(受付近くでこの写真を撮るのは、まあまあ勇気が要ります 笑)
参加するのは、3年連続3回目となります。
今回の参加目的のメインは、なんと言っても、資本業務提携をしたばかりのtiwaki社との取り組みに関する情報入手です。
現行の中計における最後の期であり、次の中計に向けた感触を得ておきたいところですよね。
株主総会
会場は、いつも通り本社のあるビルの会議室です。
いつもながら、受付の皆さんの愛想がいいですね。
64席用意され、出席者は30名弱にまで増えていました。
じわじわと、長期目線で関心を持つ方が増えてきたのではないでしょうか。
議長は宮崎社長。
報告事項・監査報告については、宮崎社長がスライドを使いながら概要を説明されていました。
「招集通知に記載の通り」の事項については、ほとんどを思い切って省略していたのは好印象。
「対処すべき課題」の箇所のみ、書いてあることを網羅的に説明されていました。
決議事項は以下の3つです。
- 剰余金の処分の件
- 取締役(監査等委員である取締役を除く。)3名選任の件
- 監査等委員である取締役2名選任の件
(10:09)
質疑応答(1)
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
基本的には宮崎社長が回答されておりましたが、質問の内容次第では岩田取締役をはじめ、他の方が回答される場面もありました。
なお前回同様、質問は1人3問までとのお願いがありました。
【事前質問】
能登半島震災で石川県に対し10百万円の義援金を寄付したことについて、いつどのような経緯・根拠で決めたのか、取締役会の様子が分かる形で教えて欲しい。
⇒
1月の取締役会で議題として出た。
我々も神戸の企業ということで震災の影響を受け、また全国から支援を受けた経緯があり、会社としても余裕がある時期でもあったので、「何かできないか?」ということで議論させていただいた。
まずできることとして義援金という話になったが、10百万円という金額については、33期(前期)の中で業績の方は大丈夫だなということになり、それが上振れする中でできるところで金額が決まった経緯がある。
我々は官公庁の仕事がメインであり、3月までくれば通期の数字が固まってくるということで、4月に発表させていただいた。
→ 事前質問は、今回が初めてだったと思います。
【質問1】
去年の総会でIR強化と人材確保の話があったと思うが、この2つについてどれくらいやったのか、実績を示していただきたい。
IRに関しては何をやったのか、全然私のところには聞こえてこないので。
⇒
(宮崎社長)
人材に関しては私から。
1年間頑張ってきたが、正直うまくいかなかった。
増えたのは数名。
昨年、離脱する人間への対応として給与等の改善は行った。
同じような条件で出ていく人は無くなったが、入ってくる人はうまく採れなかった。
事業を拡大するためには人を確保しなければならず、80名というのを中計の数字でも掲げているが、今期いっぱいで「本当に行くのか?」という株主様からの疑問もあるかと思うので、この場でお話させていただく。
自分たちの社員として80名まで増やしたいというのが正直なところだったが、そこまで増えていないというのが現状。
では諦めるのかといえばそういうわけではなく、一緒にやってくれる会社、仲間となる会社(tiwaki社)を一社見つけることができた。
今年いっぱい、安心安全、エッセンシャルカンパニーということで、世の中に役立つサービスを推し進める意味を先方に理解していただく1年にしようと思っており、その会社を含めれば80名に手の届くところまで来ていて、次の計画を遂行するための「グループで80名」は、ズルかもしれないが見えてきている。
人数をまず確保でき、想いも一緒にしていただける会社でもあり、資本も快く受け取っていただくことになったので、人材に関してはある程度目途がついたというのが今の状況。
(岩田取締役)
IR情報の充実に関して件数だけで言うと、5件ほど出させていただいており、前年度と件数としては変わっていない。
ただ2024年に入ってから、emotivE社・エクシオグループ社との業務提携、そして画像AIのtiwaki社との資本業務提携と、今後の事業・収益の柱となるような提携ができることとなり、それをリリースさせていただいた。
我々の打ち出しの部分が足りなかった面はあるかと思うが、今後数字になって表れると思うので、そのご報告を1日でも早くできるようにまい進して参りたい。
従業員に関しては、前期末で63名、純増2名となった。
6名入ったが4名減ったことについて、会社としても問題意識を持っている。
