先日、佐々木俊尚『フラット登山』をブログでも紹介させていただいたのですが、一つ面白いなと思ったのは、登山の世界でも愛好家同士のマウンティング(例:百名山コンプリート)があるということです。
この面倒なヒエラルキーからの脱却が、「フラット」に込められた意味の一つでもあったわけですね。
「比較可能性」のある場所には、マウンティングが生じる余地があります。
投資の世界に目を転じると、金額とか率といったパフォーマンスの数字が明確に出て比較もしやすいこともあって、この界隈のマウンティングは特にえげつないものになりがちです。
SNSでもフォローする人を慎重に選ばないと、「後れをとらないように」という心理的ストレスに悩まされることになりかねません。
数字を求め出したらキリがありませんし、下手すれば他人との比較によって自己肯定感を低下させてしまうおそれもあります。
真の成功とは、ラットレースから抜け出して、心の平穏のために生きることである。
ナシム・ニコラス・タレブ
ここで原点に立ち返りましょう。
そもそも投資を始めた目的は何だったでしょうか?
おそらく大部分の人は、「経済的自立」を目的に投資を開始したのだと思います。
そこに他人の存在などなかったはずです。
投資で怖いと思うのは、ついついその本来の目的を忘れて数字そのものを追い求めてしまうことです。
いつしか数字を増やすことが自己目的化し、ラットレース状態に陥ってしまう。
これではせっかく資産形成ができても、幸せからは遠ざかってしまいかねません。
人生の残り時間を意識するようになり、それを避けたいという思いはより強くなってきました。
幸い、私自身は本来の目的である「経済的自立」には、自分なりにある程度目途をつけることができました。
では、この先はどのように投資に向き合えばいいのか。
「もっと、もっと」から脱し、「心の平穏をもたらす投資」をすること
私の今後の投資における真の成功は、きっとここにあるのだろうと感じております。
ボラティリティが避けられない世界において、「心の平穏をもたらす投資」とはどのようなものなのか、これからじっくり考えて言語化しつつ、実践していければと思っています。



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