質疑応答(2)
ここからは会場からの質問です。
できるだけ多くの株主様のご質問をお受けしたいとのことで、「お一人一回一問限り」。
発言は着席のままで可とのこと。
議長の方からわざわざお伝えいただくのは、少し珍しいかもしれません。
【質問1】
本日は着席での発言につきご配慮いただきありがとうございます。
今、ABFは群馬と岐阜で生産しており、新たに岐阜に2028年に用地を取得して2032年に稼働させるという情報を見た。
3ヶ所目は、BCP上必要ということと、2032年以降の半導体需要が旺盛になるために生産を増やすということで理解したが、半導体需要がこれから増え続けるのか、それに対する経営判断はどうだったのかということについて教えていただきたい。
⇒
仰った情報については直近の決算発表でも申し上げているが、まず製造拠点として川崎と群馬の工場があってそこで製造委託を行っており、複数の拠点で製造キャパシティを有している。
新しく取得したのは岐阜県可児市の土地。
ご指摘の通り、ABFの需要は非常に旺盛で、その一番の理由はAIアプリケーションの増加。
AIサーバー、AIのネットワークのための高性能半導体に使われるABFの需要が非常に大きい。
高性能の半導体用のパッケージ基板の絶縁剤がABFだが、その基盤のサイズがとても大きくなっており、さらにABFを多層に使う、サイズが大きく複数使うということで、非常に需要が伸びている。
今後の市場動向については、我々は世界半導体市場統計というものをよく参考にさせてもらっている。
そこに、ロジックICの部分があり、2026年の成長が売上で+37%、2027年が+27%と高い予測がされている。
それに近いABFの成長のポテンシャルがあると考えており、直近もしっかり製造キャパシティを確保し、将来の需要増に応えるという意味で可児に新しい土地を取得し、2030年から工場を建て始め、ご指摘の通り2032年から稼働させる予定だが、需要がそれよりも上回る場合には前倒しで工場建設を進めていき、しっかりと強い需要に応えていきたい。
→ 力強いお言葉をいただきました。
【質問2】
(直近二年同様、某動物愛護団体より。主張が長く2回制止が入るほどだったので要点のみ)
(味の素AGFが資金提供して行われたとする動物実験を例に挙げて)動物実験方針の「抜け穴」を廃止すると約束いただけるか?
⇒
(中村社長)
当社は必要最小限の動物実験を、国際的にも認められた倫理原則を遵守の上行っている。
サステナビリティ担当である、執行役の小野から回答させていただく。
(小野執行役)
味の素グループは、今、社長も申し上げた通り、動物実験最小化に向けての考え方というものを掲げており、これに則り適切な代替方法が存在せず必要と認められる場合に限り、動物実験を実施している。
当社では食品のみならず、素材・ヘルスケア・先端材料等、多様な事業を展開しており、その中には動物実験が必要となる場合がある。
具体的には、幅広い事業領域における研究開発において、社会あるいは行政のご要望により科学的な検証が求められ、かつ代替手法が存在しない場合に限り、必要最小限の動物実験を実施するということ。
必要があって実施する場合も、当社では動物実験倫理委員会を設置しており、ここで承認・審査を経た場合にのみ実施される。
また実験においては、国際的な3つの倫理原則に準拠して行うこととしているが、3つの原則とは、まず代替法がある場合には代替法を選択する、使用する動物については最小限にする、そして苦痛は最小限にとどめるというもの。
味の素グループでは、この分野における透明性の確保、代替法の開発と導入に積極的に取り組んでいる。
今後も、ホームページ、サステナビリティレポート等において情報開示を適切に行い、動物実験を適用しない方法を推進しながら、動物実験については、必要性・妥当性を踏まえ、責任ある管理の下で実施をしていく。
【質問3】
株主様工場見学会のご案内に関する要望となるが、子供がたくさんいるが参加できる候補日が少ない。
現場の方々の負担にもなるかと思うが、ぜひ夏休み・冬休み・春休みといった機会に参加できるようにして欲しい。
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当社では個人株主の皆様、機関投資家・アナリストの皆様も含め、事業への理解を深めていただく目的で各種のイベントや工場見学会を行っている。
特に親子で参加したいというのは大変ありがたいご要望だが、日々工場も稼働しておりなかなか日程が取れず、ご希望に添えていないことを申し訳なく思う。
できるだけご希望に沿えるよう検討してまいりたい。
→ 日程的に申し込みができても、なかなか当選しないという現状があります。お子様連れを優先とした方がいいのかもしれませんね。
【質問4】
会社が大きくなると社会貢献を求められる。
どのようなところで重点的に貢献していくのかを教えていただきたい。
また味の素としてそれを発表できればありがたいと思う。
⇒
当社はASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)と称し、社会価値を生むと同時に経済価値を生んでいくということを基本方針としている。
社会貢献ができる例として、本日グリーンの領域で紹介したような事業がある。
例えば、牛の餌に混ぜ合わせリジンを確実に届ける「AjiPro®-L」という必須アミノ酸のサプリメントがある。
このサプリメントを牛に与えると、餌のコストが抑えられる上、4つの胃を持つ牛でも必須アミノ酸のリジンを胃で分解されずに小腸でしっかり吸収され、乳の出やお肉の付き方が良くなるということで、酪農家の皆様に経済価値を提供できる。
