質疑応答の続きです(もう1回あります)。
質疑応答(3)
【質問8】
バークシャーの戦略的提携についての要望と質問を。
したたかなバークシャーとの間の戦略的提携で、WIN-WINの関係という美辞麗句に踊らされることなく、ギブアンドテイクの中のギブの部分が過大となり、過去の日本企業の過ちのように持っていかれるだけ持っていかれることのないように、ぜひとも頑張っていただきたい。
あまりWIN-WINなんて勝手に決めつけず、ほとんど持っていかれるぞと思うくらいの気持ちで取り組んでいただきたい。
これが要望。
質問は、M&Aによる戦略的提携という言葉が2,3回出てきたので、面での足し算的な効果は容易に想像できるものの、やはり化学反応で掛け算的な効果を狙って、相手から色々なものをギブしてもらって成長することは必要だと思う。
その掛け算的な効果についてどのようなことを狙われているのか、具体的にご説明いただきたい。
(これもいい投げ掛けと質問ですね)
⇒
(グループ事業戦略統括 森脇専務)
一点目のバークシャーに関するご意見について、そのような捉え方もあるのだと改めて感じたところだが、そちらから簡単にご報告・ご説明をさせていただく。
我々はバークシャーとは過去長い期間の交流があり、その中で企業文化や経営の価値観は彼らも非常に長期志向であり、また資本規律の考え方というのは、非常に我々に近しいものがあると感じている。
もちろんギブ&テイクのギブの部分だけにならないように我々も脇を締めていくが、バークシャーという会社について言うと少しそういう面もあるという点はご認識いただければと思う。
2つ目にご指摘の、 足し算じゃなくて掛け算のような価値創造はないのかというところについて。
やはりバークシャーは非常に圧倒的な資金力を有している会社。
我々単独では(金額的に)届かないような、そういったM&Aへのターゲットというのが新しく対象になり得る。
もう1つ、彼らは我々以外にも色々な領域に投資したいという、そういったターゲットを絞っている。
それも、我々のこれまでのM&Aの戦略の中ではリーチできなかったような領域に、我々が新たに到達できる可能性も高まっている。
こうった面で、掛け算と申し上げていいのわからないが、今まで我々が実施できなかったような、新しいM&Aの形をバークシャーと作っていけると考えている。
実際に彼らとの打ち合わせも始めているが、彼らはやはり非常に高い規律を持って投資先を見極めようという姿勢がうかがえるので、我々はなるべく早期に提携効果をお示ししたいところではあるが、あるいは一定の期間を要することはあり得る。
とはいえ我々は早期提携交換の実現に向けて努力を続けていく所存であり、株主の皆様にもご期待いただければと考えている。
(小池社長)
今「したたかな」という言葉をお使いになられたが、我々のパートナーであるバークシャーとは信頼関係が築けていると考えたからこそ、提携に至ったというところ。
一方で、交渉に携わった当事者として、 彼らは非常にタフなネゴシエーターであるということを強く実感をしている。
ただ、今現在のこの提携の内容も、必ずしもギブ&テイクで我々がギブしているということだけではなくて、我々にとってメリットのある部分というのを ー 守秘義務の問題があるので具体的にどの部分ということをこの場で申し上げることはできないが ー ギブ&テイクの我々がテイクというところについてもしっかりしているということだけはご説明させていただくと同時に、引き続きギブ&テイクの関係をベースにさらなる価値創造を続けてまいりたい。
→ いずれ戦略的提携の成果として大型M&Aが実現することを期待したいですね。
【質問9】
保険引受先の人権侵害が生じている時に、救済措置にあたっての適切な情報提供のため、顧客との守秘義務を一部解除するような契約の在り方・契約の見直しが必要ではないか?
⇒
(グループサステナビリティ総括 鍋嶋常務)
当社は保険会社として、顧客等に関する情報を厳格に管理するべき立場にある。
そのため、個別契約に関わる情報を公開することはできかねる。
国連のビジネスと人権に関する指導原則の枠組みに関しては、企業に対して人権方針を策定、 人権リスクの特定、そして防止・軽減・説明・情報開示・救済へのアクセスの確保が求められている。
私共としては、この指導原則に則ってビジネスを進めており、必要な情報開示、救済へのアクセス・窓口の設置もしている。
ただ、情報開示については、個別の契約に関してやはりお客様の契約に関わる情報ということで開示を控えさせていただくことがある。
しかしながら、それを理由に人権対応そのものを止めるのではなく、当該地域の法令・ビジネスの慣習・外部専門家や現地社員の意見も踏まえ、また弁護士等にも相談しながら、申し立てに関連するステークホルダーとの対話、働きかけには真摯に対応していきたい。
【質問10】
配当政策について。
今期増配で15期連続増配ということだが、15年前増配がかなわなかったというのは、2011年の東日本大震災の関連で、配当が思うようにを出せなかったっということなのか?
