長期投資と目標株価について(1)

投資スタンス

日経マネー連載分の最新記事が「日経電子版 マネーのまなび」の方にもアップされました。

株価水準のモノサシになる 目標株価を試算する
株式投資で3億円を超える資産を築き、アーリーリタイアしたブロガーのろくすけさん(ハンドルネーム)。会社員投資家の夢を実現した実在のスゴ腕投資家が、会話形式のフィクションストーリーを通して、株式投資の取り組み方やノウハウをやさしく解説していきます。●ろくすけ 実在する本連載の著者。人気ブログ「ろくすけの長期投資の旅」を運...

今回は「株価水準のモノサシになる 目標株価を試算する」ということで、実例をあげて計算プロセスを説明しています。

これに関連して、記事の補足と、「長期投資において目標株価をどう位置付けているか」について記しておきます。

「株価=EPS×PER」で考えた場合(記事の補足)。

まず紹介させていただいた方法に関して、紙幅の関係で説明しきれなかった部分を補足しておきます。

ここで説明している方法は、「株価=EPS×PER」という観点で捉えてみますと、DCF法も援用しつつ、以下の3つの基本的な考え方を採り入れたものとなっています。

  1. EPSを、6年目の利益とする(5年目の利益をベースに)。

  2. PERを、安定性(r:期待収益率・割引率)と成長性(g:永久成長率)の組み合わせで設定する。

  3. 1×2で算出した5年目終了時点の評価を、現在価値に引き直す。



この方法の主な利点は、以下の3つにあると考えています。

  1. 将来時点の利益をベースにするため、足元のイレギュラーな状況に左右されずに済む。

    例えばコロナ禍による短期的な影響を排除し、実態の収益力を反映させることができます。

  2. 許容できるPERの範囲が広がり、投資対象となる企業の選択肢が増える。

    事業の安定性が高く、永続的な成長が見込まれれば、傾向として高PERとならざるを得ません。

    低PERにこだわっていると、業績のボラティリティが高かったり、成長のスピードや持続性が見劣りする業種に投資しがちになってしまい、投資先の選択肢が狭まってしまいます。

  3. 将来利益、安定性、成長性に対する自分なりの見通しや分析結果を、目標株価という数字に反映させることができる。

    実はこれが一番大きいと思っています。

    証券会社などが出してくる目標株価は、その数字に至る根拠が不十分(もしくは皆無)で、保有の根拠とするには非常に心許ないです。

    大切なお金を投じるからには、自分でしっかり考えた結果をなんらかの形で反映させ、十分な納得感を持った上で保有したいものです。


一方で、DCF法と比較して簡素化したことによるデメリットも当然あります。

  1. 企業価値の一部しか反映させることができない。

    DCF法と比較すると、1~5年目の稼ぎや、非事業用資産の価値を反映させていないため、評価が低く出がちになります(有利子負債の水準が低い前提で)。

  2. 運転資本の増減を考慮していない。

    キャッシュフローではなく会計上の利益を使っているので、どうしてもその乖離は出てきます。
    特に運転資本の増減を反映させられないのは大きなデメリットです。

    運転資本が大きい業種(例:卸売業)は、売上高の増減が運転資本の増減に与える影響が大きくなりますし、逆に支払いに対して入金が早く、運転資本がマイナスとなるビジネスモデルの企業(例:高速出店するドラッグストア、アップル、アマゾン)などは、利益ではなくキャッシュベースで実力を測るべきで、この方法をそのまま使うのは適切ではありません。


この方法はかなり妥協の産物ではあるのですが、「目標株価=今期予想EPS×過去平均PER」などで算出するのに比べれば、時間的な奥行き自分の考えるその企業固有のビジネスモデルの強弱 をある程度反映させることができ、また状況の変化に応じて 柔軟に見直すこともできる という点で、だいぶマシなのではないかと考えています。

(続く)

EXCELでシートを作っておき、ああでもないこうでもないと、ガチャガチャ動かすのも楽しいです。
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