(総会終了後、本社に併設されているデニーズで、QUOカード消化の目的もあってお昼をいただきました。)
質疑応答の続きです。
質疑応答(2)
【質問6】
富山県某市で夜勤のアルバイトをしており、オーナーさんからの鋭いご質問も先ほどあったが、底辺で働いている者としてお願いしたいことがあって今日はやってきた。
うちのオーナーをなんとか助けてもらえないか?
賃金がとてつもなく上がっているのと、社会保険もちょっとしたものでもかけるように圧力がかかっている。
うちのオーナーも払いたくないものも払わざるを得ない状況にあり、本部から少しでもお手当がいただければ。
本部の利益が減ることはなかなかできないかもしれない。
ただ地方のオーナーだけかもしれないが、オーナーが元気がないと店の雰囲気も悪くなる。
せっかく天下のセブンイレブンの看板があるのに。
(伊藤会長より「簡潔にお願いします。趣旨はよくわかります。」)
あとオーナーの利益ということで言えば、廃棄もある。
1日2万円の廃棄が出ているが、オーナーが1万円捨てている。
ひと月にしたら30万円になり、これについても何か考えてもらえないか?
廃棄に対して15%とか負担があるとは聞いているが、お金の問題ではなく、例えばおにぎりやサンドイッチは賞味期限の2時間前に引き上げているし、金のハンバーグも2日前に本部の指示で引き上げている。
これなどは当日でもいいんじゃないかとか、細かいことでも一回考えてもらえないかと思い、お願いに上がった。
⇒
(セブン-イレブン・ジャパン 阿久津社長)
まずは日々の業務へのご尽力に厚くお礼申し上げる。
労務費が上昇する中でのオーナー様の利益については、我々にとって最も重要なことと位置づけており、加盟店利益の向上に向けて、今、全力を尽くしている。
あくまでも平均の数字ではあるが、あと一歩で前の年をクリアできるところまで来ているので、今の改革をしっかり進めていきたい。
その中で社会保険料の負担等の話もあったが、やはりこれはオーナー様に役割として法令に則りお支払いいただくものであって、我々としては店舗営業を通じて出てくる利益の最大化図ることが使命だと考えている。
オーナー様の利益について、今、さまざまなコストが上昇していく中で、なかなかコスト削減だけでは乗り切れる時代ではなくなってきており、やはり売上の向上・粗利の改善が一番だと考える。
売上の向上の1つは、カテゴリ戦略。
セブンイレブンは日本人の多くが求めている最大公約数をつかみ取ることで利益を伸ばしてきたが、今、お客様のニーズは多様化してきている。
一人一人が感じる価値が変わってきている時代、そのお客様が求める価値をシャープに狙い定めていくということが大事。
セブンイレブンとしては、苦手と言われてきた若い方のニーズであったり、これから人口が増えていくシニア層のニーズ、あるいは、これまでも近くて便利と申し上げてきたが、 働く方たちのニーズということを、しっかり取り込んでいくのがカテゴリ戦略となる。
それと、今、出来立て商材のニーズが高まっているので、カウンター商品での売り上げ創出、こういったもので売上を作っていくことに取り組んでいく。
一方で一番懸念しているのは、カウンター商品は作業負荷が高いということ。
これを軽減すべく、省人化にも合わせて取り組んでいきたい。
今年の秋には、次世代のレジとして、お店の判断でセルフレジへの切り替えができるレジの導入を進めていくので、サービスの一部をセルフ化する中で省人化を進めていく。
そしてロボティクス技術をはじめとした新しい技術を導入する中で、省人化を図っていくことであったり、あるいはAIの活用によって、発注等の負荷を軽減しながら精度を高めていく。
こういった施策を導入しながら、トップラインを上げる施策と、省人化、お店の作業負荷を軽減するものとを同時にチャレンジしていきたい。
困難もあることは承知だが、鈴木さんから学んだことは、困難であることこそ価値を生むということ。
これまでのおにぎり、銀行といったさまざまなチャレンジと同様に、今回の取り組みもしっかり進めてまいりたい。
まだまだ、現場の負荷が大きいことも理解しつつ、今後の挑戦を一緒にお願いしたいと思う。
→ 阿久津社長のご説明は丁寧ですね。
(伊藤会長)
皆さんを取り巻く環境が厳しいということを認識しつつ、ただ簡単には解決できる問題ではないということも認識しながら対応していくので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げる。
【質問7】
パートナーシップという言葉が対処すべき課題のところであったが、セブンさんはせっかくいい商品を作っているのにアピールがもう少しかなと思う。
サンドイッチの話もあったが、野菜を取れたてのところからずっとコールドチェーンに乗せている。
それはローソンもファミリーマートもやっていないし、レタスの食感も全然違う。
そうした機能を持つのはセブンさんだけだから、そこをアピールしてもらえば。
カウンターで作るものは作っていただいて、デイリーメーカーのサンドイッチとか、美味しいものはアピールしていただかないと。
それは鈴木さんに34年前にお会いして教えていただいた。
