今回初参加となります。
「山梨県の忍野村」という秘境感ある本社(開催場所)が以前から私を惹きつけてやまなかったのですが、「フィジカルAI」が話題として盛り上がってきたことを機に、この分野を勉強する目的もあって参加してみることにしました。

株主総会
2026年6月25日(木)午前10時
山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番地
当社本社 ファナックフォーラム
お土産 どら焼き
自宅を早朝に出発し、富士急行線の富士山駅へ。
9:20同駅発の送迎バスに乗って、「ファナック通り」に入りしばらくすると本社に到着。
もう既に小旅行です。
439名収容のホール(机付きの席で助かります)が会場で、百数十名の参加。
会場外では、いくつかロボットが置かれ、動作のデモも行われていました。
議長は山口社長。
元宇宙飛行士で社外取締役の山崎直子氏はテレビ会議での参加。
取締役(社外)監査等委員の富田美栄子氏はやむを得ない事情での欠席。
(郵送したものではなく)受付で配布した「定時株主総会招集ご通知」に沿って議事進行するとのアナウンスが事前にあり、監査報告は「記載の通り」という形で山口社長より簡素に。
事業報告は、スライドを使いつつ山口社長が招集通知に記載されている内容の一部をほぼ読み上げるような形で、ごくシンプルなものでした。
(10:11)
決議事項は以下の通りです。
- 剰余金の配当の件
- 取締役(監査等委員である取締役を除く)6名選任の件
(10:13)
質疑応答(1)
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
回答は山口社長、及びロボット研究開発統括本部長でもある安部常務執行役員の両名が中心でした。
質問は「1回1問ずつ、要点を簡潔に」。
【質問1】
工場見学会があれば行きたい。
会社自体を知らない方も多いだろうし、人気が出て株価も上がると思うので、ぜひ開催を検討いただきたい。
⇒
以前に比べると、当社の株主総会に参加される株主様が増えている。
株主総会時のご案内は実施できていないが、 その代わりと言ってはなんだが、今回も当社の商品を一部展示しているのでご覧いただきたい。(撮影は不可でした)
また3月に1回実施したが、株主総会とは別に株主様向けの工場案内を実施する予定なので、希望される方はご案内がいくのでそちらにご応募いただければと思う。
ただ、かなり競争率が高い状況なのでお待ちいただくことになるかもしれないが、そういった機会を通じてぜひ当社に対するご理解を深めていただければと思う。
仰っていただいたように私どもの認知がさらに上がっていけば株価にも良い影響があるかと思うので、その辺りも考慮の上、検討を進めてまいりたい。
【質問2】
昨年12月にオープンプラットフォーム戦略が話題になっていた。
どのような効果がいつ頃出てくるのか、素人にも分かるように説明いただきたい。
またその結果、NVIDIAやAnthropicに株価的に、時価総額的に、勝てるようになるのか?
私はジャパン・アズ・ナンバーワンの時代を経験している。
御社は日本でもトップ企業だと思うが、それが世界ではどの程度の位置なのか教えていただきたい。
⇒
(山口社長)
NVIDIAは世界でも一番時価総額が高いレベルにあってハードルは高く、目指してはいくものの、まだまだ時間がかかるとは思っている。
オープンプラットフォーム戦略についてはロボットの開発責任者である安部から。
(安部常務)
オープン化というのは、ファナックのロボットにオープンのプラットフォームを作ること。
今までは当社の開発者がAIを開発していた、これは今後も続けていくが、そこにオープンな窓口を作ることで、いろんな方が作ったAIのソフトウェアを当社のロボットに組み込んで、当社のロボットを賢くすることができる。
世界中のAIの技術者たちを仲間に取り入れて、当社のロボットの実装を増やしていくということ。
今までは窓口を、私たちとどこかという形で1:1ではないといけなかったのを、一般的なプラットフォームを採用することで、いろんな会社のいろんな技術者・大学のAIを取り入れていく。
またそれによってロボットができることが増え、これからロボットを簡単に使える世界が広がっていくことで、世の中において作業で使っていただけるロボットを増やしていくということ。
(山口社長)
従来だと、当社のロボットのアプリケーション・ソフトウェアについては、我々が懇意にしているインテグレーターさんというSIerさんと作ることが多かった。
ただ実際にそれでは、我々のプラットフォーム上という非常に限られて世界にしか広がらない。
それがオープン化することによって、そこによりたくさん、例えば大学・スタートアップ・他のSIerさん等の方々が乗れるようになる。
それによって対応できる企業は数倍、10倍に広がるようになる。
一方でご心配の声をいただくのは、そういったオープン戦略を取ることによって、我々が今まで積み重ねてきたノウハウが全部流出してしまうんじゃないか、あるいは盗られてしまうのではないかと言われるケースもあるが、そこはそうなってはいない。
というのも、オープンとは言ってもコア技術は一切外に出しておらず、あくまでオープンプラットフォームとの窓口=入口・出口を作ってあげてそこを通してやるというだけで、こちらの大量のノウハウ・技術は一切出さないようにしているので、我々はこの先も優位性を保っていけると考えている。
(質問者:NVIDIAには実際に勝てるのか?)
