eBASE株主総会2025(2)株主総会編その2(★★★★★)

株主総会・説明会

質疑応答の続きです。

質疑応答(2)

【質問5】
各社の総会に参加しているが、総会自体がリアルだけでなくパソコンでも見れるようになってきている。
また質疑の際は個人名ではなくて受付番号だけになってきている等の変化もある。
ネットでのやり方に変えていくお考えはあるか?


今後検討していく。
拒否するわけではなく、様子見の姿勢。
ハイブリッド型の開催が主流となれば、課題は色々出てくるかもしれないが検討したい。

(質問者:ぜひお願いしたい。というのも、総会は日が重なりがちで何社か同時に見れるのはありがたいし、炎天下の日に足を運ばずに済んで助かるので。)

【質問6】
今年の3月に「経産省、バーコード情報を統一へ」というニュースが流れたが、当社のように商品情報を大量に持っている会社であれば、うまく関わっていけるのでは?
役割や事業への影響について教えていただきたい。


経産省が音頭を取り国主導でデータプールを作るという取り組みだと思うが、そのコンセプト自体は「商材えびす」や「マスターデータえびす」で実現しているし、各メーカー・小売がデータを活用したアプリケーションを導入する部分も含めて、その取り組み自体は我々の販促にも使えると思っている。
プロジェクトは20年くらい前から何度か実施されては消え…を繰り返している。
今回もどうかな?ということで、我々の立場からは突っ込んで意見を言いづらい部分もあり、様子見中。

→ ボトムアップで小さく入って各業界の各社の細かな要望に応えてきたからこそ、結果的にデファクトで浸透させることができたものと認識しています。何らかの進展があるとしても、既に出来上がっている当社の仕組みを活用する形にはなるでしょう。

【質問7】

  1. 資本政策について。
    現預金が積み上がっているがどのように使うのか。
    M&Aも検討されているとの記載を目にしたことがあるが、待機資金をどの程度使うのか等、どのような社内ルールがあるのか教えて欲しい。
    また、資本コストは何%くらいで計算されているのか?

  2. 商品情報の中で価格の情報はどの程度含まれているのか?
    会社によっても店舗によっても値段は違うと思うし、チラシはどの商品がどれくらい割引されているのかを見ると思うので。
    個人的な希望としては、位置情報を利用し割引情報のプッシュ通知まで踏み込んでいただけるとありがたい。

1⇒
(岩田社長)
M&Aについては継続的に調査はやっているが、なかなか投資対効果を基準に考えると二の足を踏んでいる状況。
我々の強みである商品情報を活用できる、WIN-WINになれるようなパートナーを探している。
いい縁があれば投資したい。

(窪田CFO)
資本コストに関して言えば、弊社は25年無借金経営を続けているので、基本的にROE=ROICに近い。
WACCの計算としては8%で見ていて、M&Aについては(ROICで)8%以上の買収をしないと資本コストを上回れないと考えている。
我々は過去維持していた、ROE20%に三か年で戻す計画をしているが、差引10~12%程度のリターン(EVA:経済的付加価値)を生んでいると自己評価していて、中長期においてROE20%以上に伸ばせるようなところに投資していきたいと考えている。
短期的には見ていない。

(質問者:そうなると、対象となるパートナーはなかなか見つからない?)

M&Aは結果としては2,3件しかできていないものの、ここ数年間積極的にお話はさせていただいている。
相手のあることなので、欲しくても買えなかったり、のれんの大きさも引っ掛かったりしていて、継続的に株主様から見ていただく中で、その事情を説明するのは難しいものがある。
継続的に、随時、時代の流れも変わっていくので、我々にとって必要な相手を見つけていく、そして相思相愛になれるか見極めるということで、その時が来れば貯まったお金をつぎ込むべく探している。

→ ROEを低下させないような相手を見つけるのは、なかなか困難でしょうね。有利子負債を使い財務レバレッジをかけることで、なんとかROEを維持できる対象が見つかるかどうかという感じでしょうか。ここは焦らずじっくり取り組んでいただきたいと個人的には思います。

2⇒
(岩田社長)
我々が作ったパッケージソフトの中で小売さんが整備するわけだが、このエリアはいくら、競合店があればお店別に値段を下げるといったこともできるようになっている。
アイデアとしていただいた、位置情報を使って特売をやっている情報を飛ばすということは、技術的にはできるし、完了はしていないが開発の計画もある
色んなところにチラシが爆発的に採用されるはずなので、通知がうっとうしくなるかもしれない(笑)

→ 最後、冗談交じりに仰っていましたが、実際にそうなるといいですね。

【質問8】
コロナ禍以前は人が足らない、採用に困っていると、この場でも聞いたかと思うが、現在、採用は以前と比べて楽になっているのかどうか教えていただきたい。

(私からの質問です)


(岩田社長)
取りづらい状況はあまり変わっていない。

(窪田CFO)
過去取りづらいという情報を継続的に出していたのは、おそらくeBASE-PLUS事業の方。
eBASE事業とeBASE-PLUS事業とは全く違う事業。
eBASE-PLUS事業はアウトソーシング、簡単に言うとIT人材の人材派遣で、言い方は悪いが「質より量」の業態であって、常に採用しなくてはならない。
差別化もなかなかできないので、当然ながら競合もたくさんいて、採用に苦戦していたということを私共のIRでも発信をしてきた。

eBASE-PLUS事業については、(ミドルウェア)eBASEを使って「eB-learning」を自社開発し、310名程の社員がいるが採用・教育もそれを使いながら「自家栽培」して育てていくようになり、一時期困窮していた採用もだいぶ改善されてきたという状況。

