つみたて投資においては、「コツコツ」という言葉に象徴されるように、まさに短期の積み重ねによって長期で成果を出すイメージが定着しているかと思います。
しかしながら、こと個別株の値動きに関していえば、むしろ長期と短期は全くの別物、違うメカニズムで動いていると考えた方が対処しやすいです。
なぜなら、人々は近視眼的な心理的偏りを持っていて、長期的な価値を適切に評価できないという事実があるからです。
その心理的な偏りとは、例えば以下のようなものです。
- 現状がそのまま続くと思いやすく、現状に反する予想はしにくい。
⇒ 本当は一時的なものに過ぎない四半期決算の「ミス」なのに、あたかもそれがずっと続くような評価の極端な切り下げが決算発表後になされたりする。 - いったん下した評価は既成概念化し、なかなか変わらない。
やむにやまれずに評価を変えざるを得ないときは、極端に変わる。
⇒ 高PERの成長株が、そのコンセンサスが崩れた時には悲惨なことになる。 - 評価が高まると株価が上がるだけでなく、株価が上がることによって評価も高まる。
逆も然りで、フィードバックループが働きやすい。
こういった心理的偏りの結果として、短期的には上にも下にも「行き過ぎ」がしばしば起こります。
市場は、短期的には目先の変動要因に強く影響され、長期にわたって実現されていくであろう価値を軽視してしまいがちです。
その一方、長い時間で見れば株価は価値をしっかり反映させていくのです。
ということで、短期の値動きと長期の価値創造の方向性とが、ワニの口のように開く局面がしばしば出てきます。
そこが売買の狙い目となります。
(逆にそれが認識できる局面でなければ、何もしない方が、もしかしたらいいのかもしれません。)
長期投資家としては、長期と短期の動きは全く別のメカニズムで動いているということをしっかりと意識し、それを上手に利用したいところです。
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