さらに、牛一頭あたり1トンのグリーンハウスガスを削減できる機能もある。
酪農家の皆様に収益を上げていただきながら、グリーンハウスガスの削減ができる、こういった製品を通して社会貢献をしていきたいというのが一つ。
これがASVの活動。
また、CSR、社会福祉ということで言えば、味の素ファンデーションという団体を通して、例えばガーナの乳幼児の栄養を改善するサプリメント、KOKO Plus®という赤ちゃんが食べるおかゆみたいなものに栄養を足してもらうような事業をやっており、これは事業利益を上げるということが目的ではなく、ガーナの子供たちにしっかりと成長していただきたいという思いでやっている活動である。
その他にも味の素ファンデーションでは、震災で被災された皆様の支援等も行っている。
このように、ASVとCSRの両方を行っている。
【質問5】
凄まじい勢いでAIが台頭していて、米国ではホワイトカラーの人員削減が行われAIに取って代わられるようなことも起きている。
人材確保・育成とAIとの関係性について、CHROを新たに設置したことも踏まえつつ、今後の当社のAIの活用と人に関わる方針についてご説明いただきたい。
⇒
(中村社長)
まずAIの活用について。
日本の味の素社においてはAJI-AIChatというChatGPTベースの社内で使うLLMの活用、Copilotの活用を進めている。
また一部の機能部門においては、AIコードのようなもので開発のスピードを上げる、さらにはAIエージェントといった専門色のあるAIの構築を進めている。
AIは労働力と捉えて、人の労働生産性を高める、さらに付加価値創出のスケールアップ、スピードアップを進めるという意味で、両立させることを考えている。
人の採用は新卒採用とキャリア採用を行っているが、部門によってはAI活用のプロフェッショナルみたいな人も雇うし、AIが労働力となった状態においては人のクリエイティビティが重要になる。
私共はありがたいことに、就職希望ランキングで非常に上位に位置しており、たくさんの方から選ばせていただける状況にあるので、しっかり対面で面接をさせていただき、候補者のコンピテンシーを確認しながら、また候補者の方にも弊社の社員をしっかり見ていただきながら、入っていただいた時にギャップが無いように、職種別の採用、エリア別の採用を行い、離職率の低減に努めている。
AIについては、チーフデジタルオフィサー(CDO)である執行役常務のスムリガから補足する。
(CDO スムリガ執行役常務)
2025年度は8業務を対象に、業務フロー全体を生成AIで改革するプロジェクトを実施し、大幅な業務の削減を実施できた。
例えば営業領域で年間500時間の削減効果が出ている。
ただ、それによって人を減らすという方向性については考えていない。
それぞれより付加価値の高い業務にシフトしている。
またR&D領域において、研究報告書など社内に蓄積されたナレッジを検索・参照しながら、日々の業務に活用できる生成AI基盤を整備し、さまざまな用途でAIをさらに活用していきたいと考えている。
(以上、日本語で話されていました)
(CHRO 下保代表執行役副社長)
AIの活用については今説明があった通りだが、「人」という側から見ると、人にしかできない価値創造能力というものをどうやって高めていくかということが、大きなチャレンジになってくると考える。
まずはAIを使える人材の育成ということが前提にはなるが、それを踏まえた上で、本当に今後人間がやるべきなのか、人間にしかできないことは何なのか、どこで我々はユニークな付加価値を出していくのかを見極め、そこに向かって人材をしっかり育成していくことが大事。
その意味で、すぐに人員削減するということは考えていない。
生産性が上がる中で、生まれてきた時間をより付加価値の高い仕事に向けていき、それによって成長をさらに加速させていくことで企業価値の拡大に貢献してまいりたい。
→ こういったお考えの経営陣の下で働ける従業員の皆様は、やりがいが持ててとても幸せだと思います。
【質問6】
連結決算の業績は羨ましいほどの数字だが、単体の方は2期連続の営業損失となっている。
連結で吸収されるからやむを得ないという考えなのか、一過性だからなのか、営業損益でも利益を出すという考えはあるのか、その辺りについて伺いたい。
⇒
(中村社長)
日本単体だとご指摘いただいたような数字になっている。
当社は海外の売上比率が約70%、事業利益では約60%が海外ということで、国内単体についてはこのような数字となっているが、これを決して良しとは考えておらず、国内単体においてもしっかりと利益を出せる体制にしていく方針。
(財務担当 水谷執行役常務)
中村が申し上げた通り、味の素単体の赤字は良しとはしていない。
なぜ赤字なのかと言えば、元々味の素株式会社は事業が成長するとグループ会社として切り出して事業を発展させてきた経緯がある。
しかしながら、単体で赤字という構造があると、研究開発税制等で色々な恩恵が取れなくなることもあるので、我々としていくつかの方策を考えてきた。
例えば我々が獲得した技術について、グループ会社から対価として取るものをより取っていくとか、グループ会社の機能についてもう少し考えるとか、そうしたことを行うことによって赤字をなるべく少なくしていくことを考えている。
(続く)
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