(一緒に写った)写真も持ってきているが、鈴木さんには本当に感謝している。
(会場拍手)
鈴木さんからいっぱい教わったのでぜひと思って今日来たのにご不満が多くて少し残念だが、こうして応援している人もいっぱいいるということを知っていただきたい。
ファミリーマートから来た澤田さんもびっくりしていると思う。
セブンってこんなに凄いんだと。
ということで、ひとつよろしくお願いします。
⇒
励ましのお言葉をありがとうございます。
やはりコミュニケーションはきちんとやっていかないといけないということを感じた。
鈴木名誉顧問のみならず、先人達が築いたものをどれだけ発展させられるかということが我々の使命だと感じる。
引き続きご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
【質問8】
第3号議案について伺いたい。
いわゆるバーチャルオンリー株主総会についての定款変更と理解するが、そもそも当社では今まで一回もイオンさんのようなリアルとバーチャル併用の株主総会をやったことがないのに、バーチャルオンリーの定款変更をするというのはおかしいと思う。
当社は基本的にリアル総会だと思うが、この定款変更を行うなら、少なくとも来年からバーチャルの併用で行な責任があると思うが、これについてどう思うかを聞きたい。
関連して、バーチャルオンリー株主総会については、1つ問題だと思うのが、質疑応答で恣意的に質問や動議を取り上げるのではないかということ。
通信記録を開示すればいいのではと議論されてるが、他社では公正性を期すために寄せられた質問を全て自主的に公開しているところもある。
当社でも自主的な通信記録の開示を行う用意があるのか、お聞かせ願いたい。
⇒
(木村副社長)
今回の第3号議案は、株主の皆様に居住地にかかわらず出席しやすくなること、そのことによって、株主総会の活性化、効率化、円滑化を図っていきたいという趣旨。
また、各種感染症や大規模自然災害、これらが発生したときのリスク低減ということもあり、場所の定めのない株主総会を開催できるように定款を変更するもの。
ただ株主様からご意見がありましたが、そんな状況であったとしても、株主様の権利であるご意見・ご質問をしっかりと承って対応していくということについては、従来と変わらない姿勢でやっていく。
もう1つ、併用してやらずにいきなりやるのかというご意見もあったと思うが、当社はまだ、来年バーチャルでやるといったことは考えていない。
ただ、今の世の中、あらゆることが起こりうるということを想定した中で、今般、バーチャルオンリーのできるような状況をつくるべく、定款変更でお願いしている次第。
繰り返しになるが、どんな状況で開催するにしても、株主様のご意見・ご質問については、ご提案いただいたように100%を受けて開示するとか、あらゆることを検討しながら対応していくので、何卒ご理解いただきたい。
(ここで伊藤会長より「審議もだいぶ尽くされてきたかと思うので、ご質問はあと2問とさせていただきたい」旨の申し出あり。)
【質問9】
人口減少に伴う労働資源の枯渇、就労者に関する窮状について、本社サイドではどのように捉えているか?
人手不足が常態化し、ありとあらゆる分野で人がいないし、就労者優位の売り手市場で仕事にうまみがないとみなされたら人手はすぐ不足してしまう。
恐怖感を感じて一昨年も質問させていただき、その時のご回答は今いる従業員さんを辞めさせないように努力する、というものであったが、もはやそれでは済まされない気がしている。
2030年までに1,000店舗を増やすというお話もあったが、この辺についてお聞きしたい。
⇒
(榎本執行役員)
我が国においては少子高齢化により人手不足の深刻度は年々増してきており、当社としても極めて重要な問題であると認識している。
既存の従業員の方にいかに働き続けてもらえるか、新規に採用する方にいかにご入社いただくか、今、さまざまな形で働いている方々の働きやすさをどう向上していくか。
この3本の柱をしっかり同時並行でやっていくということが極めて重要。
この営みに関しては果てしない取り組みであると考えているが、我がグループとしては、既存の方々の働きがい・働きやすさの向上に向けて、キャリアパスをどのように形成するか、現場で働く上でここを改善してほしいというような要望があるか、これを店舗のオーナー様や働いている従業員の方、あるいは加盟店を経営している会社からの声、これらを聞き合わせながら改善に努めているところ。
それらの声に対応しながら、DXを活用して現場の省人化に努めている。
また我々の店舗では、多くの外国人の方も働いていただいており、こういった方々がしっかりと働き始められるようにサポートする、継続して働き続けられるようにサポートする、こういったことも併せて取り組んでいるところ。
人手不足の問題が短期的に解決するということはないが、これらの取り組みについてさまざまなステークホルダーの方々と対話をしながら、継続的な取り組みをし、これを進化してまいりたい。
(セブン-イレブン・ジャパン 阿久津社長)
人手不足は非常に大きな経営課題。
