10年くらい前までは、読み応えのある個人投資家の企業分析のブログがたくさんあり、私もよく読んでいたような気がします。
作成される分析記事の数そのものは減っておらず、むしろ増えているのかもしれません。
図表がふんだんに使われていたり、整ったテンプレートで書かれていたりして、読みやすいものも多くなりました。
ただそれとは裏腹に、自分が読みたいと思える分析記事の割合は激減している印象です。
記事を検索して見に行ったところで、それが自分にとってはノイズである割合が高くなってしまったため、もはや他の方が書いた記事を探すこと自体を止めてしまいました。
なぜそうなってしまったのでしょうか?
AIは「解説」に役立つ。
ここでAIの存在に思い至りました。
株探、銘柄スカウターなどの決算分析ツールが充実したこと、そしてここにきて生成AIの文章作成能力が飛躍的に向上したことが、上記の背景として大きいのではないかと思います。
つまり、既にネットで入手できる情報を集め、効率的に「解説」ができるようになったからではないかということです。
「解説」とは、わかりやすく説明することですよね。
しかしあくまでも私の場合ですが、企業分析記事に求めているのは「わかりやすい説明」ではありません。
(もちろん、「何かいい銘柄ないかな?」といった具合に、それを求めている方もいらっしゃるでしょう。)
事前に企業から発信されているものに目を通し、ある程度その企業に対する知識を持っている状態で、自分ではたどりつけない付加価値のある情報を探しているのです。
欲しいのは「解釈」。
ここで、私は「解釈」を求めているのだということに気付きました。
「解釈」とは、ある情報を個々の視点や立場から理解し、意味を把握することですね。
芸術作品への態度などはまさにそうですが、得られた情報に対してどう意味付けするかということでもあります。
そして私自身、ここが一番投資の面白いところではないかと感じています。
その「解釈」はその方独自の仮説であり、もしかしたら希望的観測や妄想の類いに過ぎないかもしれません。
しかし、少なくとも自分にはない新しい視点を得ることにつながりますし、またあいまいなものだからこそ「AIには拾われない」という側面もあるかと思います。
ここにアマチュアの個人投資家としての希望が持てるのではないでしょうか。
「解釈」を発信したい。
かつてからは考えられないくらい、誰でも各種情報へのアクセスが容易になった現在、投資において真に付加価値があるのは「解釈」だと認識しています。
昔は、その方の想いのこもった「解釈」をたくさん見る機会がありました。
今後、私のブログでは「解説」は極力省くこととし、それはAIを上手に使いこなせる方にお任せしたいと思います。
その代わり、昔ながらの「解釈」の発信により力を入れることとし、私はそのためのセンスを磨き続けていこうと決意を新たにしたところです。



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コメント
「解説」と「解釈」、面白いですね。
私も
企業分析をわかりやすくしてくれる方には、
敬意を表します。
しかし、読む人の立場や能力や背景によって、
買いなのか売りなのかという解釈は
180度異なることも多いですからね
ろくすけさんの解釈と同じように解釈できるほど、
磨かれていませんが、
がんばってその解釈をするに至る背景を考えたいと思っています。
楽しみにしています。
ありがとうございます。
ユニークな解釈ができるよう、視野を広げていきたいと思っています。