ドーン株主総会2025(2)(★★★★☆)

株主総会・説明会

質疑応答の続きです。

質疑応答(2)

【質問3】

  1. アプリの評価は必ずしも良くないのではないかと思っているが、それがクラウドサービスの売上に影響が出るといったこともあるのではないか?
  2. 大株主に光通信が入ってきているが、何かコミットメントはされているのか?
  3. 車の自動運転に、GISとの結びつきは出てくるのか?

(→ 光通信のことを聞いて下さったのはありがたかったです。質問は2つまでとされていましたが、うっかりされていたようですね。)

1⇒
アプリの評価については私は勉強不足かもしれないが、既存のお客様に対しては年一回のアンケートやヒアリングをさせていただいている。
全てには目を通しておらず、使い勝手が悪いといったような評価をいただいているかもしれない。
ただそうしたものに対しては我々の推進部がフォローさせていただいており、お客様は官公庁なのでバラバラというわけにはいかず、まとめて改修を行う。
防犯・防災をやられているお客様の先に市民の皆様がいるということは認識しているので、改善はできるだけやっていこうとしている。
ただ仰っていただいた件で不勉強の部分もあろうかと思うので、我々の方で対応していく。

2⇒
光通信さんとは何かコミットするということもなく、純粋に純投資としてやっていただいているという認識。

→ 株主構成上、安定株主になっていただけるとありがたいですね。双方にメリットのある部分としては「営業」の面なのかなと思います。

3⇒
自動運転については、関連することは過去やったりもしている。
話していい範囲のこととしては、標識とか交通規制のデータを車の方に送るといったことについて、3年ほど前に仕事をさせていただいた経緯があるが、その仕事は一旦終了している。

今後は、車自体が自己判断していくこととなるが、AIが関連していくことになるかと思う。

スマートパーキングをtiwaki社がやっているが、あれは駐車場の中での自動運転に近い。
自動運転のAIの部分について、今後関わりを持つ可能性はあると思う。

(品川取締役)
1について補足させていただく。
結論としては、アプリの評価は売上と結びついていると言える。
アプリの評価はステマも含めた評価であると認識している。
一方、売上はどうかというと、順調にアプリのユーザーは増えており、非常に高い継続率をいただいているということから、我々としては売上・利益、顧客満足度ともに非常に高い水準を維持していると認識している。

【質問4】

  1. 株を買って2~3年になるが、当初の期待に現在の状況が追いついていない。
    売上・利益は年率1割強の成長は着実にしているが、市場の評価はそれに沿えていない面があるのでは?
    当時アナリストの評価がものすごく高かったが、どうして期待に沿えていないのか?

  2. 小型成長株としての魅力はあるが、この会社がM&AでNo.1になっていくのか、あるいは逆に(御社が)No.1の会社にM&Aで取ってしまわれるのか。
    その対応としての株価対策と併せて、株主優待をどのように考えられているのかも含めてお伺いしたい。

2⇒
我々中計でも発表させていただいているが、「見る」AIとしてのtiwaki社に加え、「聞く」「話す」AIを持っている会社をM&Aで取得したり業務提携をして、我々の事業に取り込んでいく方向で動いていて、仲間を自分達の方へ引き入れようとしている。

もしかしたら逆のパターンも、可能性としてはある。
そういった場合でも事業の継続性は一番に考えていて、世の中の役に立つものを作っていきたいというのが、モノを作っている者、エンジニアの真意でありそれを念頭に置く。

今時点ではあくまで我々が主体となってやっていきたい。
「聞く」「話す」を手に入れることで、人の代わりになるものを出していけると確信を持っている

→ 「被買収」に関しては、頭の中からすっぽりと抜け落ちていました。独立系としてどの大手とも組めるという強みが維持できるのであれば、資本背景からしても将来的に全く無くはない話ではありますね。

1⇒
アナリストの推奨に関しては私は内容を存じ上げないが、我々の成長についてよく書いて下さっているだろうし、我々もそれに沿えるように頑張っているが、株主様のお買いになった時点からすると株価が成長していないというご指摘かと思う。

ただ、我々も株価については少し前までは「市場に任せている」という言い方しかしていなかったが、最近は東証さんのご指導もあり、十分意識していかなければならないと理解している。
経営者側の自分達もそうだし、株主の皆様も一緒で、株価が上がっていくことでマイナスになることはないと思うので努力をしていく。
まずは業績を伸ばすことだが、中計の3年目にtiwaki社を合算することも計画しているので、そういった中で株主様の期待にお答えしたい。

(岩田取締役)
株価の方だが、7月に機関投資家向けの説明会をさせていただいた中で、同様の質問があった。
株価は重要なファクターだと我々も考えていて、これをいかに適正な評価にしていただくかが課題であり、そしてその裏側には「今の株価は適正に評価されていない」という会社の認識があるということは、まずご理解いただきたい。