NVIDIAとは、フィールドが違う。
NVIDIAと我々の協力関係というのは、いわゆる高速なハードウェアというところで我々を使っていただくということ。
またNVIDIAは非常に高性能のシミュレーターを揃えて動かす技術を持っていて、それは我々が持っていない技術なので、そこは使わせていただく。
ただ、彼らにしても我々のロボットがどう動いているかということは全く分からないので、そういったシミュレーターを持っているとしても、あまり正確なシミュレーションができない。
そこを我々の持っているロボガイドという昔から持っているシミュレーターとコラボすることによって、我々にとっても彼らにとってもプラスになるWIN-WINの関係が実現できたということがある。
NVIDIAは競合ではなく、パートナーという形で位置づけている。
我々としては強みを活かせるように、引き続き色々な会社と連携して頑張りたいと思うが、その過程でコア技術は出さないようにしつつ我々の優位性を高めることに注力してまいりたい。
それによって市場の評価を上げ、また、株価・時価総額についてもプラスの評価ができるのではないかと考えている。
→ オープンプラットフォーム戦略につき、わかりやすく解説いただきました。
【質問3】
これからは介護の分野が拡大していく。
このような工場の中とは別の分野に打って出ていく場合には人型ロボットも必要だと思うが、御社の取り組みはいかがか?
⇒
(山口社長)
まず、私共が注力する分野としては、広い意味での「産業」と規定している。
例えば「介護」は産業かというと場所が違っていて、我々の得意領域ではないと今のところは認識している。
ここは医療系の会社などが強い。
一方、産業のオートメーションが広がっていて、従来型の製造業だけではなく、例えば物流会社でロボットは増えてきているし、あとは農業、最近だと造船、建設現場等、従来の工場とは違うところも増えてきており、我々としては、そういったところも含めた産業用途、BtoBと呼ばれるような分野で伸ばしたいと考えている。
介護ロボットについては、我々としては現時点ではそこは我々の領域ではない、得意領域ではないと考える。
会社の資源というのは得意領域に集中させるべきであり、我々としては「産業」に一本化したい。
人型ロボットについては現時点では難しいが、将来的には使える用途が拡大する可能性があるので、我々としては全くやらないわけではなく興味は持っている。
なので、技術的な動向については注意深くウォッチしている。
最終的に使えるかどうかは、性能・信頼性・コストといったものが、産業の現場で使えるかどうかで判断されるものと考える。
形は産業ロボットと人型ロボットでは違うが、大事なのは人間のように見聞きするセンシングの力、頭で判断する力・考える力、それと行動する力であって、そういった面では大きな違いは無いと思う。
我々としては、人型ロボットについての技術的な動向は常にチェックしているので、もし、そういったものが重要なエリアになるということであれば、我々としてはそこは果敢に取り組んでいく覚悟はある。
(安部常務)
介護の領域については、山口が申した通り、まだ今は違う領域という認識。
自動化というのは、従来の自動車・自動車部品から家電・電機・電子、そして造船・農業・化粧品・食品いったところにどんどん広がっているが、人手不足や課題が本当に多く、そこの部分でまだまだ自動化、人手不足の課題解決をしていく必要があると考えている。
それがほぼ解決できたら、そういった新しい領域というのもあり得る。
技術的には、例えば人のような作業をするとか、ロボットが感じながら周りを認識して自主的に動くとか、そういうところはできてきている。
その領域に入るのはいきなりだと難しいが、現在の延長線上で行こうと思えば行けるような技術は身につけていると思う。
【質問4】
ファナックが山梨県に大変貢献いただいているのはわかるが、なかなか山梨県民には伝わっていないのではないかと思う。
例えば地元への貢献としてヴァンフォーレ甲府への支援を行うなど、何らかのアピールをすることについてはいかがか?
⇒
私共が東京の日野市から展開を始めたのが1980年前後なので、以来四十数年、地元にお世話になっている。
私共の手掛けている商品は、工場の稼働を陰から支える存在であり、なかなか一般の方が目にする機会が少ない。
そこを補うべく色々と知っていただくための努力はしているが、まだこれから改善すべきことはあると思っている。
地元のスポーツクラブ等へのサポートについては以前からお話はいただいているが、私共がお役に立てるかというと難しい面もある。
費用もかなりかかるので、株主様から色々な意見をいただくこともあり、そういったことを総合的に判断していきたい。
実際問題として、採用面でも知名度向上は大事であり、(サポートを通じて)お客様を含めて興味を持っていただくことができ、あるいは場合によっては株価へのプラスの影響も予想される。
我々は世の中にどう貢献していくのかをわかりやすく説明する努力は続けていきたい。
なお、当社に入った新入社員も同じような目線を持っている。
色々なことをやっているのになかなか理解されないということで、新入社員の中でアイデアコンテストでプロモビデオを撮りたいという意見があり、それに取り組んでいる最中。
こういった活動を通じて、我々の活動を分かりやすく伝え、知名度を上げてまいりたい。
【質問5】
先ほどオープンプラットフォームの話があったが、ファナック自体でそのソースを審査することはやるのか?
何か起こった時には、ファナックのロボットと頭脳と、どちらが責任を取るのか?
(これは良いご質問ですね。)
⇒
(安部常務)
オープン化を考える時に一番苦労したところ、頑張ったところがまさにご質問いただいた部分で、ファナックロボットの安全性・信頼性をどう担保するかということだった。
色々な人が作ったソフトを入れてファナックロボットを動かすので、動かした際にいきなり暴走したり狂った動きをすることでロボットが壊れてしまう懸念があった。
行ったのは、狂ったような、安全性を欠くような動作指令があった場合には、私たちが安全性・信頼性の問題がない動きに補正をする、問題がなければそのまま流し込むということで、リアルタイムに審査、入ってくる指令を確認して動かすという仕組み作り。
私たちも安心してソフトを使っていけるし、またソフトを作る人も安心してファナックを使っていけるということで、どのメーカーにも無い強みとなっている。
引き続き安全性・信頼性を含めたAIの事業を考えていきたい。
(続く)
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