【7683】ダブルエー ECで強化される全体最適(7)~まとめ

銘柄研究

コアコンピタンスは何か

長々と書いてきましたが、この辺でまとめに入ります。

ダブルエーのコアコンピタンスは「全体最適を実現するサプライチェーンのデザイン」にあるというのが、私の出した結論です。


・サプライチェーン全体を、在庫の偏在・ムダが生じにくい形でデザインしている。

・ムダがないから、コストを低くできる。

・コストを低くできるから、お手頃な価格で提供しても十分な利益を出せる。

・さらにECも活用した、お客さま満足度向上をもたらす仕掛けと相まって、高効率・高回転・高収益が実現する。

・全体最適をもたらすこの好循環により、競争優位性がますます高まる(→「2番手が出てこれない程度には圧倒的」)。


鎖のようにキレイにつながるこのロジックに気付けたことが、自分にとっては大きかったです。


「なぜお手頃な価格なのに、粗利益率が高いのか?」

「なぜ店舗はコンパクトで、陳列もスッキリしているのか?」

「なぜ他社と違い、幅広いサイズを揃えられるのか?」


「『いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。』の理念と、高回転とをどうやって両立させているのか?」


こうした「なぜ?」「どうやって?」を一つ一つ解消していく調査を重ねていくことで、仮説としてまとめ上げることができました。


また仮説の枠組みを考える上で大きかったのが、「ザ・ゴール」で有名なエリヤフ・ゴールドラット教授の記した「ザ・クリスタルボール」という著書です。


売上と在庫のジレンマに悩む小売業にとって、「何が、いつ、どこで、どれだけ売れるか」を正確に告げてくれる水晶玉が存在したら、どれだけ良いことか —

実際にはそんなものは存在せず、ロジスティクス(兵站)を整え、全体最適のサプライチェーンを構築すべきであることを、小説形式で説いた本です。

ダブルエーについては、生産工場の巻き込みも含め、まさにこの教科書通りのオペレーションをびっくりするほどに忠実に行っている印象を受けました。
(この本には時代もあってECの記述はないのですが、ECでさらに強化されているとも感じます。)


今後の投資シナリオ

最後に、私の今後の投資シナリオについて記しておきます。

シリーズに冒頭に「青田買い」と書きましたが、ダブルエーに関する投資シナリオを、私は3ステップで考えています。


①「経済再開」による、既存店の売上回復&営業利益率上昇

②内外での出店拡大(首都圏以外の大きな出店余地)

③企業そのもの及び優れたビジネスモデルへの認知度向上による、バリュエーションの上昇


①について説明します。

シリーズ一回目で、「上場以来、外部環境に恵まれず、一度も本来の能力を発揮できた期がありません」と書きました。

これは、店舗運営における休業・時間制限、感染拡大による消費マインドの低下もあって、人件費・店舗家賃といった固定費に対し、フルで限界利益(=売上高ー変動費)を計上できない状況が続き、持ち前の「高回転」をポテンシャル通りには活かせなかったということでもあります。


2020/1期の営業利益率は9.7%であったのに対し、上記の背景もあって2022/1期予想ではまだ5.9%に留まっています。

この営業利益率で仮に+2ポイントでも回復が見られれば、売上規模からして営業利益に相当のインパクトがもたらされます。
(売上が伸びると飛躍的に営業利益が高まるのは、2021/1期実績と2022/1期予想とを比較すれば分かるかと思います。)

近々に期待できる変化として、まずはこれを狙っているところです。


②③についてはより大きなものを期待しており、またそのための仮説も持っているのですが、それは別の機会に改めてということで。


このように競争優位性の源泉は何であるかについて仮説を立て、その仮説に基づき投資シナリオを構築する。

そしてそれを時間をかけて検証していくことを、長期投資の醍醐味としてこれからも楽しんでいきたいと思います。

(終わり)

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コメント

  1. 三郎 より:

    明快な分析とても面白かったです。
    スニーカーが6月以降音沙汰なしなのが気になりますが、日本発ブランドで香港以外にも期待したいです。

    • 6_suke 6_suke より:

      ありがとうございます。

      ORTRの出店は吉祥寺店だけで止まっていますね。
      とりあえず手探りの状態というところでしょうか。

      卑弥呼も含め、アフターコロナでの海外展開も期待したいところですね。

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