リクルートのほうは当然のこととして、やめられようとしている方に対して、いかに仲間として一緒にやっていただけるかということに重点を置いてやっている。
リモートワーク、フレックス、福利厚生等、色々なものを充実させて働きやすい職場環境づくりに努めることによって、減らない体制を作っていく。
(宮崎社長)
IRの活動的なことに関しては、人数的な体制として正直できない部分もあり、できることは限られる。
その中で語弊はあるかもしれないが、お金をかけずに実現できていることとして、年明けからTVに採り上げていただけるようになってきた。
ここ4、5年、会社として力を入れているLive119に関しては、消防の方から活動内容について公表していく、あるいは実績も出てきたことによって、東京消防庁のケースを皮切りに、能登半島の震災の件もあってよくTVに出るようになっている。
心肺停止となった方にAEDを届ける仕組み(「AED GO」)も採り上げられるようになってきた。
こうしたものについて、「お金を払って自分達でCMでもやったらどうか」という話もあるかと思うが、そうした余裕やノウハウがないというのも実情であり、実績として採り上げられていくようなやり方を探っていきたい。
今は震災などのきっかけがあってメディアに採り上げられているが、そうした効果を上手に使っていけたらと考えている。
ありがたいことに、「TVで流れたものを使っていい」というTV局もあるので、それを素材として世の中の方に広く見ていただけるような、新しく目につくような方法を工夫してやっていきたい。
→ メディアでの採り上げられ方としては個々のサービスやアプリが前面にでてくるため、会社名よりも個々のサービスやアプリの名称の方が断然認知度が高いのが現状で、大変もったいない印象です。投資家層の拡大という面だけでなく、人材の採用・定着にも関わってくる話だと思いますので、会社名も同時に知ってもらえるような工夫が求められますね。
【質問2】
- tiwaki社との資本業務提携の経緯について。
以前からエッジAIに着目されていて、いいタイミングでの技術者の確保、金額面にも良かったと思うが、その経緯とどんな会社なのかについて詳しくお聞かせ願いたい。 - 同社と一緒にやっていくことによる、数字的なインパクトとしてはどの程度のものか。
Net119・Live119はSaaSでも数億の売上になるかと思うが、それらと似たようなものになるのか、あるいは新しいサービスを創ってまた一段と大きくなるのか、そしてそれはどれくらいのスパンで考えているのかといったことについてお伺いしたい。
1⇒
中計でM&Aを進めていく方針を初めて打ち出して以降、業者から案件がたくさん持ち込まれるようになった。
その中で数社いい会社があると感じていたうちの1社が、tiwaki社。
我々がLive119のように画像を扱う会社であり、その素材を活かしてAIで何かを判断する、あるいは人手が足らずDXが求められる中で「見る」という行為をAIで代替する、そういった部分で行けるのではないかと判断し、交渉を開始した経緯がある。
そこから時間をかけて進めているが、特に時間をかけたのはお金の部分ではなく、お互いにどれだけメリットがあるかという部分。
「試しに1回使ってみませんか」といったことを、お客様との間で実はやっていて、同社は画像AIの中でも特にナンバープレートの認識が非常に得意。
画像は学習させれば認識の精度は高まっていくが、それでも得意不得意がある。
対象が動いたとしてもナンバープレートの認識に強い部分があり、会社名は言えないが、中部の大手の物流センターで、ゲートにおいてナンバープレートで車を認識することが非常に流行っているが、そうした所に採用されている実績がある。
お客様のところで実験する過程で、既存のモノよりかなり良いことが分かってきた。
我々が持っていない技術でもあり、「化けるな」という手応えがあった。
使い方、優れたところを認識した上で、「資本を受け入れませんか」という話へと進めていった。
転換社債も発行し、ゆくゆくは過半数の出資をさせていただけるところまでは進んだ。
向こうにも喜んでいただけているし、お互いに納得の上で仲間になっていただける運びとなった。
2⇒
インパクトについてだが、実はここ最近特許を出してきたが、承認が順次下りていっている。
大手さんに比べれば数は少ないが、出したものにくっつけていくような仕組みが作れていて、具体的には申し上げづらいが、防犯関係で確証が取れている。
実際に入っていくまでには2年ほど時間はかかるが、こちらの方も見えてきている。
そういった分野はまだまだオンプレ主体ではあるが、利用料でお金をいただけるようになり、いわゆるストック型のビジネス展開できるところまでは見えている。
