それでは質疑応答です。
質疑応答(1)
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
基本的には中西社長が回答されていましたが、鈴木CFOからのご回答も度々ありました。
【質問1】
近くに住んでいる者だが、外国籍の方の情報、国籍や在留のステイタスについて教えて欲しい。
⇒
本社とA1工場で約120名のベトナム人実習生が働いている。
3年間限定で働いていただき、その後はベトナムに帰る形だ。
【質問2】
- 研究開発費はどの程度か?
- 外科治療と同じように歯科治療も高齢化への対応が可能になっていくのか?
1⇒
(鈴木CFO)
金額で40億円弱、売上高比で5%を研究開発に投入している。
2⇒
(中西社長)
事業計画上の大きなキーワードとして「超高齢化」を掲げている。
「超高齢化」に向けて、歯の健康、体の健康、工場の自動化の3つで社会貢献していく。
その中で歯科治療において高齢者向けには特殊な器材も必要となる。
先ほどご紹介したVIVAaceのように往診用のユニットも開発していて、患者さんが歯科医院に通えない場合、先生方がご自宅や介護施設に伺ったりし、こうした器材を使うことで治療を受けられるようになる。
こうした面で貢献できていると思う。
また歯の健康においては予防歯科も非常に重要。
スケーリングを受け歯石を除去することで、死ぬまで自分の歯でいられる、入れ歯にならないような治療ができるので、そういった分野でも当社の技術が大きく貢献できるのではと思っており、これからもどんどん製品開発をして貢献していきたい。
【質問3】
プライム市場への上場のご展望はお持ちか?
⇒
現時点でのプライム市場への移行についての計画は無いが、将来に向けていつでも移行できるよう、ガバナンス体制、会社の管理体制については引き続き準備を進めていて、機を見ているという状況。
【質問4】
「VISION2030」において「ダントツの『最優良グローバル医療機器メーカー』になる」とうたわれているが、具体的に何を以って「ダントツ」と自社なりに評価するのか、定量面あるいは定性面どちらでもいいので教えていただきたい。
(私からの質問です。)
⇒
デンタル事業・メディカル事業において当社が今いる分野である、超高速回転機器についてダントツのシェアを取っていきたい。
歯科関係では現在27~28%のグローバルシェアを持っているが、最低でも35%までは2030年までに達成したい。
30%から40%になれれば、それなりにダントツになるのではないか。
サージカルに関しては、参入してから20年弱に過ぎない事業であり、まだまだ欧米のメーカーが牛耳っている事業ではあるが、当社の技術を以ってすれば必ず業界No.1のメーカーになれると思っている。
2030年の時点では残念ながらシェアNo.1にはなれないが、近い状態にまでは持っていきたい。
→ 超高速回転機器に絞ったお話であることが分かり、個人的にはスッキリしました。
【質問5】
- 中期経営計画の営業利益率目標30%に対し、直近2期は落ちてこれを下回っている。
その具体的な要因は? - 次の中期経営計画策定はいつ頃の予定か?
来年の株主総会にはお示しいただけるのか?
(重要な質問ですね)
1⇒
過去2年半の間に3つの会社を買収したが、どうしてもナカニシ本体に比べると利益率は低い。
その影響が一番大きい。
かつ株を買った後の、のれん代の償却も大きく影響している。
本体の営業利益率はそれほど落ちていないが、トータルで下がってしまった。
また人員が増え、営業経費が増えてきていることも要因。
これから経費削減を図り、トータルで利益率を上げていきたい。
2⇒
2025年までの中期経営計画については買収もあって現況と乖離しているので、今年4月中旬に、2030年に向けての中期経営計画を発表する予定で動いている。
→ 乞うご期待ということですね。
【質問6】
BCPについてお伺いしたい。
- 買収した米国・ドイツ・中国の企業の、リスクアセスメントのレベルは御社と比べてどうか?
- BCPの取り組みでこれまで効果があった点と、これから優先してやらなければならないと考えている点は?