これに対する一つの策が、ご質問にもあった株主優待になるかと思う。
昨年色々と見積りも取ったが、例えば1,000円のQUOカードを贈ることを想定した時、間接コストも含めると3倍くらいのコストがかかってしまう
確かに株主優待をすることで買っていただく方は増えるかもしれないが、皆様のお手元にいくお金に対して2倍のコストが経費として消えていってしまうのであれば、そういったコストを使わずに現金で配当をさせていただく、あるいはここ3年やっている自己株式の買い取りを行う。
そうして需給が引き締まり買う人が増えれば、当然株価は上がるので、株価のリターンによって皆様に実を取っていただくということを考えている。

まとめると、株価に関しては会社として非常に注視しているということと、株主優待に関しては検討したものの、コスト面から現時点では考えておらず、1円でも多く配当に回そうということを考えている。

→ 現状の株価に会社として満足していないということは十分伝わりました。今後、投資先としての魅力をいかに広く伝え、支持層を固めていくのか、その動きを見守っていきたいと思います。

【質問5】

  1. クラウドサービスで安定的に収益が上がっている中、配当性向が低めだと感じる。
    自己資本比率が高く、何かあった際も借入で賄えるような財務状態かと思うが、その辺りのお考えを伺えれば。

  2. Live119の人口カバー率は50%近くになると思うが、一方で119を架けた時に初めて使えるシステムであり、さらなるカバー率向上・売上向上のためにも一般市民への認知の向上が課題と感じる。
    この辺りの訴求について、どのように考えているか?

(→ 配当性向に対する考え方は確認しておきたいところですよね。)

1⇒
配当性向は18%くらいかと思うが、現金そのものは手元にある状態。
我々は安心安全分野の仕事を官公庁とさせていただいているが、だいたいそういった仕事は大きいメーカーがやるのが通常。
その中で中小企業のちょっと大きいくらいのところが参入していこうとすると、先方の一番の懸念は「潰れないか」ということ。

その心配は無いことを証明するためにある程度現金が必要で、手元に10億円くらいを置いておくと、お客様としては契約期間中潰れることはないという安心感が得られる。
言い方は悪いが「見せ金」的に手元に置いておくということ。
安心安全分野を手掛けているだけに、急にオーナーが変わった、会社が潰れた、この事業を止めたということは、あってはならない。
だからこそ高くても大手に仕事が回っていってるというのが世の中の現象だが、これだとなかなかサービスが広がっていかない部分がある。

Live119についても、昔からニーズはあったものの、大手さんはやっても途中で止められたりする。
実は我々よりも先に手をつけた会社はあったが、世の中のためになったとしても止めてしまう。
理由は簡単で、儲けが出なさそうだから。
でも、人が助かっていくという現実があるなら、やるべきだという判断の下、我々がやることでうまく収益につなげている。
大手に対しては(儲からないから)サービスを止められてしまうことが心配されるが、我々クラスに対して心配されるのが現金が無くなって潰れてしまうことであるため、10億円を一つの目途に現金を用意している。

それ以外のお金の使い方としては、M&Aで「見る」以外の「聞く」「話す」の部分をこの3年でなんとかしていきたいので、そこにお金を充てていく
またそういったこととバランスを取りながら、配当の方はここ何年間か増配をさせていただいている。
配当性向としてはご希望する水準に達していないかもしれないが、会社が成長する部分を含めて株主様にお返しできるようにと考えている。

→ 「見せ金」を業容拡大に合わせて増額していく必要もないでしょうから、「聞く」「話す」にも目途がついた段階では配当性向の引き上げを検討する余地は十分かと思います。

2⇒
(宮崎社長)
Live119の認知度については、我々がやるものと、役所自体が市単位での認知度向上という二面性があり、その部分に対してもご協力をさせていただいている状況。

(品川取締役)
具体的に何をやっているかということに関して言えば、消防本部以外にはセールス活動は行っていない。
役所というのは入札で決まる。
数社が類似サービスを手掛けており、我々がLive119を一所懸命に宣伝をしても他社が受注する可能性がある。
またカバー率は45%ほどになってきているが、導入できる消防本部は限られつつあり、費用対効果の問題でコストをかけてもリターンは得られないため、あとは自然増を狙っていくという判断をしている。

(宮崎社長)
入札が終わり受注した後、各市役所には看板を出したりイベントをしたりといった部分での協力はさせていただいている。

【質問6】

  1. ひと目社長の顔を見たく、東京から来た。
    質問に対する回答の際の誠意はどうなのかを感じながら、これからの投資方針を決めていきたい。
    社長はオービックを経験なさっているが、どうしてここへ来られたのか。

  2. 御社の掲示板の書き込みは目先のことばかり。
    これからは目先の利益ではなく長期的なビジョンに基づいて経営していかなければならない。
    御社の仕事はこれから世の中に貢献していくと思うが、長期的なお話をどんなものでも構わないのでしていただきたい。

(→ 宮崎社長のご経歴に関するお話は興味があります。)

