東京海上ホールディングス株主総会2026(2)(★★★★☆)

株主総会・説明会

質疑応答の続きです。


質疑応答(2)

【質問3】
バークシャーとの戦略的提携をされたとのことだが、その中で再保険についてお伺いしたい。
同社は再保険で大手だが、提携することによって再保険の引き受けが大きくなるのか?
またイギリスのロイズにも再保険を掛けていると思うが、こちらとの関係はどうなるのか?


(グループ保険引受・保有政策総括 細島専務)
冒頭の小池からのプレゼンにもあった通り、バークシャーとの関係の3本柱のうちの1つが再保険の提携ということになる。
少し簡単にリリースしている内容について触れさせていただく。

バークシャーへの再保険というのは、東京海上グループの契約全体の一部をバークシャーに「出再」をするということ。
いわゆる「比例再保険」の一種だが、一般的には保険種目を限って出再をするが、この再保険については、基本的にすべての保険種目について一部再保険を出すということをやっている
東京海上グループとしては、このバークシャーという非常に大きな再保険会社より長期にわたり安定的なキャパシティ=補償を得られる、安定的に再保険を出せる相手と組めたということは、非常に大きな価値だと思っている。

また、再保険の条件についても、リスクとリターンの観点から合理的な条件で締結できており、今後、長年にわたりバークシャーと再保険を維持できるということは、当社グループにとってさらなるリスクテイク=新しいリスクを取っていく、新しい商品を作る、新しい領域での保険を販売していく、そういったところにつながっていく期待をしている

その意味で、再保険についてソフトな時もハードな時も安定的に付き合っていただける相手ができたということは、非常に大きな価値。
この分、再保険の規模が大きくなったということ。

一方で、当社の出している再保険は非常に大きなものであり、当然、既存のロイズを含めた再保険者との関係も非常に重要。
当然ながらバークシャーの再保険を受けて、既存の再保険を一定程度調整していく。
できるだけ効率的な再保険を手当てをして、お客様のため、会社収益のために再保険を再構築していきたいと考えているが、引き続き既存の再保険者との関係は非常に大事。
双方をうまく活用しながら、当社の収益性、収益の安定性を確保していきたい。

→ 大変勉強になりました。バークシャーとの提携は再保険の面でも大きな価値があると理解できました。

【質問4】
(個別事案に係る要望事項であり、会社側も「個別性のあるお話であり、後ほど担当からお話を伺わせていただきます」との回答でしたので、ここでは割愛します。)


【質問5】
株式分割について。
東京証券取引所は望ましい投資単位を50万円未満と定め、さらに投資単位を10万円程度に引き下げるように全上場企業に要請をしている。
あえてこれを無視する具体的な理由を説明していただきたい。
個人投資家重視・法令遵守の姿勢を示すべきではないか?


(グループ資本政策総括 遠藤常務)
投資単位を引き下げるということについては、株式の流動性を高める、そしてより多くの投資家の皆様に投資をしていただきやすい環境を整える観点で非常に重要な施策だと考えており、今後の検討を深めていきたい。

当社においては、同様の考えで過去2022年の10月に1株を3株とする株式分割を実施した。
一方で株式分割後の当社の株価は上昇しており、直近で7,000円前後で推移しており、2022年の株式分割前の株価に近づいてきていると考えている。
投資単位について、東京証券取引所の規定に定められた、これは望ましい投資単位の水準であるという理解をしているが、50万円を上回っているというのも現実である。
こういった観点から、先ほど申し上げた通りの目的に照らして、今後、引き続き投資しやすい環境を整えるという観点で検討していきたい。

【質問6】

  1. 3号議案の監査等委員会設置会社への移行について。
    当社の場合、今の組織体制でどこが問題だから移行しようという話になったのか、移行したら何が解決されるのか、どういう議論があったのかを教えていただきたい。
  2. ソリューション事業について、事前に何かが起きないように防災などをしていくという理解していたが、先ほどのプレゼンでは「事後」のところにもソリューションと書いてあり、「事前」のところに書いておいた方がいいのではないかと思った。
    事故が起こってからまたそこでお金を取って再建しますよ、みたいなイメージがついてしまうので。

1⇒
(小池社長)
我々は成長とガバナンスを高位で均衡させていく必要があると常に考えているということは、今までもずっと申し上げてきた通り。
そういった意味では、今、日本の中で認められている三形態、いずれの形態になってもこれを実現することは可能であると考えている。