1⇒
買収した会社のBCPは、本社ほどにはレベルは上がっていない。
DCIは比較的規模があって組織立っており、それなりに対応はできている。
ただ、ドイツの会社、中国の会社は中小規模。
特に中国の方は創業6~7年の会社で、まだまだ組織的にも仕組み的にも未熟なところがある。
そこで当社の人間が現地に入り、PMIを進める中でBCPの体制を構築しているところ。
(→プライム移行を目指すには、少なくともここの整備は必要になるでしょうね。)
2⇒
BCPが役に立ったのは、2011年の東日本大震災の時。
オペレーションが早期に復帰でき、ベンダーを含めた管理もしっかりできていたため、大きな混乱は無かった。
またBCPの観点で言えば、部品工場をA1工場という別の場所に移転したのもその一環。
ここ(本社)は残念ながら川に近く、過去3回ほど一部浸水したことがある。
その経験もあり、6年前に宇都宮西中核工業団地に土地を買い、機械設備を全て移転した。
高台にあり、切土であり盛土ではないため、地震に強く洪水にも強い。
このようにBCPの対策は結構取れているように思う。
【質問7】
- 2月の一か月間で株価が500円値下がりした理由は?
- 株式分割の計画はあるか?
- 政治献金の有無について教えて欲しい(会場より笑いが起きる)
- 地方創生の観点で、ナカニシさんが取り組んでいるものは?
1⇒
(鈴木CFO)
株価下落については、2025年の業績予想が一番効いている。
売上が伸びていく中で、さらなる成長を目指して米国、あるいは外科分野で先行投資をしていて、それにより一時的にEBITDA・営業利益が下がっているというのが一番のポイント。
このため、株主の皆さまとのコミュニケーションの頻度を上げ、この投資がなぜ必要か、そしてこれが2026~2027年にかけて大きくリターンとして戻ってくるということについて、きちんと説明をしていくように取り組んでいる。
2⇒
(中西社長)
東証からは単元50万円以下で売買できることが望ましいというガイドラインが出ているが、その点でまだ分割する時期ではないという認識。
3⇒
(中西社長)
先代からも政治には一切関与するなとの強い命令(笑)があり、自分もそれに従い、ナカニシとしては一切どこの政党にも与せずニュートラルなポジションでやっているし、社員に対して何かを強要することも全く行っていない。
4⇒
(中西社長)
CSRには非常に力を入れている。
栃木県にあるバスケ・野球・サッカー・サイクリング・アイスホッケーといったプロスポーツには全て協賛している。
またこのホールを使い、年1回、文化的なイベントも行っている。
社員だけでなく地域の方々にも向けて無料で行っている。
2年前は「ナベサダ」の演奏会、昨年はコメディアンのパックンマックンの講演会。
今年も8月下旬に有名なピアニストを招き、演奏会を開催予定。
HP・新聞等で決まり次第発表する。
【質問8】
- 買収先の業績が良くないのはよく分かったが、PMIをやることでどれくらいのスピードでナカニシレベルに利益率を上げられるのか。
- 米国への投資はいつぐらいに効果を発揮し、株価も上がっていくことを想定されているのか。
⇒(鈴木CFO)
来月16日に中期経営計画を開示する予定なので、その中で細かい話はさせていただくが、今お話できる範囲でお伝えする。
一つ目のPMIに関してだが、PMIのプロジェクトは、3~4年で想定していたシナジー、利益のアップサイドを出していくというのが基本的な考え。
その結果、収益性が営業利益率30%にまでグループとして上がるのかと言えば「NO」という回答になり、事業の特性が違うものを入れたからというのがその理由。
一番大きなDCIは、米国のマーケットを攻めるために「必要なツール」であるが、ここはチェアの事業であり、我々の主力とするインストルメント、ハンドピースやドリルとは違う。
この事業では出せる利益としては、EBITDAマージンで昨年が13%、今年の予算は9%、中期的には15%くらいにまでは上げられるものの、20%超は厳しいだろうという見立て。
平均すると、利益率は下がるという状況になる。
二つ目の業績改善と株価の話についてだが、株価は需給の話もあるが、シナジーをどれくらい出していくか、どれくらいの期間で業績を上げていくかという部分が大きいかと考える。
シナジーは3~4年で出していくが、次の中期経営計画の中で、例えばDCIであればこれくらいの期間にいくらくらい上げる、イエガーについても同様の形で明示したいと考えている。
(続く)



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