1⇒
創業者の滝野と偶然出会ったのが1997年。
その頃はオービックにいたが、私は当社の祖業でもあるGISの営業を「民間向け」にやっていた。
営業ながら、こういうふうに動くという技術の素養自体は持っていたが、ドーンの場合、それが目から鱗というか、全く違う技術で動いているというのを、偶然にも日経新聞で知った
知ったその日に、神戸でたまたま当時あった阪神銀行さんに商談に行く機会があり、早く終わったので当時ポートアイランドにあったドーン社に電話をかけてみたのが、最初の出会いのきっかけ。
偶然、(滝野)社長もその日は空いていたので会うことができ、話もさせていただく中で、「あ、これは世の中に役に立っていくな」と感じた。

民間でやっていると、いい意味で最先端のものができていく面はあるものの、どうしても利益をぼっていく仕組みがある。
オービックもずっと売上・利益が伸びていて、なかなかハイレベルな体育会系の会社(笑)だが、そういった中で違った方向性はないのかなと思っていた部分があったので、それでジョインするような話になり、私が来たのが1998年ということになる。
前の会社ではそれなりに上の方の成績だったのでやれる自信はあったのだが、ここに来てからはより官公庁と仕事がしたいという気持ちになった。

当時、ドーンがやっていたのは復興事業。
阪神淡路大震災があり、震災の復興においてボーリングの際に地層が変わっていて建物に影響が出てくるため、そこを見える化するような技術を用いた仕事をしていた。
今は当たり前のようにクラウドでできることではあるが、25年ほど前は単体で動くような技術は他に存在していなかった。

そうした中で、防災の方で広がっていった経緯がある。

防災から119番通報のサービスにつながり、上場を経て私の方で経営もさせていただくことになり、クラウド導入前の赤字の暗黒時代があり、それからはクラウドサービスが順調に伸びていった。

もっと頑張ってやっていけるはずという声もあるが、今のところはクラウドサービスを積み上げていく形で進めていくつもり。

→ 創業者が開発した画期的なGISの技術が、未来の経営者となる、社会貢献への意識も高い有能な人材を引き寄せたのですね。貴重なお話を伺うことができました。会社の生々しい歴史をもっと詳しく知る機会があればいいなとも思いました。

2⇒
我々は現場の声を聞きながら、これからも安心安全分野でやっていく。
消防や警察の方々は日頃訓練をされていて、我々はそれを見ている。
何かに備えて努力をしている方々がいらっしゃり、一人でも多くの方を助けたいという思いでやられているのを、我々としてはお手伝いしていきたい。
今後も長期的にこの主軸を動かすことは考えておらず、逆に伸ばしていこうと思っている。

ただ、この方面で市場が本当にあるのかと皆様思われるかもしれないが、実は大手さんというのはやはり過去のものを引きずりながら、古い技術も持ちながらやっていらっしゃるので、なかなか新しいものに踏み切れていないということがある。
我々はいわゆるオンプレで入れているものは少ないので、クラウド、AI、クラウドにAIを載せたものに注力することができる。

いま人を助けるお仕事の方々は、人手不足でなかなか業務が回っていない。
そういった中で、市民・県民の方々と接する部分、直接助ける部分については減らすものはないと思うが、例えば受付の部分を減らすといったところでは「見る」「聞く」「話す」のAIが使える。
また検証の部分、例えば火災であったり犯人を見つけるといったところをお手伝いするものは、クラウドにAIを使う形で伸ばしていけると考えている。

中期経営計画を出させていただいているが、なんとか3年間の最後の年には市場投入をして、これで人が助かった事例を作っていきたい
Live119では救命事案がだいぶ出てきている。
またAED GOというサービスがあり、90%は使われていないAEDを使う方向に持っていこうとされている東大の先生がいらっしゃるが、こういった面でもお手伝いしていきたい。

大手さんは「儲からないからやらない」という面があるが、我々は大手さんが儲からないと思っているところを儲かるように変えていく、そして必要とされるものを出していくというのが一番の理想
上場しているので、皆様にお示しした数字は必ずやっていこうという意識は当然あり、ありがたいことにここ10年くらいはお約束は守れているので、今後はAIを付けて幅を広げていこうというのが当社の方針。
そこをクラウドで月額利用料で積み上げる形で、少なくともこの3年は進めていく。


以上で質疑応答は終了となります。
(10:55)

この後議案採択を経て、閉会となりました。

所感

光通信が新たに大株主に登場してきた影響もあるのでしょうか、「株価」に対する意識の高まり(そして評価不足に対する危機感)が明らかに感じられたのは朗報です。
これからの会社の認知度向上とそこからの「岩盤支持層」づくりに向けた、IR強化の動きに期待したいところです。

また、宮崎社長が入社のいきさつを語っていただいたのも新鮮で、配当性向の件も含め、なかなか良い応答もあったと思います。

ただ、新しい中計が発表されたにもかかわらず、質問の数そのものは前回から減ってしまったことについては、やや物足りなさを感じました。

以上を踏まえ、評価は★★★★☆とさせていただきます。

今年は暑すぎて「総会旅行」は無しにしましたが、来年はまた有馬温泉あたりに泊まろうかと考えています。
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