今月の投資先メモ(24年9月)~【3836】アバントグループ

今月の投資先メモ

今月は、8/2の本決算発表以降の株価が絶好調で、上場来高値を更新中のアバントグループです。

ROEの推移から見えてくること

なぜここまで好調なのか自分なりに考えてみたのですが、ポイントは「ROE」にあることに気付きました。

下図は8/19の決算説明会の資料から拾った「ROEと資本コストの推移」です。

2022/6期・2023/6期と、ROEは低下傾向にありました。

この間、何が起こっていたかというと、

① 前中計「BE GLOBAL 2023」におけるビジネスモデル転換の失敗
(→「ストック売上比率70%以上」「GPP(売上高成長率+営業利益率)40ポイント以上」の未達)

② ①を受けての組織再編、およびそれに起因する営業の部分的な停滞・再編コスト発生

です。

このため、2021/6期頃までに投資家が持っていた成長イメージに疑問符がつくようになり、それが株価の停滞にもつながっていたものと思われます。

評価が一変

それが2024/6期には一転、前年度の18.3%から22.3%へと、20%を超え大きく上昇することとなりました。

同時に株主資本コストとの差であり、価値創造の度合いを表すエクイティスプレッドも拡大

そして2025/6期計画上のROEも22.4%と、改善傾向が続く見通しです。

定量面で見えてくるものとして、ROEのモメンタム変化」が大きな株価上昇の要因となっているのではないか、というのが私の結論です。


では定性面では、何が株価上昇を支えていたのでしょうか?

① JPXが旗振りをしている「資本コストや株価を意識した経営の実現」という外部環境の追い風

② 現中計「BE GLOBAL 2028」において新たに開拓していく市場と位置付けた「投資家視点の次世代経営情報基盤市場(M3)」において、①を受けて結果が出つつある(パイプラインの積み上げができている)こと。

この①②が相まって、成長イメージを回復できたことが大きいのではないかと、私は考えています。


組織再編のさなかでは、経営もやや迷走気味に傍からは見えました。

ただそこから長い時間をかけて議論を重ねていただいた結果、「経営の意思決定の高度化に資する、投資家視点の経営情報を提供する」、そのために取締役会などの最上位経営機関へアプローチしていくという方向性が明確になりましたので、これから2028/6期に向けて安心して保有することができそうです。

「ROEの維持・向上」は大事な着眼点であると、改めて気付かされた事例でした。
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