投資家としてありたいイメージとして、近頃の私は「水」を意識しています。
周りに合わせて形を変えることができるという柔らかさがありつつ、集まれば岩を砕くこともできるような、しなやかな芯の強さがある。
そんな水のように、ポートフォリオだけでなく自分自身の考えも、市場の状況に合わせて柔軟に変えていきたい、自己否定をも恐れない構えでありたい。
このような課題認識のあった私にとって、鹿子木さんのこの本は大変良い出会いとなりました。
本書から得られた気づき
本書の大きなテーマは、「勝利」ではなく「存続」。
ユダヤ・キリスト教的世界観をもとに金融を語るという、私にとっては目新しい切り口の本でした。
世界が壊れうることをまず前提とし、資産が存続する設計をする。
「勝てるかどうか」より先に、「壊れないかどうか」をまず考える。
そうなると、取るべき戦略は全く変わってきます。
その戦略を考える上で、まず本書から得られた気づきを以下に列記します。
- 壊れにくさ、耐久性、破綻の回避、存続性が大事であること
→ 市場の変動に「耐える」構造こそが、長期の成果を生む。 - 市場は「想定」を壊してくることを前提に置く
→ 市場は均衡を壊そうとする。「想定外」は例外的なものではなく、むしろ本質。「想定外」を前提にした設計が必要。 - 均衡が壊れても生き残れる構造を作る
→ 均衡前提の戦略は必ずどこかで破綻する。柔軟性を保てるよう、先に配置を整えておく。 - 逃げ場がない状況を作らない
→ レバレッジ、集中投資、資金拘束など、退路を断つ行為は市場の「想定外」に弱い。 - 市場は努力を認めない、動機を評価しない、正しさを称賛しない
→ 市場が返すのは結果だけ。「分析する努力をしたから報われるはずだ」「社会の役に立つ企業を応援したい」「正しいことをしている企業は報われるべきだ」という感情は、投資判断を歪める最大の毒になり得る。 そうした感情は自らの退路を断つことにつながりかねず、均衡崩壊に巻き込まれやすくなる。
1~4は、「水」の境地を目指す自分に大きな示唆を与えてくれました。
自分にとっての課題は5です。
感情と投資判断との間でどう折り合いをつけていくかが、これからの鍵になるのかもしれません。
(続く)
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