やはり店舗における省人化については、さらなる努力をしていきたい。
これまでもお会計セルフレジであったり、新検品システムという検品の簡易化、あるいはデイリーの商品についてはAI発注を活用して一定の省人化を図ってきたが、まだまだ不足しており、 これからさらに踏み込んでいきたいと思っている。
先ほどもお話した通り、今年の夏には、次世代レジとして店舗でのセルフレジの切り替えができるようにするレジを導入するとともに、その先にはロボティクスの技術を活用した設備の導入であったり、AI発注のさらなる精度向上を進めていきたい。
省人化を図りながらもう1つ考えたいのは、セブンイレブンの労働市場でのブランド価値の向上。
アルバイトをするならセブンイレブンと言っていただけるような、そういったブランド価値を作っていくことも大事だと思う。
昨年、新CMを作る際、初めてユニフォームを着たオーナー様と従業員様が登場するシーンを作り、そのコンビニでオーナー役の天海さんに「このコンビニで街の人を幸せにする、それが私の夢」というようなお話をしていただいた。
これにはいろんなご意見をいただいているが、セブンイレブンで経営なさるオーナー様、そして働く従業員様が、世の中から素敵だなと思っていただけるようなイメージをつくることで、多くの募集に広がっていくことも大事だと思っている。
こういったお客様、あるいは従業員様たちとのコミュニケーションと省人化の両方で、人手不足には対応していきたい。
(伊藤会長)
人的資本は最も大切な資本であると考え、いま申し上げた施策を進めていく。
【質問10】
セブンイレブンを経営して、47年目に入った。
この会社のスタートの頃から見ている。
鈴木さんのやってた頃が良かったという人もいるが、私は違う意見を持っている。
鈴木さんがいる時の株主総会は、誠に暗い雰囲気だった。
(会場笑)
鈴木さんはお亡くなりになりましたが、今日はガラッと変わり、鈴木さんから離れてやっていこうという意気込みをちょっと感じているところ。
(伊藤)順郎さんは立派に議長をやられている。
役員の皆様も危機感を持っているということも感じた。
で、ずばり申し上げる。
株価が低迷している理由は何か?
株主の皆さんも店舗に来る、そして雰囲気を見る。
その時、従業員ならびにオーナーがどういう顔をしているか?
ここに表れている。
地方のオーナーさんから大変なんだというご意見も出たので、これ以上私は重ねて言わないが、本当に今人手が足らず苦しい。
とにかく新商品を作っていく。
それも確かに必要なことだが、大事なのは現場をいかに活性化させるかではないか。
これは私が勝手にやっていることだが、宅急便はやめたし、おでんは昔からやっていない。
鈴木さんがやった、何が何でも色々なことをやっていこう、それによって利便性が上がり、来客数が増える ー これが大きく間違っていたということを考えなくてはいけない。
ヒントはある。
いいものを作っている、そう、サンドイッチ。
5年前にサードポイントも言っていたではないか、コンビニ業態に集中しろと。
今やっと集中する形になってきて、誠に結構なことだと思う。
デイカスさんのご挨拶を聞いて「ああ、この方はちゃんとやっていく気があるな」と思った。
だから私も、あと5年ばかり店をやろうかなどと、今思ったところ。
新役員の皆様には大きな期待を寄せている。
不必要なものは削っていく。
そして本当に美味しいものを届けるという状態に持って行った方が、私は株価が上がっていくと信じている。
(→ 最後を締めるのに相応しいメッセージだったと思います。コンビニが社会インフラへと育ったのは間違いなく鈴木氏の功績ですが、現場では制度疲労を起こしていたことを感じさせるお話で、色々と考えさせられます。)
⇒
ただいまのご発言は私共に対する叱責とともに励ましのお言葉ということで承りました。
ありがとうございます。
以上で、質疑応答は終了。
(11:56)
役員の紹介も兼ねた議案の採択を経て、閉会となりました。
(12:04)
所感
オーナーさん、アルバイトの方といった現場を担う方からの質問が多い独特な総会で、貴重なお話も伺うことができました。
一つ一つの質問に対して、たくさんの役員の方から丁寧な回答がなされていたのが印象的でした。
また、(いちいち書きませんでしたが)質問・回答全てに対してその度に会場から拍手があり、叱咤激励を受けながらも、オーナーさんを含め多くの株主に支えられている企業であることも感じました。
そして役員の方々のご発言から、当社の未来に少し希望を持つことができたような気がします。
この総会からは、本部・加盟店がともにハッピーになれることの大切さを学ばせていただきました。
フランチャイズビジネスは、共存共栄となれる契約条件となっているか、そしてコミュニケーションがしっかり取れているかも重要ですね。
やや報告事項のところに時間をかけすぎな感はありましたが、ほぼ12時に終了させた運営面は流石といったところ。
総会の評価は、★4つ寄りの★★★☆☆とさせていただきます。
(終わり)
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