ指標」が効きにくくなったワケ。
まず、「クオリティ企業であることの証ともなるROEが、株価を動かすファクターとして機能しづらくなっているのでは?」という問題意識が自分の中にありました。
AIに尋ねてみたところ、出してきた仮説は以下の4つでした。
- 金利上昇で「成長の希少性」がプレミアム化
- AI・半導体テーマの台頭で「ストーリー性」が最重要化
- 個人投資家の台頭で「期待値ゲーム」が増加
- ROEが「差別化指標」として機能しにくくなった
少し補足します。
1⇒
2022年以降、世界的に金利が上昇。
将来キャッシュフローの割引率が大きくなることもあって、安定して稼ぐことよりも、「成長率の高さ」そのものに目が向きやすくなった。
2⇒
市場全体が「巨大テーマ×ストーリー」に強く反応する構造に。
この環境下では、「質を磨く」より「機会を取りに行く」企業の方が、投資家の想像力を刺激しやすくなった。
3⇒
新NISAの影響で、個人投資家の新規参入が急増。
彼らはROEのような地味な指標よりも、ストーリー・テーマ・将来の「可能性」に強く反応する傾向があり、それらが重視される市場に変化。
4⇒
コーポレートガバナンス改革により、ROEの全般的な底上げが起きた。
結果として、ROEは一定以上の水準を計上することが当たり前となり、投資家の関心が他に移った。
(私との普段からのやりとりが反映されていることもあって)なるほどなと思える部分もありますが、自分が事前に考えていた要素が抜けているようにも感じました。
次回、そのことについて書いてみたいと思います。
(続く)
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