一時期から比べるとやや下火になった感もありますが、依然として話題に上ることも多い「FIRE」。
そこでは、”FinancIal Independence” すなわち「経済的自由」ばかりに焦点が当てられがちです。
しかしながら一応の経験者として思うのは、本当に幸せになれるかどうかは「貢献感」が鍵になってくるのではないかということです。
リタイアの負の側面
「FIRE」(およびリタイア全般)の負の側面としてよく言われるのは、
- 退屈でつまらない日々になる
- 孤独になる
といったことです。
多趣味で交友関係が広い方であったり、あるいは一人でいることが苦にならない方であれば、問題が無いように思われるかもしれません。
ただ会社を辞め、共同体から離れることによって、誰かの役に立っているという「貢献感」を得る機会はグッと減ってしまいます。
実はコレが大問題だと感じております。
しばらくして「FIRE卒業」する方が少なくないのはこの辺りも大いに関係していると思われ、「FIRE」に限らずリタイア全般に言えることとして、「貢献感」を得るための何らかの手当は必要だと私は考えています。
「承認欲求」には要注意!
気を付けなければならないのは、「貢献感」を得るにあたって、それが他人から承認されることを前提とした貢献では幸せにはなれないということです。
アドラー心理学的に言えば、それでは「他人の望む人生」を歩むことになり、自分の自由を犠牲にしてしまうことになりかねません。
(その意味で、インフルエンサーになることが幸せだとは、私には思えません。)
他人に認められる、褒められることを通して「承認欲求」を満たそうとするのではなく、あくまで自分自身で「貢献感」を得る必要があります。
「個別株の長期投資」がオススメな理由
そこでリタイア後にオススメな「貢献活動」の一つとして、「個別株の長期投資」を提案させていただきたいと思います。
私がさまざまな投資先企業の方々とコミュニケーションをさせていただいている中で実感するのは、「企業は長期で応援してくれる個人株主を求めている」ということです。
価値がしっかりと株価に反映されていくためには、「すぐに上がりそうにないから」といって離脱してしまう投機的な株主ばかりでは、その実現から遠ざかってしまいます。
そこで長期投資家の出番となります。
自分が「岩盤支持層」となるだけで、企業のお役に立つことができるのです。
これは他人からの承認を前提としない、一つの貢献のあり方ではないでしょうか。
価値創造に優れ、価値>価格である企業への長期投資であれば、やがて経済的恩恵も受けられることでしょう。
その営みが自分の価値観・世界観に符合するような企業であれば、世の中に認められていくこと自体から充実感を得られます。
さらには、株主総会(リタイア後は時間があるので、参加は容易になります)、IR照会等の場で直接感謝の気持ちを伝えることもできます。
先方からのポジティブなリアクションがあれば、「貢献感」はより高まることでしょう。
「貢献感」を得つつ、結果として経済的恩恵や充実感も得られる「個別株長期投資」は、リタイア後こそ輝きを増すのではないでしょうか。



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