一方で、我々を取り巻く環境において、二つ着目すべきポイントがあると考える。
一つ目は、我々が国内保険事業における不適切な事案を通じて、コンプライアンスの体制の強化ということをしていく必要性があるということ。
二つ目は、世の中を取り巻く環境が非常に複雑化していて、より迅速に機動的に経営判断を下す必要が出ていること。
まず一つ目については、我々のガバナンスの強化を外形的にもしっかり担保するという観点から、ガバナンス強化がより外形的にわかりやすい委員会設置会社に移行することが必要であると考えた。
二つ目の経営環境が非常に複雑になっているという意味においても、一定の権限委譲を経営側にいただいて、取締役会ではより中長期的な価値創造のあり方ということに関する論議を深めることが必要であると考えた次第。

では委員会設置会社に移行するにあたってどちらがいいのかということだが、この際にもう二つ考えたことがあり、一つは取締役の実効性の評価。
今現在、我々の取締役会では、非常に活発な意見交換と非常に透明性の高い情報開示を実施・実現できていると考えている。
これを維持するためには、執行側は一部取締役会に参加するという形態がより取りやすい、監査等委員会が我々にとっては適しているのではないかと感じた。
もう一つは、我々の中長期的な価値創造をしっかりやっていくという中において、監査等委員の任期が1年よりも2年である監査等委員会設置会社の方が好ましいと考えた次第。

科学的にどの機関設計が最適ということはないが、我々の今の立ち位置を考えると、東京海上らしい価値創造をしていくには、この形態が我々に最も適した形態であろうと、最終的に私の方で判断をさせていただいた。

2⇒
(ソリューション事業総括 崎山専務)
いざという時に経済的な補償を行うのはもちろんだが、やはり「いざ」は来ない方がいい
そのために、事前のソリューションを強化して対策を講じるということで、まさにご指摘の通り。

一方で、先週の地震や台風のように、自然災害は残念ながら現在の人類の技術力・科学力では完全に防ぐことはできない。
自然災害で被害を被った施設を、例えば保険で現状どおりに戻すことができたとしても、「現状どおりに戻しただけ」。
同じような自然災害が起きたり、また同じような被害が発生してしまうことになる。

そこで、仮に同じ自然災害が起きたとしても、被害を最小限、もしくは被害が起きないような再発防止の観点を込めて、より強靭な再建、私共はビルドバックベターという言い方をしているが、強靭な再建に資するようなソリューションをメニューとしてぜひご用意させていただきたい

そういう思いで、事前と事後、双方のソリューションの取り組みを強化しているところである。

(小池社長)
事後の領域でも、実はお客様の方からそれなりのご相談・引き合いをいただいているというのが現在の我々の立ち位置であり、ぜひこういったところのお客様のニーズとも整合的に事業展開ができるように、しっかりと努めてまいりたい。

→ ソリューション事業についても、新たな方向性として注目していきたいと思います。

【質問7】
海外ビジネスについて。
アメリカのマーケットでM&Aを成功させているが、今一番難しくて微妙な位置にある中国ビジネスの現状と今後の見通し・方針についてお伺いしたい。


(海外事業総括補佐 藤田常務)
中国では上海に本社を持つ損害保険会社を持っており、約30年ほど現地で経営している。

中国の保険市場自体は、日本の約4倍の規模がある。
最近、中国経済自体はやや景気が減速してきているが、中国の損害保険市場は順調に成長している。
一方で普及率という観点ではまだ低いことから今後も成長が見込まれるというのが、マクロ的なマーケットの見方になっている。

私共の中国現地法人についてだが、中国は日系企業が最も進出している国あり、東京海上グループの海外の日系ビジネスという観点から、極めて重要な拠点の1つと位置づけている。
最近、現地で日系企業が苦戦しているというような報道もよくあるが、一方で中国のマーケットを重視して、現地でさらに事業を拡大している会社もある。
私共の中国ビジネスは、現地で活躍をしている日系企業、あるいはその従業員、その提携先、取引先といったところを中心に安心と安全をお届けするという観点で、中長期的なものの見方をしながら、引き続き展開をしていこうと考えている。

(小池社長)
中国ビジネスは約30年経った今でも、成長カーブという点では他の海外事業対比ではなかなか厳しいものがあるが、中長期的な視点を持ってしっかりと取り組んでまいりたい。

(続く)

皆様、説明が大変論理的かつメリハリを付けて話していただけたので、とても聞きやすかったです。
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