最近地震も多くなっているが、そのような大きな災害が起こった場合に配当が出せないということがあり得るのか?
少し思ったのは、先ほどのスライドで利益の比率は日本が35%、海外が65%と出ていたので、海外で売上がしっかりとれていれば、日本での大きな災害が起こった場合でも配当は出していただけるという認識で大丈夫なのか、教えていただきたい。
⇒
(グループ資本政策総括 遠藤常務)
2011年の配当について手元に資料がないが、 冒頭にご説明した通り東京海上ホールディングスは設立以来減配をしていないので、配当水準は維持したが増配にはならなかった、ということだと思う。
原因としては、当時も利益の過去の平均に対して配当性向を掛けるとしていたので、おそらく東日本大震災の影響は受けたのだろう。
そして今後の配当について、いかに安定的に進めていくかを対応方針としているが、そこについてはまさに株主様のご指摘の通りで、私共は地域的な分散が非常に効いているポートフォリオを今作っているので、たとえある地域で大きな自然災害があって損失があったとしても、他の地域でその損失は賄う、こういったポートフォリオの分散を進めて、ますます利益を安定化させ、従って配当についても安定化させるといったことを考えていきたい。
【質問11】
(飲食業に関する個別事案。「個別性の強いお話であり、後ほど担当の方より詳しくお話を伺わせていただければ」とのことで、ここでは割愛します。)
【質問12】
昨年6月、AIガバナンスの基本方針を発表された。
この一年、基本方針を元にどのようなディスカッションがなされたのか、監査等委員会がどのようなモノタリングを行うのか、またそれは従前の監査役監査とどこが異なるのかを教えていただきたい。
⇒
(グループ事業戦略総括 森脇専務)
株主様のご指摘通り、当社はAIガバナンス基本方針の策定し、そのガバナンス基本方針に則って適切なAIの発展をグループ全体で今進めているところ。
この基本的な考え方は基本方針としてまとめているが、実際の適用は各グループ会社のAIの方針を踏まえ、グループ全体の基本方針に則った形でそれぞれのグループ会社の方で運営をする体制を取っている。
やはり、国、地域、あるいはビジネスモデル等により、遵守すべきルール、あるいはガイドラインも異なってくる。
したがって、各グループ会社の方で自律的に判断できるようなサポートツールをそれぞれ独自に開発をし、それを提供しているというのが現状。
もちろん、ホールディングスの方でもAI専任の担当役員を設置しているので、ガバナンスの面でも、そのAI担当役員の方で、「横串」と表現すると分かりやすいかと思うが、グループ会社を横からAIのガバナンスの観点で管理・支援をしていくといった体制で、今、AIの推進を進めている状況。
(グループ法務コンプライアンス総括 井上常務)
監査等委員会は、従来の監査役監査との違いとして、取締役会の一員として経営を監督するとともに、内部監査部門を活用した組織的な監査を行う。
さらに当社ではグループ監査委員会が今まで担ってきた機能を集約することにより、再発防止策等の確認や、他社事例を踏まえたリスク点検などを一体的に行い、ガバナンスを一層強化していく予定。
改めてご質問いただいたAIのような新しいリスクに関しても、取締役会・監査等委員会の監査対象として、適切にモニタリングをしていく。
当社では、グループCAIO、チーフAIオフィサーを設置し、AI戦略を推進するとともに、AIシステム・サービスの起動・提供・開発・調達に伴う重大な事故は、グループとして報告・管理の対象としている。
また取締役会では、AIの実装戦略を重要な経営テーマとして継続的に議論をしており、社外役員からも、AI活用に伴うリスク、あるいはデータ基盤の整備、AIの過度な依存などの懸念といったことについて、継続的・積極的な提言が行われている。
こうした議論を踏まえながら、AIの活用とリスク管理の両面を継続的に監督していく。
(小池社長)
AIについては、当然、技術革新のスピードがものすごく速く、経営陣としても危機感を持って対応している。
大きく分けると、新たに価値創造をしている部分と、どちらかというと効率化をしていく部分とがあるが、後段の部分については比較的市場でどういうことが行われているのかという情報が入手しやすい状況であり、ここに関しては我々が他社対応でそれほど大きく遅れてはいないということは担保されていると思う。
一方で、我々の強みをどうやって磨いていくのかというのは、我々の事業モデルの中でも、色々な会社の強みというのはそれぞれ別個であるため、先ほども森脇の方からの説明もあったが、やはり個社個社がしっかりと考えていくということが基本。
ただそこに対する投資に関しては、個社の投資額が許容額を超える可能性があるので、その場合は持株会社の方で支援をしていく。
こういったことにより、AIを通じて我々の価値創造力をより強くしていくということに対してコミットをしていきたい。
(続く)
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