数字的には今申し上げるわけにはいかず、来年に発表する中計に反映させていただくことになるが、その3年目か、早ければ2年目には数字になると思う。
その方向で推進をしている。
経営者の考えとしては、Net119・Live119に続く柱に育てられるように力を入れていきたい。
→ 新たな柱が見えてきているのは、株主として何よりも吉報です。
【質問3】
- tiwaki社への出資比率は現状では19.9%に留まる。
仮に同社の仕事に占める、御社の仕事の割合が低ければ、「仲間」として認識して良いのか疑問が残る。
(過半出資へのオプションを持つ)転換社債の期限について、可能であればお示しいただきたい。 - 「VISION2032」では営業利益20億円を目標として掲げているが、仮に2032/5期にこれを達成するとなると、今から年率+20%程度の成長がないと届かない。
「拡大ステージ」となる次期中計において、成長が加速するイメージが持てるような数字を出していただけるのかお伺いしたい。
(私からの質問です)
1⇒
(宮崎社長)
tiwaki社への出資が19.9%に留めている理由として、tiwakiさんが独自に進めている案件で、大手に支配されていては受けられない実験があり、いったん止めているという事情がある。
我々の方としては、防犯のところで2年時間がかかるというお話を先ほどさせていただいたが、結果が出てくるところからであれば、良くても悪くても自分たちが管理していることでもあるので責任が持てるという面もある。
防犯分野は簡単にすぐに採用できるものではなく、どうしてもタイムラグが発生するので、我々にとってもメリットがある。
(岩田取締役)
転換社債の償還期限は3年。
そして前提となっているのが19.9%という出資。
会社の目利きとしては「行ける」という判断をしているが、管理部門としては万が一の時はいつでも引けるようにというリスクヘッジもしていて、事業としての見極めの期間として考えている。
「19.9%」は連結として取り込むかどうかの線引きであり、「行ける」となれば転換権を行使して普通株として過半数を取得し、残りの株についても引き取りの協議を進めていきたい。
まだどちらにブレるかは会社として判断できていないが、決議でき次第、速やかに開示する。
2⇒
(宮崎社長)
次の中計に関して。
まず進行期に関しては「こんなものだろう」という数字を出させていただいているが、次の拡大ステージを見据えている部分が正直ある。
消防・警察のような人を助けるお仕事のお手伝いをするということは、単純に「お金をもらっていないからやらない」「時間外だから電話を取らない」といったことは通用せず、仕事の内容を理解した上で個々で判断できる人間がやっていかないと、この事業はうまくいかない。
OBはあえて採用しない中、新入社員にはその辺りを浸透させている。
やり過ぎるといわゆるブラック企業になりかねないので気を付けているが、こういった想いがあって「安心安全」「エッセンシャルカンパニー」を掲げている。
今回一緒になるtiwaki社は当然民間企業であり、この1年間はそういった想いを理解していただく期間として位置付けている。
またそうすることによって、生まれるものが変わってくる。
単純に言われたものをサービスにするだけではなく、それ以上のものが出てきて、Live119のように想像を超えた使われ方をするようにもなる。
想いを分かっていただく期間を設け、それが可能となれば、先ほどは防犯分野の話をさせていただいたが、例えば消防や人材が足らないところの領域にも推進していけるようになる。
出資前に話をしていたところから広げている最中なので、次の中計にはそれを盛り込んでいきたい。
進行期までは1年間で売上高が1億円ずつ、利益が数千万円ずつ増えていくイメージだったが、「拡大」と言うからには当然それを超えるものを出していきたい。
そのためにも、この1年間の過ごし方が大事。
技術を磨くとともに、事業への想いを理解していただく1年にしたい。
皆様から「もっとできるのではないか」というご意見も色々といただくが、それができれば「必ずこれ以上はやりたい」という数字として出していける。
今回進んでいる以上のものを、具体的に次回の中計で出していきたい。
→ tiwaki社に対する出資周りの判断の背景がよく分かりました。当社は保守的に数字を出す傾向の企業ではありますが、少なくとも次回の中計は、単なる現在の成長スピードの延長線上の計画とはならなそうですね。
(続く)
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