一方、eBASE事業についてはどうかと言うと、人数が160~170名というところだが、昨年度は非常に人が採れて、逆に利益を圧迫したくらいの状況
eBASE事業の方は離職率が非常に低くなって居ついてくれるようになり、いい傾向になってきたと思う。

→ 事業ごとに分けて質問をすべきでしたが、補足していただき助かりました。コアのeBASE事業の人材が定着してきており、この点に関しては特に心配しなくても良さそうです。

【質問9】
1年ほど前、「資本コストや株価を意識した経営の実現」に関する開示があり、期待を寄せてきたが、この1年での進捗についてお伺いしたい。
特に、個人投資家への対応というところを検討していく、強化していくということがうたわれていたが、ROE20%への回復を目指し外形的にも魅力のある会社になろうとされている中、個人投資家への接点は実質的に今日のこの場しかないというのが現状かと思う。
他社も個人投資家向けの対応を強化していく中、相対的に遅れてしまうと失うものも大きいと思うので、その辺りの考え方についてお伺いしたい。

(質問1と同じ方です)


(岩田社長)
個人投資家向け説明会は今日のこの場でさせていただいており、動画も作成している。
また個別にはたくさんのお問い合わせをいただいて回答させていただいていて、接点は増えたかなと思っている。
また我々はB2B2Cを推進しており、C(消費者)向けのアプリを普及させることを通して個人投資家との接点も増やしていきたい。

(質問者:私もよくIR照会をさせていただいてその熱心なご対応には感謝している。興味がある人が問い合わせて接点が生まれるのはいいが、全然認知できていない投資家層に対してアプローチしていくことが必要で、私は関東から来ているが、大阪のこの場にいないと接点が持てないというのはもったいないと日々感じているので、さまざまな機会をいただけるとありがたい。)

できれば頻度も改めたいと思う。

→ この点に関連して、後刻の個人投資家向け説明会で窪田CFOより補足説明がありました。投資家には知っておいていただきたいことが多々あるものの、それを「公開」することに関しては対取引先の関係も含めて会社としては依然抵抗感が強く、IRとしてまだまだジレンマを抱えている印象です。ただtoCの展開とともに公開できる情報も徐々に増えていきますので、自ずと姿勢も変わってくることに期待したいと思います。

【質問10】
B2B2Cに関して。
小売では実証実験の段階で止まってしまうし、導入に躊躇されるということを仰っていたが、そこに何が理由はあるのか、何をリスクと感じているのか?
また実証実験をするにあたってeBASEはどの程度踏み込まれているのか?
その辺りも含めて教えていただければ。

(質問7と同じ方です)


(岩田社長)
先ほど常包も申し上げた通り、自分がやっている業務とこちらが提案している内容にズレがあり、自分のやっていないことに対して当事者意識を持っていただけないというのが理由。
「他社も入れてますよ」ということになれば遅れることに対しての危機感も生まれるが、近くの競合店や他社の実績が無ければ放っておかれてしまうのが事情。
そこで「あなたのやっている業務が改善できますよ」「将来有効になりますよ」というシナリオを描いて活動しているのが現状になる。

(窪田CFO)
我々は大企業の凸版印刷出身であるが、大企業ならではのスピード感の無さを体感してスピンアウトした。

「みんなDXと言っているから、DXにすぐ取り組むだろう」と思った時に、もし皆さんがチラシ制作の担当部署におられたと想定してみて欲しいが、そこに我々が「チラシがなくなるよ」と言ってしまうと、常包が「5年で新聞が無くなる」というお話をこの場でさせていただいた時同様、気分を害されるかもしれない。

実際にその窓口にとって大事なことは、その部門が存続している限り人は突然辞めるわけにもいかないし、少しずつ改善していく活動が、イコール全然違うDXと同時並行で起こるということを解決案とともに示すことが非常に重要なのだと、昨年の秋ぐらいから気付き出した。
どうも総論賛成、各論反対だなあ…いや、そうじゃないんだと。
この人の職場の合理化、課題を解決することがまず大事なのであって、チラシをなくすことではないんだと。
そこに取り組んでいれば、その人の手からいずれチラシが無くなった時にも、「俺たち、DXやったじゃん」という、彼らの手柄にもなる。

「e食住ちらし」は、紙チラシを制作する部門の人達の手柄にもなるというストーリー、シナリオを書き、経営陣に対してはコストダウンと売上アップを訴求する
まずは分かりやすいコストダウンをお示しすることで、日本の大手企業さんの、横を見つつも自分たちでは先陣を切らないという特質に対して、検討を後押しするようなことをやっている。
そちらからいくとハードルは低いので、昨年の秋ぐらいから二件三件と好感触を得られるようになってきている。

(質問者:アプローチの仕方を変えたということだが、コスト優位性が無い等の理由ではなく、業務負荷が増えるとかの理由で以前は難しかったということ?)

(岩田社長)
コストは圧倒的に安く設定し、コストパフォーマンスが上がるような提案をしている。
業務負荷が上がるような提案は受け入れられないので、支援するソリューションも含めて提案している。
業務改善・コストダウンをしながら、売上も上がるというシナリオで今は持って行っている。

→ 窓口の相手の立場に鑑みてアプローチの仕方を変えた経緯がよく分かりました。


質疑は以上です。

(14:17)


この後、議案採択を経て、株主総会の場は終了となりました。

(14:19)


この後休憩を挟み、個人投資家向け説明会に続きます。
全体所感については、その分とまとめて書かせていただきます。

(続く)

たくさんのポチ、ありがとうございます。B2B2Cの新しい展開のお話と、開示周りの数字の捉え方に関するお話のあった説明会の記事の前に、いったん月次の売買・ポートフォリオの記事を書かせていただきます。
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